WEBデザイナー人口は年々増加傾向にあり、人気のある職種です。
厚生労働省によると、2023年時点でWEBデザイナー人口は20万人に上ると言われています。
2015年の国勢調査では全IT人材を合わせても10万人を下回っていたことからも、その人気具合がうかがえるでしょう。
このような背景から、「WEBデザイナーは飽和状態にある。だから、WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴に就職・転職は難しい」という声が聞かれるようになりました。
結論からお伝えすると、WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴でも、WEBデザイナーとして就職・転職することは十分可能ですが、「WEBデザイナーの仕事・取り巻く環境・就職事情を知って正しく準備すること」が大切です。
この記事では、これまで数千人ものWEBデザイナー志望者を見てきた私が、「WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴」、つまりWEBデザイナーの仕事に興味があるあなたに対して
- WEBデザイナーの仕事事情
- WEBデザイン業界事情
- WEBデザイナーの就職事情
- WEBデザイナーへの就職・転職に失敗しないためのルール
- フリーランスのWEBデザイナーとして働くという選択肢
について赤裸々にお話しします。
衝撃的な事実も書かれているため、驚く人も多いでしょう。
しかし、この記事を読み終わる頃には、WEBデザイナーやデザイン業界に対する理解を深め、さらにはWEBデザイナーとしてのキャリアを成功させるために必要な前提知識を身につけることができます。
WEBデザイナーになりたいと考えている人、あるいはWEBデザイナーに興味がある人はぜひ参考にしてください。
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WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴に知ってほしいWEBデザイナーの仕事事情
WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴には、下記の5つのWEBデザイナーの「仕事事情」について知ってもらいたいです。
- WEBデザイナーの仕事はあくまでデザイン制作である
- 駆け出しの年収は正直低い
- 会社によっては残業地獄になることもある
- 常に勉強し続ける必要がある
- 泥臭いクライアントとのやり取りも少なくない
ここでは、それぞれの仕事事情について詳しく解説します。
WEBデザイナーの仕事のリアルを知ることで、実際にWEBデザイナーに就職・転職した際に、「こんなはずではなかった」「知らなかった」と後悔するリスクを軽減することにつながるでしょう。
WEBデザイナーの仕事はあくまでデザイン制作である
WEBデザインの仕事について調べていくと、「コーディング(プログラミング)も学ばなければいけない」「コーディング知識のないデザイナーは使えない」と書かれていることがあります。
ですが、これはあくまで一昔前の話。
2024年現在、WEBデザイナーを目指すのにコーディングスキルは必要ありません。
かつて、WEBデザイナーの仕事といえばWEBサイト(企業のホームページ)を作ることでしたが、今は広告バナーやサムネイルなどのデザイン制作だけをおこなうデザイナーもいます。広告バナーのデザインにコーディングは一切必要ないのです。
また、コーディングは「コーダー」という専門の人がいます。
コーディングが好きなら学んでおくのもありですが、「デザインがやりたい」「プログラミングが苦手」なら、コーディングではなくデザインを学びましょう。
