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副業でも開業届は必要?届出のメリットと提出の基準についても解説

副業に興味のある人が増えていますが、開業届を出す必要があるのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。どのくらいの収入になったら開業届を出せばいいのか、提出した場合、どのようなメリットがあるのかについてもお伝えしていきます。

開業届とは

開業届とは、個人で事業を始めるときに税務署に提出する書類です。誰がどこでどのような個人事業を始めたのか、国が把握するために必要な手続きです。
開業してから1ヶ月以内に提出する決まりがありますが、期限を過ぎても罰則はありません。

個人事業主とは

個人事業主とは、会社を作らず個人で事業を営んでいる人のことです。
開業届を税務署に提出して受理されれば個人事業主になれます。
事業を始めるときに設立の費用がかからないため、初期費用を安く抑えて起業できます。

国と都道府県に申告が必要

個人事業を始めるには、国と都道府県の両方に届け出が必要です。国税は税務署、地方税は地方自治体が管理しているからです。

国の場合は「開業届」を税務署に提出し、都道府県の場合は、都道府県税事務所に「事業開始等申告書」を提出します。都道府県によって提出期限が異なりますので、それぞれの都道府県税事務所に確認してみましょう。

参照(国税局):https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm

開業届の作成方法

まずは開業届の用紙を入手します。税務署でもらう方法と、国税庁のホームページでダウンロードする方法があります。記入は手書きでもOKです。パソコンにダウンロードしたファイルに入力して作成することもできます。

開業届の記入事項

開業届には15の記入項目があります。1人で事業をする場合は1〜12までを記入します。13〜15の項目は、従業員を雇って給与を支給する場合に記入します。

開業届の記入事項
(1)納税地の税務署名、提出日
(2)納税地/上記以外の住所地・事業所等
(3)氏名/印/生年月日
(4)個人番号
(5)職業
(6)屋号
(7)届出の区分
(8)所得の種類
(9)開業・廃業等日
(10)事業所等を新増設、移転、廃止した場合/廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
(11)開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
(12)事業の概要
(13)給与等の支払いの状況
(14)源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
(15)給与支払を開始する年月日

ネットで「開業届の書き方」で検索すると、詳しい書き方を紹介しているサイトが見つかります。また、税務署に相談に行って教えてもらうこともできます。

開業届の提出方法

開業届の提出には、下記の4つのものを準備してください。

①開業届 2枚(1枚は控え)
②印鑑
③マイナンバーカード
④本人確認書類(運転免許証、保険証、パスポートなど)

※マイナンバーカードを持っている人は、番号確認と身元確認の両方ができるため、本人確認書類の提出は必要ありません。
※e-taxで申請する場合も、本人確認書類の提出は必要ありません。

マイナンバーカードを持っていない人は、下記の書類のいずれかを提出してください。

  • マイナンバー通知カードの写し
  • マイナンバーの記載がある住民票の写し
  • マイナンバーの記載がある住民票記載事項証明書

上記の4つの書類等を準備し、窓口に提出します。手数料は無料です。開業届の控えに受領印を押してもらえば、手続きは完了です。この受領印のある開業届の控えは個人事業主の証明になりますので、大切に保管しておきましょう。

会計ソフトを活用

開業届をオンラインの会計ソフトを使って作成する方法もあります。「freee開業」というサービスを使えば、個人事業を始めるときに必要な以下の5つの書類が無料で作成できます。

①個人事業の開業・廃業等届出書
②所得税の青色申告承認申請書
③給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
④源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
⑤青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

③〜⑤は従業員を雇う場合の書類ですので、最初は①と②の作成に活用すると良いでしょう。必要な項目を入力していくだけで、書類が自動で作成されます。完成した書類をWebから提出することもできるので、非常に便利です。

開業届を提出するメリット

開業届が受理されると、個人事業主として認められたことになります。届け出をするとどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

事業をしている証明になる

個人事業の場合、自分がどのような仕事をしているのか公的に証明するものがありません。仕事をしていく上で、取引先などに自分のことを説明するときに、開業届を見せれば事業をしている証明になります。

銀行口座が作れる

受領印のある開業届の控えは、公的機関が発行している証明書になるので、銀行口座を作ることができます。屋号での口座開設や融資を受けるときにも利用できます。

小規模企業共済に入れる

個人事業主の場合、会社員や公務員と違って退職金などはありません。小規模企業共済は、個人事業主でも月々¥1,000から退職金の積み立てができます。掛金は全額所得控除の対象になるため、節税にもなります。

また、年利1.5%という低金利で資金の借り入れもできるので、個人事業主や小規模経営者にとってはありがたい存在です。この小規模企業共済に加入するときに、受領印のある開業届の控えが必要になります。

