自由な時間や場所で働けるWEBデザイナー。働き方を変えようと未経験からWEBデザイナーを目指そうという方も多いと思います。
ただ、そもそもデザイナーにどんなスキルが必要なのかという疑問も浮かびますよね。
結論、未経験からWEBデザイナーになる場合、最低限必要なスキルは次の4つです。
- 基礎的なデザインスキル
- Photoshopを扱うスキル
- コーディングの基礎理解
- コミュニケーション能力
この記事では、最低限必要な4つのスキルを詳しく解説した上で、そのスキルを身につける方法、キャリアアップに必要なスキルを紹介します。
どのようなスキルを身につければ良いか納得した状態で、勉強ができるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
【お知らせ】
2000名以上の人生を変えるキッカケになった「好きなことで生きていく!WEBデザイナーという働き方セミナー」では、
などをお伝えしています。今だけ無料で開催しているので「WEBデザインの学び方がわからない」「WEBデザイン業界について知りたい」という方はぜひご参加ください。
>>詳しくはこちら
未経験からWEBデザイナーに転職するのに最低限必要なスキルセット
未経験であってもWEBデザイナーになる前に身につけるべき基本的なスキルや知識とは下記の4つです。
- 基礎的なデザインスキル
- Photoshopを扱うスキル
- コーディングの基礎理解
- コミュニケーション能力
逆に言うと、これらのスキルや知識を身につけることなくWEBデザイナー職に応募しても内定を勝ち取ることは難しいでしょう。
WEBデザイナー職への就職・転職活動を始める前に身につけてください。
ここでは、これらの4つのスキルセットについて具体的に説明します。WEBデザイナー職に就きたいものの、何から始めれば良いか困っている人はぜひ読んでください。
基礎的なデザインスキル
「WEBデザインを習ったのに仕事が取れない」という場合、デザインスキルが抜け落ちていることが往々にしてあります。
デザインツールの操作方法をいくら覚えても、WEBデザインができるとは言えません。
WEBデザインは芸術性の高いものではなく、伝わりやすさを追求した商業的なものが求められます。
才能やセンスではなく、デザインセオリーに基づいた制作でなければなりません。
以下の知識をWEBデザインに活かすスキルが求められます。
- レイアウト
- タイポグラフィ
- 色彩・配色
WEBページを構成する要素をどのように配置するかによって、印象はがらっと変わります。
伝えたい情報を上手く整理し、いかに分かりやすく配置するかがポイントです。
レイアウトルールの知識を深めましょう。
タイポグラフィとはフォントの種類や大きさ、行間や配列など文字の体裁を整えて読みやすくする技法です。
私達は日頃気付かないうちに、さまざまな文字情報によって行動を促されています。
「Web Design is 95% Typograpy(Webデザインの95%はタイポグラフィ)」という主張があるほど、WEBデザインにおいてタイポグラフィは欠かせないスキルです。
参考:Information Architects「Web Design is 95% Typography」
「色」が持つ特徴は押さえられていますか?