確かに現在でも、「デザイナーにはコーディングまで担当してもらう」という企業もあります。そのような企業の方からしたら、コーディングができないデザイナーが入ってくるのは迷惑かもしれませんが、そんな企業はごく一部なので、安心してください。
むしろ、デザイン業界的に嫌われているのは、デザインもろくに作れないのにコーディングを学んでデザイナーを名乗っている人。それはただのコーダーです。
※ただし、WEBサイト(ホームページ)やLPのデザインのコーディングを依頼するために、ある程度の基礎知識は持っておく必要があります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なお、弊社日本デザインでは「WEBデザイナーのリアルな実態」「未経験からデザインスキルのみで活躍する方法」を解説する無料セミナーを開催しています。WEBデザイナーになってから後悔したくない方は参加してみてくださいね。
駆け出しの年収は正直低い
「WEBデザイナーとして月収100万!」
と謳っている広告や記事って、たくさん見かけますよね。
実際に、日本デザインスクールの卒業生にも、卒業後半年で月収50万や100万を達成した人がいるので載せています。
ですが、ぶっちゃけそんなに甘くないのが現実です。
デザイナーとして就職すると、最初は月収20万以下からスタートすることもあります。
就職してすぐはまだ教えてもらったり、先輩に修正してもらうことが多いので、お給料は低いのです。
また、フリーランスWEBデザイナーが稼いでいる印象から、「デザイナー=稼げる」と思われがちなのですが、正社員はそこまでお給料が高くありません。
ディレクター職まで上がると給料は高くなりますが、それでも年収1000万を超える人はごくまれです。
フリーランスWEBデザイナーの給料が高いのは、値段を自分で決められるからです。
デザインレベルの高い人が少ないため、レベルの高い一部の人に仕事の依頼が集まります。そのため、ある程度値段を上げても依頼は来るので、月収50万や100万も叶うのです。
ですが、フリーランスは不安定さという大きなデメリットがあります。不安定さと引き換えに高収入が叶っているようなものなので、安定している正社員のWEBデザイナーは、そこまで稼げないと覚えておきましょう。
また、フリーランスも最初から高単価で稼げるわけではなく、最初は1000円のバナーの3時間も5時間もかけて作っていき、徐々に単価を上げていく、地道な稼ぎ方です。
会社によっては残業地獄になることもある
残業の量は企業によって異なりますが、業界全体として残業が多めなのは事実です。
特に、いろんな企業からデザインを受注している制作会社の場合、月末納期が多く、残業が増えます。
会社は、あくまでチーム戦。
もし自分の担当する案件が終わっていても、チームのどこかに遅れが出ていたら残業になる場合も多いです。
新人のうちは自分がチームの足を引っ張るかもしれません。
働き方改革によって遅くまでの残業も減ってきているそうなので、昔ほどは残業は多くないと言われていますが、残業はそれなりにあると覚えておきましょう。
泥臭いクライアントとのやり取りも少なくない
WEBデザイナーに対して、「華やかな仕事」「ひたすらパソコンに向かう仕事」というイメージを持つ人がいますが、実際には泥臭いクライアントとのやり取りも少なくありません。
具体的には、下記のようなコミュニケーションが求められます。
- クライアントからの連絡には、可能な限り迅速かつ丁寧に返信する
- 可能な限り早くクライアントにデザインの雛形を送信する
- クライアントからの修正や要望に根気強く対応する
下記のように、クライアントとのコミュニケーションを大変であると感じているWEBデザイナーは多いです。
なぜ、Webデザイナーを集めて勉強会をやるのか?