個人事業税とは

個人事業税とは、個人事業主になると課される地方税のことです。職業によって年率5%、4%、3%と税率が異なります。年率5%の職業が多いです。

個人事業税がかからない職業もあります。ライター(文筆業)、プログラマー、システムエンジニア、画家、音楽家、通訳業、翻訳業などは、個人事業税がかかりません。

詳しくは「個人事業税 税金の種類」で検索し、自分の職業の個人事業税が年率何%になるのか確認してみましょう。

確定申告とは

個人事業主になると、自分で所得税を申告して納税しなければなりません。確定申告とは、自分で稼いだ収入に対して所得税がいくらかかるのかを計算し、税務署に申告することです。

1年間に稼いだ所得金額を合計し、控除できる金額を差し引いて、残った金額が課税所得になります。この課税所得を元に所得税を計算します。

所得金額 − 所得控除 = 課税所得

所得税の計算

所得税は、課税所得の金額によって税率が変わってきます。下記の表は課税所得の範囲と所得税率を一覧にしたものです。また、所得控除といって、課税所得に税率をかけた後に差し引くことができる金額があります。所得税の計算は下記の通りです。

課税所得 x 所得税率 − 所得控除額 = 所得税

計算例:課税所得が600万円の人の場合
6,000,000 x 0.2 – 427,500 = ¥772,500

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10% 97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20% 427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで 23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上 45% 4,796,000円

参照(国税庁):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

所得控除とは

所得税を決める時には、実際に稼いだ金額にそのまま税率をかけるのではなく、控除が認められている金額を差し引きます。こうすることによって、課税所得の金額を低くし、所得税を少なくすることができます。

所得控除は15種類あり、配偶者控除や扶養控除、生命保険控除などは聞いたことがあるのではないでしょうか。それから、ふるさと納税をやっている人もいると思いますが、こちらは寄附金控除に該当します。

また、基礎控除というものがあり、納税者であれば誰でも適用されます。所得金額が2400万円以下の人は、一律48万円の控除が受けられます。

会社員の場合は、会社が年末調整をしてくれますので、基本的に確定申告をする必要はありません。ただし、雑損控除、医療費控除、寄附金控除は年末調整では処理されないため、これらの控除を受けたい場合は確定申告が必要になります。

​​①雑損控除
②医療費控除
③社会保険料控除
④小規模企業共済等掛金控除
⑤生命保険料控除
⑥地震保険料控除
⑦寄附金控除
⑧障害者控除
⑨寡婦控除
⑩ひとり親控除
⑪勤労学生控除
⑫配偶者控除
⑬配偶者特別控除
⑭扶養控除
⑮基礎控除

確定申告が必要な人

確定申告が必要な人は、主に個人事業主や不動産収入のある人です。下記に対象となる人の例を記載します。

  • 個人事業主(所得金額が48万円以上)
  • 不動産収入がある人
  • 住宅ローンの控除を受けたい人
  • 株取引などの譲渡益が48万円以上ある人
  • 給与収入が2000万円を超える人
  • 2社以上の勤務先から給与所得がある人
  • 懸賞や賞金などで一時的な収入があった人 など

会社員でも、給与収入が2000万円を超えたり、副業の所得金額が20万円を超える人は確定申告が必要になります。

国税庁のホームページに確定申告が必要な人の基準が掲載されていますので、参考にしてみてください。

参照(国税局):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

白色申告と青色申告

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります、個人事業主になった人はどちらかを選びます。

白色申告とは

白色申告は、特に手続きは必要ありません。申告の時期も自由で、何もしなければ自動的に白色申告になります。単式簿記での帳簿付けと、確定申告の際に収支内訳書という書類を提出します。

以前は、事業所得が300万円以下の場合は帳簿を付けなくてよかったのですが、2014年1月から全ての個人事業主に帳簿への記帳と帳簿類の保存が義務付けられました。

青色申告のように特別控除などはなく、あまり節税対策にはなりませんが、記帳の方法と提出書類がシンプルな点はメリットです。

青色申告とは

青色申告には期限があり、3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出します。帳簿付けは複式簿記で、青色申告決算書という書類を提出します。白色申告よりも処理が複雑になります。

ですがメリットもあります。最大65万円の特別控除が受けられたり、赤字を3年間繰り越せたり、家族を従業員にしている場合は、家族の給与を全額必要経費にできたりします。

白色申告より手間はかかりますが、その分、控除が受けられたり、経費にできる金額が多く、節税対策になります。

まとめ

副業をしようと思うと、税金のことや開業届など、いろいろなことが気になり始めます。副業の収入が20万円を超えるまでは特に焦る必要はありませんが、20万円を超え、継続して収入が得られるようになったら開業届を出すと良いでしょう。

個人事業主になると、税金について考えることが多いなと感じた方もいるかもしれません。青色申告は控除の額が多く、控除の適用範囲も広いです。開業届を出すときに、青色申告も一緒に申請しておけば節税対策になります。

初めての開業届は、わからないことが多いですが、便利な会計ソフトもありますし、税務署の所得税担当の窓口に相談することもできます。賢く節税対策をして、副業で収入を増やしましょう。

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