「それぞれの色が持つイメージ」「トーン(明度・彩度)」「配色の割合」を押さえたデザインであることが重要です。
WEBサイトの目的に合った配色は必須といえます
▼これらのデザインセオリーをさらっと網羅しておきたい人にはこの一冊がオススメ。初心者でも無理なく読める入門書です。
Photoshopを扱うスキル
WEBデザインを形にするにはデザインツールの操作ができなければなりません。
WEBデザイナーが使うデザインツールとして最もポピュラーなのが、Adobe社のPhotoshopとIllustratorです。
他にもAdobeXDやSketchなどが最近は注目されていますが、まず学ぶべきはPhotoshop。
Photoshopは画像の編集や加工、WEBページ全体のレイアウトに必要な機能を備えたツールで、ほとんどのWEB制作現場で使われています。
WEBデザイナーのマストアイテムといえるPhotoshopですが、操作方法の習得に必要以上の時間を費やす人は少なくありません。
一般的なWEBデザインに使われる機能は限られているので、必要な機能を押さえて学ぶようにしましょう。
広く浅く学ぶよりも、限られた機能を不自由なく扱えるレベルまでスキルを磨くほうが実践的です。
コーディングの基礎理解
コーディングとは、制作したデザインデータをインターネット上で見えるようにすることです。
HTMLやCSS、JavaScriptといった言語(マークアップ言語)を使ってソースコードを記述するので、プログラミングに苦手意識がある人は抵抗があるかもしれませんね。
コーディングは基礎理解ができていれば実際にコーディングをしなくても大丈夫です。
WEBサイト制作は業務のフェーズごとに分業することが多く、コーディングはコーダーやマークアップエンジニア、フロントエンジニアと呼ばれるエンジニアに任せることができます。
もちろん、コーディングができると重宝されますが、コーディングに時間を費やすよりもデザインに注力することでWEBデザイナーとしての価値を上げることは十分可能です。
実装が可能なデザインの制作とコーダーやエンジニアへのスムーズな引き継ぎのために、コーディングの仕組みを知識として身につけておきましょう。
コミュニケーション能力
WEBデザイナーの仕事はパソコンに向かって作業をすることが多いですが、コーダーやエンジニアなど社内のメンバーやクライアントなど社外の人とも協働して仕事をする場面もあります。
そのため、下記のようなコミュニケーション能力が必要です。
- デザインの要件をクライアントから聞き出す
- デザインの目的やクライアントのニーズを理解する
- デザインの意図についてクライアントに論理的に伝える
クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションが上手くいかないと、クライアントが求める成果物を納品できなかったり、納期に間に合わなかったりしてしまい周囲に多大な迷惑をかける可能性が高まります。
WEBデザイナーになりたい人は、今からコミュニケーション能力に磨きをかけましょう。
WEBデザイナーのスキルについてよくある誤解
WEBデザイナーのスキルについてよくある誤解は3つあり、下記の通りです。
- コーディングスキルが必須
- Illustratorの操作スキルが必須
- ツールは全ての機能を知らないといけない
ここでは、それぞれの誤解について詳しく解説します。
これを読めば、余計な知識やスキルを身につけることなく、WEBデザイナーに必要な最低限の知識やスキルを最短で身につけることができるようになるでしょう。
誤解1: コーディングスキルが必須
「WEBデザイナー=WEBデザインもコーディングもできる必要がある」と思われがちです。
しかし現在、多くの企業でWEBデザイナーとコーダーの仕事が分業化されています。
求人票においても、WEBデザイナーとコーダーで分けて募集をかけており、WEBデザイナーにコーディングができなくても問題なくなっているのです。
もちろん、コーダーとのコミュニケーションをスムーズに進めるために、基本的な知識を身につける必要はありますが、HTML/CSSを書けるようになる必要はありません。
誤解2: Illustratorの操作スキルが必須
IllustratorはWEBサイトに表示するボタンやバナー、そしてロゴを作成するときに活用するツールです。
WEBデザイナーに必須のデザインツールと思われがちですが、実際はあまり使われません。
Illustratorが使えないからといってWEBデザイナーを諦めなくてはいけないことにはならないため安心してください。
まずは多くの制作現場で使われているPhotoshopの使い方をマスターしましょう。
誤解3: ツールは全ての機能を知らないといけない
WEBデザイナーは、PhotoshopやIllustratorなどさまざまなデザインツールを使います。
多くの人がこれらのツール全ての機能を知らないといけないと考えていますが、これは誤解です。
確かにWEBデザイナーはさまざまなデザインツールを使いますが、実際はそれぞれのツールの限られた機能しか使いません。
ほとんどのWEB制作現場で使われているツールであるPhotoshopですら、デザインに使う機能は限られています。
これらの限られた機能を不自由なく使いこなせる操作レベルが身につけられれば、WEBデザイナーを目指すことは十分可能です。
【お知らせ】
まずは無料でWEBデザインを学びませんか?