僕自身、未経験からWebデザイナーになるのは大変でしたし、そこから仕事は誰にも聞くことはできませんでした。
いくらフリーランスで時間に縛られないとしても、
- 営業
- クライアントとのやりとり
- デザイン
- コーディング
- マーケティング
- サーバー
等々のスキルをつけるのは大変だと思います。
スキルで案件を競い合っていれば、単価を下げることになる。
そこで僕は、Webデザイナーの価値を向上させ、働き方まで変えていくために会社を設立しました。ノーコードデザイナーさん向けにWordPressテーマを開発し、今試用していただいています。
出典:X(旧Twitter)
デザイナー、目指すのかんたんなんだけど、非デザイナーからのフィードバックにいかに耐えられるかというのと、マグロみたいに永遠に手を動かし続けないと死ぬ、みたいなところがあるので、デザインが好き!という強いきもちがないと続けられないと思う
出典:X(旧Twitter
クライアントとの泥臭いコミュニケーションは大変ではありますが、相手との信頼関係構築、ひいては案件の継続につながることから非常に重要です。
フリーランスであれば、なおさらでしょう。
WEBデザイナーの仕事には、「クライアントとの泥臭いコミュニケーション」も仕事のうちに入ることを知っておいてください。
WEBデザイナーになりたいとか言っている奴に知ってほしいWEBデザイナーの業界事情
次に知っていただきたいのは、下記のようなWEBデザイナーの「業界事情」についてです。
- スキル不足のWEBデザイナーは飽和している
- 技術が進歩し簡単なデザインしかできないデザイナーは必要とされていない
- AIが登場しHTML/CSSを書けるくらいのWEBデザイナーの将来性はない
これらの業界の実態を知っておくことで、WEBデザイナーになってから「こんなはずではなかった」と後悔することがなくなるでしょう。
スキル不足のWEBデザイナーは飽和している
現在、WEBデザイン業界ではスキル不足のWEBデザイナーは飽和している状態です。
新型コロナウイルスの影響で、オンラインや在宅ワークが普及し、好きな時間・場所で働けるという魅力に惹かれてWEBデザイナーが急増しました。
WEBデザイナーになるためには、資格や学歴は不要です。
つまり、「自分はWEBデザイナーである」と名乗れば誰でもWEBデザイナーであると言えます。
WEBデザイナーに必要なスキルや知識を身につけず「WEBデザイナー」であると名乗る人が増えたため、スキル不足のWEBデザイナーが飽和しているのです。
しかし、制作現場では即戦力となるWEBデザイナーが不足しているという実態があります。
下記の円グラフをご覧ください。
これは、日本デザインがWEBデザイナーを雇用している企業109社を対象に実施した「IT人材の雇用に関する実態調査」の結果をまとめたものです。
およそ80%もの回答者が、「WEBデザイナーが不足しており、採用に苦戦している」と回答していることが分かりますね。
スキルを身につけずに勢いだけでWEBデザイナーになると、活躍・成功するのは難しいです。
必ずWEBデザイナーに必要なスキルを身につけてから就職・転職活動をスタートさせてください。
技術が進歩し簡単なデザインしかできないデザイナーは必要とされていない
近年技術が発達し、下記のようなデザインテンプレートを使えば誰でも簡単にデザインが制作できるようになったため、近い将来、簡単なデザインしかできないデザイナーは仕事を失う可能性が高いです。
- Wix
- Canva
- ペライチ
しかし、これらのツールを使って作成するデザインには限界があり、クライアントが抱える課題を解決できるような高品質、かつオリジナリティのあるデザインを制作することはできません。
つまり「品質の高いデザインを制作し、クライアントに価値を提供できる」WEBデザイナーであれば、デザイン業界で生き残り活躍・成功することができるでしょう。
WEBデザイナーになる前だけでなく、WEBデザイナーになってからもスキルアップを目指して努力を続けることが必要です。
HTML/CSSを書けるくらいのWEBデザイナーの将来性はない
HTMLやCSS程度のコーディングをかける位のWEBデザイナーは、近い将来淘汰されるでしょう。
それは、近年、chatGPTやMidjourneyなどのAI、あるいはWordpressやWixのようなコーディングを使用せずに簡単にWEBサイトが制作できるツールなどの進化が目覚ましいからです。
WEBデザイナーとして生き残りたい、あるいは成功したいと考えるのであれば、WEBデザイナーになる前にしっかりとWEBデザインに必要なスキルや知識を身につけておきましょう。
なお、弊社日本デザインではWEBデザイン業界の裏側が知れる、無料のオンラインセミナーを開催しています。
就職してから後悔したくない、寄り道をせずWEBデザイナーになりたいという方はセミナーに参加してみてください。
WEBデザイナーになりたいとか言っている奴に知って欲しいWEBデザイナーの就職事情
WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴人には、下記の4つの「就職事情」についても知ってもらいたいです。
- 未経験からの就職には「専門的なスキル」が求められる
- 独学では就職できるレベルになるのは正直厳しい
- 勢いで就職できるのは若い人に限られる
- 面接官は資格を持っているか見ていない
ここでは、それぞれの事情について詳しく解説します。
これらの現実を知れば、スムーズにWEBデザイナーへの就職・転職を果たせる可能性が高まるでしょう。
未経験からの就職には「専門的なスキル」が求められる
WEBデザイナーとして就職・転職するためには、未経験者であっても「専門的なスキル」が求められます。
そもそも、応募者と採用担当者で「未経験者」の解釈が異なるため注意が必要です。
応募者側から見た「未経験者」 | WEBデザインの制作経験はおろか、WEBデザインの知識やスキルもない人 |
採用担当者側から見た「未経験者」 | WEBデザインの制作経験はないものの、WEBデザインに関する基本的なスキルが身につけられている人 |
採用担当者が考えるWEBデザインに関する基本的なスキルとは、下記の通りです。
- 基礎的なデザインスキル
- Photoshopを扱うスキル
- コーディングの基礎理解
- コミュニケーションスキル
逆に言うと、これらのスキルを身につけない状態でWEBデザイナーを目指した就職・転職活動をしても採用してもらえる可能性はあまり高くありません。
面倒で遠回りに見えるかもしれませんが、上記のスキルを身につけてから就職・転職活動を始めることがWEBデザイナーになるための最短の方法です。
WEBデザイナー求人の中には、「未経験者歓迎」「研修あり」といった文言が記載された求人票があります。
これらの求人の中には、下記のように入社してみたらWEBデザインの仕事とは全く関係のない業務をさせられるという悪質な求人もあるため要注意です。
- 「研修」の一環で、家電量販店やコールセンターで働かされる
- 文字起こしやコーディングなどの作業ばかりやらされる
- 研修は行われるものの、土日や就業時間後に自腹で勉強させられる
独学では就職できるレベルになるのは正直厳しい
独学でWEBデザインを学んで就職したいという方もいますが、正直なところ独学でWEBデザイナーになるのはかなり厳しいです。
独学では実用的なデザインスキルを習得するのが容易ではないからです。
前項でも説明しましたが、WEBデザイナーになるためには、未経験者であってもさまざまなスキルを身につける必要があります。
そして、これらのスキルは「実践」を通じて体得するものですが、そもそも独学では「実践」の場が限られてしまいがちです。
また、プロからの指導やアドバイスがないため、独りよがりで実用的でないデザインとなってしまう可能性が高いです。
下記の図をご覧ください。
左図は独学の際に制作したデザイン、右図はデザインスクールに通ってから制作したデザインを比較したものです。
装飾の数やデザインのこだわりなど、さまざまな点で大きく異なるのが分かるでしょう。
独学でデザインスキルを高めるのは限界があります。
結果として、就職・転職活動でつまずいてしまう可能性が高いです。
勢いで就職できるのは若い人に限られる
WEBデザイナーに必要なスキルを身につけることなく就職できる可能性があるのは若い人に限られるため、注意してください。
企業の中には、「若い人を育てたい」「長く働いてもらいたい」と考える企業があります。
そのような企業であれば、20代の人はWEBデザインスキルがなくても将来性を見込んで採用してもらえる可能性があるでしょう。
(もちろん、WEBデザインスキルを身につけていたら採用してもらえる可能性はさらに高くなります。)