デザインに少しだけ興味がある方に向けて、豪華な無料プレゼントを用意しました。
✔️ WEBデザイン20レッスン
✔️ WEBデザイナータイプ診断
✔️ 60分でバナーが作れるレッスン動画
✔️ 月収3万円が叶う!副業ロードマップ
✔️月100万稼いだデザイナーによる特別動画講座
WEBデザイナーが最低限習得すべきスキルの身につけ方
基本的なスキルを身につける最初のステップは、オンラインで利用可能な教材やツールの使い方を説明した動画(チュートリアル)などを利用することです。
これらのオンライン教材や動画は、初心者にとって非常に有用で、基本的な知識を習得するのに役立ちます。
新しいアイデアを得たり、問題解決のヒントを得たりできます。
WEBデザインスクールに通う
WEBデザインスクールは、専門的な指導と念入りに作られたカリキュラムによって、学習者が必要なスキルを効率的に身につける後押しをしてくれます。
スクールのメリットは、なんといっても専門的な指導が受けられることです。
また、スクールでは体系的に組み上げられたカリキュラムを通じて、無駄なく最短距離を目指して学べます。
さらに、他の学習者との交流で、触発し合う環境があります。
デメリットとしては、 費用が高いことが挙げられます。
また、カリキュラムが固定されていて、 -クラスのペースが自分に合わない可能性があり、柔軟性が少なくなります。
ほかにも、スクールや講師によって指導の質が異なるというのもデメリットです。
スクールのメリット | スクールのデメリット |
・専門的な指導が受けられる ・カリキュラムを通じて効率よく学べる ・他の学生との交流で触発される | ・費用が高い場合がある ・カリキュラムが固定され柔軟性に欠ける ・スクールや講師によって指導の質が異なる |
つまり、すべてのスクールが良いわけではないので、選ぶ際には慎重に調べて決めることが重要です。
スクール選びのポイントとしては、過去の生徒の成功事例、カリキュラムの内容、教員の資質、そして費用対効果を考慮することが大切です。
さらに、あなた自身の学習スタイルと目標に合ったカリキュラムを提供しているかどうかも確認する必要があります。
独学で学ぶ
独学は、コストを抑えながら自分のペースで学べる利点があります。
しかし、一方でフィードバックが限られるため、自身の進捗を評価するのが難しいこともあります。
独学のメリットはまず費用が抑えられること。ツールや本を多数購入しても、費用はせいぜい数万円で抑えられます。
また、場所や時間に縛られないのも独学の良いところです。そしてあなたが興味を持っている領域に特化できます。
また、自分のペースで学べるのも良い点であり、忙しい社会人でもWEBデザインを無理せずに勉強できます。
ただし、マイペースで学べるというのは、ついついサボってしまう理由にもなりかねません。
学習に対するモチベーションを保つのはなかなか難しいからです。それはデメリットともいえるでしょう。
疑問をもったときにすぐ尋ねられる人がいないのも、デメリットです。
学習が長期化すると孤独感を感じることがあります。
そして最新情報に追いつけないのも自己責任であり、間違った情報や勘違いのまま覚えるリスクがつきまといます。
独学のメリット | 独学のデメリット |
・費用が抑えられる ・場所や時間に縛られない ・興味がある領域に特化できる・自分のペースで学べる | ・モチベーションの維持が難しい ・疑問もった時に質問できる人がいない ・長期化すると孤独感を感じることがある ・最新情報に追いつけないのも自己責任 ・間違った情報や勘違いのまま覚えるリスク |
独学の際には、積極的に他人の意見やフィードバックを求めることが大切です。
これにより、自分のスキルの弱点や誤解を明確にし、改善できます。
実際にプロジェクトを手がけながらフィードバックを得ることで、実践的な経験を積むこともできます。
また、オンラインコミュニティに参加することで、他のデザイナーや専門家からの助言を得ることができます。
職業訓練校で学ぶ
職業訓練校とは、ハローワーク登録後に面談と試験に合格すれば無料でWEBデザインを学べる教育機関のことです。
下記のようなメリットとデメリットがあります。
職業訓練校のメリット | 職業訓練校のデメリット |