それに対して、企業が30代以降の応募者に求めるものは、「即戦力」あるいは「管理職候補」です。
言い換えると、WEBデザインに必要なスキルや知識を身につけていないと採用してもらえません。WEBデザイナーに就職・転職したい人、特に30代以降の方はWEBデザインに必要なスキルを身につけてから就職・転職活動を始めてください。
面接官は資格を持っているか見ていない
デザイナーを目指すなら、資格は必要ありません。
むしろ、時間の無駄なので資格の勉強はしない方が良いです。
制作会社に勤務していたデザイナーによると
そもそもデザインにどんな資格があるのか知らない(色彩検定は聞いたことがある)
会社のデザイナーの誰1人として資格を持っていない
採用するときに資格の欄を見たことがない
とのことでした。
また、「WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴」の元ネタになった掲示板でも、「資格を持っているかなんて見ていない」と書かれていました。
繰り返しお伝えしてきましたが、デザイナーに必要なのは資格ではなくデザインスキル。面接で見られているのはあなたが作った作品集のクオリティです。
資格に全く意味がないわけではないですが、デザイナーを目指す上で遠回りになるので、資格を勉強する時間は、オリジナルの作品を作ったり、クラウドソーシングサイトのコンペに応募して力試しをするのがおすすめですよ。
WEBデザイナーとしての就職に失敗しないための4箇条
続いて、WEBデザイナーとしての就職・転職活動を始める前に知らないと損をする、失敗しないためのポイントを4つご紹介します。
現役デザイナーかつ指導のプロから習うべし
記事の前半で、デザインを独学で身につけるのは難しいとお伝えしました。
ですが、残念ながらただデザイナーからデザインを教わればデザインスキルが身に付くというわけではありません。
NGな講師には主に3つの特徴があります。
- 現役のデザイナーではない
- デザインを言語化できない
- いいところを褒めてくれるだけでフィードバックをくれない
まず、現役のデザイナーから教わりましょう。
職業訓練校や老舗のスクールには、現役を退いて10年近く経っている講師がいます。
当たり前ですが10年も経てばデザインの流行は変わりますし、その講師に習ってもどこか古臭い印象のデザインが作れるようになるだけです。
また、デザイナーの中には元々センスがよかっただけで、言語化して教える訓練をしていない講師や、ただ「良い感じだね」と褒めてくれるだけの講師もいます。
頭のいい人が必ずしも勉強を教えるのが上手ではないように、デザインが上手ければ指導も上手なわけではありません。
講師の質については、卒業生の口コミや声を確認するのが一番です。
必ず妥協せず、現役かつデザイン指導にも特化している講師を探しましょう。
ポートフォリオのクオリティを上げるべし
こちらもすでに何度か書きましたが、採用担当者が最も見ているのは、ポートフォリオのレベルです。
とにかくポートフォリオにクオリティの高い作品を載せてください。
ポートフォリオは量より質が大切なので、クオリティに自信のある作品を5~10個に絞って載せましょう。
作品を知り合いに見てもらい、どの作品が上手に見えるか選んでもらうのも良いですね。
ポートフォリオのクオリティを上げていくおすすめの方法は、クラウドソーシングなどのコンペ案件(※)に応募しまくること。
コンペに通ったら、ポートフォリオ内に実績として「〇〇コンペにて〇人の応募の中から選んでいただいた作品です」と記入することができますし、選ばれなかったとしても「どんな作品が選ばれるのか」が学びになります。
また、落選作品も写真やコピーを変更することでオリジナル作品としてポートフォリオに載せることができますよ。
制作会社と事業会社の違いを理解しておくべし
デザイナーの主な就職先として、「制作会社」と「事業会社」の2種類あります。
なんだか似た名前ですし、どちらもデザインを作る仕事ですが、実際に働く環境は大きく異なります。
どちらが良い/悪いは無いですが、就職活動を始める前に、どちらの会社に勤めたいかは考えておきましょう。(もちろん、どちらも受けてみることもできますよ。)
会社の特徴と、メリットデメリットをまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
制作会社
ひとことで言えばデザイン量産会社。
クライアントから依頼されたホームページ、バナーのデザインを作り、納品することで収益を上げています。
クール系のデザインを依頼してくる企業から、ポップで可愛らしいデザインを依頼する企業まで様々あるので、いろんなタイプのデザインに挑戦できます。
また、社内にデザイナーが多いので、わからないことが聞きやすいメリットもあります。
デメリットは何より納期前の大変さ。月末は複数のクライアントの納期が重なり、かなりバタバタなんだそうです。
また過去には、営業の人手が足りなくなったことで営業の仕事に移されたデザイナーもいるそうですよ。
メリット | デメリット |
---|---|
・ ・社内にデザイナーが多い | いろんなタイプのデザインが作れる・納期前は残業になりがち ・会社によっては営業を兼ねることもある |
事業会社
ひとことで言えば企業のデザイン部門担当。
事業会社とは、オリジナルの商品を持っていて、商品企画から販売促進、デザインまでをその会社の中でおこなっている会社のことです。
もしデザイナーとして就職すれば、あなたはその企業の「デザイン部門担当者」になります。
事業会社に就職するメリットは、売り上げに直結させられること。制作会社のゴールはあくまで「クライアントの満足するデザインを作ること」ですが、事業会社なら、デザインの効果まで計測するので、やりがいがあります。
また、デザインから派生してSNSや広告の運用、マーケティングの仕事も任されることもあるので仕事に飽きにくいそうですよ。
一方デメリットは、デザインの専門会社では無いこと。社内にはデザインのことを理解している人は少ないです。
デザイナーの数が少ないのに一気にデザインの仕事が振ってくることがあったり、会社のパソコンにPhotoshopが入っていなかったりなど、苦労することも多いようです。
メリット | デメリット |
---|---|
・ ・デザイン以外の仕事も経験できる | 売り上げに関われるのでやりがいがある・デザイナーの数が少ない ・デザインに必要なツールが揃っていない |
職場への過度な期待は捨てるべし
デザイン会社は、良くも悪くも普通の会社が多いです。
職場の雰囲気や残業の量、福利厚生に関しては企業ごとに異なるので一概には言えませんが、「IT系」「デザイン系」というだけでなんとなく明るく派手めな印象を持たれるようですが、ほとんどが普通の会社です。
デザイナーと言っても服装は地味な方もいますし、根が明るい人もいれば暗い人もいます。
また、お給料も新人のうちは低く、スキルや役職が上がれば徐々に上がっていきます。
福利厚生も特別いいわけではなく、パソコン関係の補助が少し多いくらいで、普通です。
ここまで読んでくださった方なら、「デザイナーってなんかオシャレだから」「職場環境も良さそう」なんて理由で目指してはいないと思いますが、
参考までに、転職に関するQ&Aサイトに載っていたリアルな声を一部ご紹介しますね。
- 出張やら出向やらで人がいなくなることが多い
- クライアントとの打ち合わせがない限り、全員私服
- 長時間椅子に座りっぱなしになるので、みんな共通して肩こりや体の凝りに悩まされている
- 朝礼が終わって着席すれば、会議以外はほぼ会話なし、静か
参考:転職ステーション「QWebデザイナーの方、職場の雰囲気を教えてください。」
【もう1つの道】高単価のフリーランスWEBデザイナーになるメリット
「フリーランスで働く」ことも、WEBデザイナーのキャリアパスの1つです。
詳細は後述しますが、フリーランスのWEBデザイナーの方が、会社勤めのWEBデザイナーよりも収入が高い傾向にあります。
高収入を目指したい人は、ぜひフリーランスになることも視野に入れてください。
フリーランスのWEBデザイナーになるメリットは4つあり、下記の通りです。
- 働き方に融通が利く
- 効率的に収入を増やせる
- 人間関係のストレスが減る
- キャリアパスを広げられる
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
働き方に融通が利く
働き方に融通が利くのは、フリーランス最大のメリットであると言っても過言ではないでしょう。
下記は、フリーランス協会が、フリーランスを対象に実施した働き方の満足度に対するアンケート結果ですが、74.7%もの回答者が就業環境(働く時間・場所など)に満足しています。
私もフリーランスとして3年ほど活動していますが、銀行や病院など平日の日中にしか行けないところにも行きやすかったり、オーストラリアで働けたりと「働き方に融通が利く」というメリットを最大限に享受しており、働きやすいです。
効率的に収入を増やせる
フリーランスのWEBデザイナーは、会社勤めのWEBデザイナーよりも収入が高い傾向にあることから、効率的に収入を増やせます。
下記のグラフをご覧ください。
これは、日本デザインがフリーランス、あるいは個人事業主のWEBデザイナー103名に実施した「月収」に関する調査結果をまとめたものです。
このグラフを見ると、およそ半数の回答者の年収が360万円未満であることが分かります。
しかし、回答者全員の平均年収を算出したところ、423万円でした。
これはWEBデザイナーの平均年収340万円を大きく超えています。
フリーランスのWEBデザイナーは、会社勤めのWEBデザイナーと比較すると効率的に収入を増やせることが分かるでしょう。
人間関係のストレスが減る
フリーランスは、職場の煩わしい人間関係から解放されます。
個人で働くことになるため、当たり前ですが同僚や上司はいません。
クライアントとは、WEB会議やチャットなどオンラインツールを使ってコミュニケーションを取るため人間関係が希薄です。
もし、自分と合わないクライアントがいたら、あなたからお仕事や案件をお断りすることもできます。
前項「働き方に融通が利く」で紹介した、フリーランス協会のデータを見ると、フリーランスに転向してから人間関係に満足している人は回答者全体の71%に当たることから、フリーランスは会社勤めと比較すると、人間関係のストレスが減るのが分かるでしょう。
厚生労働省が毎年発表している「雇用動向調査結果」を見ると、「職場の人間関係」を理由に退職している人は少なくありません。
職場の人間関係を理由に退職・離職している人の割合(令和元年〜令和4年)
男 | 女 | |
令和4年 | 8.3% | 10.4% |
令和3年 | 8.1% | 9.6% |
令和2年 | 8.8% | 13.3% |
令和元年 | 9.3% | 14.8% |
令和4年については、「定年・契約期間の満了」「労働時間・休日などの労働条件が悪い」に次いで「職場の人間関係が好ましくない」ことを理由に退職した人が多いというデータが出ています。
会社勤めで職場の人間関係にストレスを感じている人、さまざまな人と人間関係を築くのが苦手な人はフリーランスとして独立して働いてみることを視野に入れてみてはいかがでしょうか?
キャリアパスを自由に広げられる
フリーランスのWEBデザイナーのキャリアパスは大きく分けると2つです。
あなたの努力次第で、いくらでもキャリアを広げられます。
キャリアパスの種類 | 詳細 | キャリアパスの具体例 |
専門性を高める | WEBデザイン+別のスキルを身につけて別の職種にキャリアチェンジ、またはキャリアアップする | ・フロントエンジニア ・UI/UXデザイナー ・バックエンドエンジニア ・アートディレクター |
マネジメント職に就く | マネジメント職に就いて、チームを率いる | ・プロジェクトマネージャー ・WEBディレクター |
※「キャリアパスの具体例」で紹介している職種の仕事内容については次章で紹介しています。
これほどキャリアパスが広げられる職種は、多くはないでしょう。
VUCA(物事が不確実で、未来が不透明であること)時代に突入し、将来の予測が困難な今、時代の流れやニーズに合わせて柔軟にキャリアパスを変えられるのは魅力的なポイントです。
当ブログに寄せられるよくある質問
最後に、当ブログに寄せられるよくある質問とその回答を紹介します。
WEBデザイナーに向いている人の特徴は?
どの仕事にも向き不向きがあるように、WEBデザイナーに向いている人・向いていない人がいます。
WEBデザイナーに向いている人には、下記のような特徴があります。
- モノづくりが好き
- オシャレが好き
- 几帳面な性格をしている
- ネガティブな性格をしている
- 流行に敏感
- 仕事効率やスケジュールを意識できる
- 論理的な思考ができる
- パソコンを使うのが好き
下記の記事では、それぞれの特徴について詳しく説明しています。
興味がある方は、あわせてお読みください。
WEBデザイナー以外にWEB系の職種は何がある?
WEBデザイナー以外にWEB系の職種は数多くあり、それぞれ下記の通りです。
WEB系職種 | 仕事内容・特徴 |
フロントエンジニア | クライアント側、つまりWEBブラウザ側で作動する部分の設計や構築を行う |
UIデザイナー | ユーザー目線に立って、サービスや製品を「使いやすい」デザインにする |
UXデザイナー | ユーザーがサービスや製品を利用している際に、「楽しい」「心地よい」と思えるデザインを作る。ユーザー体験の向上を目指す。 |
バックエンドエンジニア | WEBアプリケーションやソフトウェアの裏側で動作する部分の設計や構築を行う |
アートディレクター | ビジュアル面に特化して広告の監修を行う |
WEBマーケター | WEBサイトやSNSなどオンラインツールを活用して自社の商品やサービスの販売促進を行う |
WEBディレクター | WEBサイトの企画立案や制作、運用の責任を担う |
WEBライター | WEB上に掲載される記事や広告を作成する |
IT コンサルタント | クライアント企業が抱えるIT関連の問題や課題を解決するために、アドバイスやシステム導入のサポートを行う |
WEBデザインのスキルに+αのスキルや知識を身につけて、別の職種にキャリアチェンジ、あるいはキャリアアップすることもできます。
または、チームを率いるマネジメント職に就くのも良いでしょう。WEBデザイナーのキャリアパスの選択肢は豊富で、可能性は無限大です。
最後に、私から伝えたいこと
今回、「WEBデザイナーになりたいとか言ってる奴」という切り口で書かれた記事や書き込みをたくさん見て、デザイナーの仕事について誤解されてしまっている部分が多いなと感じ、この記事を書きました。
できるだけ正しい情報をお伝えしようと思い、現役のデザイナーさんからも意見をもらいながらまとめていきましたが、今回書いた内容は全ての会社に当てはまるわけではありません。
当たり前ですが、デザイナーの働き方、仕事内容は企業によって異なるからです。
それでも私がこの記事で伝えたかったのは、ネットの情報だけを信じて夢を諦めたり判断したりしないでほしいということ。
「未経験から目指すのは無理」
「デザイナーなんて、給料が低くて激務」
「デザイナーは飽和してるから、就職は厳しい」
「デザイナーといえど、プログラミングの専門知識が必要」
こんな言葉を鵜呑みにして、デザイナーになる夢を諦めないでください。
- 未経験からデザイナーになって夢だった海外留学に踏み出せた方
- デザインスキルを身につけて、何もできないと思っていた自分に自信が持てた方
- パートを3つも掛け持ちして毎日フラフラになりながら働いていた状態から、家でゆっくり子どもの面倒を見ながら働けるようになったママさん
など、理想の状態に近づいたデザイナーを、これまでたくさん見てきました。
あなたにできないはずがありません。
簡単なことではありません、それなりの努力は必要ですが、不可能では無いのです。
そして、この記事を読んで「やっぱりデザイナーになる夢を諦めたくない」「もっとリアルにWEBデザイナーのことを知ってから考えよう」と思ってくださった方へ。
日本デザインスクールでは現在、この記事では紹介しきれなかったWEBデザイン業界のことをぎゅっと凝縮したセミナーを期間限定で無料開催中です。
「デザイナーになってから後悔したくない」
「どうせデザイナーを目指すなら早くて楽な方法で目指したい」
と考えている方にぴったりのセミナーとなっています。
人気のセミナーにつき、直近の日程はすでに埋まっていることもあるので、ぜひお早めにご予約ください。
質問や感想があればご記入ください