・無料でWEBデザインを学べる ・就職/転職サポートを受けられる ・同じ目標を持つ仲間に出会える ・WEBデザインの知識が身につけられる | ・デザインスキルは身につかない ・受講スケジュールが詰まっていて忙しい ・講師の質にバラつきがある |
職業訓練校は国が支援しているため、受講にかかる費用はかかりません。
教材費や資格試験の受験料のみ自己負担です。
職業訓練校に通う期間は2〜6ヶ月と比較的短期間ではありますが、平日の15時から20時まで授業が入っています。
また、土曜日に通学する必要もあります。
受講スケジュールが詰まっているため、仕事やアルバイトと両立させるのはかなり難しい点が難点です。
また、職業訓練校ではPhotoshopやIllustaratorなどのデザインツールの使い方や、HTMLやJavaScriptなどのプログラミング言語といったWEBデザインに関する知識を網羅的に学ぶことができます。
しかし、学んだ知識を活かして実際にデザイン制作する機会は少ないため、デザインスキルを身につけるのは難しいことが多いです。
WEBデザイナーがキャリアアップするためのスキルセット
ここからは、WEBサイト制作の上流工程に向かってキャリアを伸ばしたいときに必要なスキルを見ていきましょう。
Illustratorを扱うスキル
IllustratorもWEBデザインによく用いられるデザインツールですが、ほとんどの作業はPhotoshopで代用可能です。
Illustratorの強みは、ロゴやアイコンを作成したりイラストを描いたりできる点。
どちらかというとDTPデザイナー(雑誌やポスターなど印刷物のデザイナー)向きのツールではありますが、愛用しているWEBデザイナーもいます。
Photoshopに加えて習得しておけば、デザイナーとしての可能性が広がりますよ。
WordPressを扱うスキル
WordPressは初心者でも手軽にWEBサイトが作れる無料のソフトウェア。
更新・管理もしやすいことから人気が高く、現存するWEBサイトの43%が WordPress で構築されていると言われています。
WordPressを扱えると案件獲得のチャンスが増えるのでプラスαのスキルとして重宝しますが、以下の2つにレベル分けされることを覚えておきましょう。
レベル1. 既存のWordPressテーマ(テンプレート)を使ってWEBサイトが作れる
レベル2. 既存のテーマをカスタマイズもしくはオリジナルを作成してWEBサイトが作れる
オリジナルテーマを作成するにはHTML、CSS、PHPといったプログラミング言語の知識が必要です。(HTML、CSS、PHPについてはこのあとに詳しく解説します)
レベル1は素人でもできるレベル。レベル2はプロとして求められるレベル。
レベル1とレベル2では報酬額にもかなりの開きがあるので、求められている「WordPressのスキル」がどのレベルを指すのかが重要です。
WordPressでオリジナルのWEBサイトを構築できるとなると、転職する際にも選択の幅が広がります。
▼WordPressについてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事がオススメです。
コーディングスキル
「WEBデザイナーとして働くのに必要なスキル」でも説明したように、WEB業界は分業化が進んでいるので、コーディングができなくてもWEBデザイナーとして十分仕事をしていけます。
ただ、企業によって担当領域の捉え方が異なるのがややこしいところで、WEBデザイナーがコーディングを任されるケースも珍しくありません。
コーディングができれば応募できる求人や案件が増えるので、「どのみちWEBデザイナーとしてコーディングの基礎理解が必要ならば、スキルも身につけてしまいたい」という人にはおすすめです。
コーディングはエンジニア寄りのスキルなので、このあとの「エンジニア方面にキャリアアップするためのスキル」で、もう少し詳しく触れていきます。
▼WEBデザイナーにコーディングが必要かどうか、もう少し詳しく知りたい人にはこちらの記事がおすすめです。
UI/UXに基づいたデザインスキル
WEBページを作成するときに重要なのはユーザーの目線に立つこと。
ユーザーが使いやすいデザインでなければなりません。
UI(User Interface)とは、マーケティング用語で言うところのタッチタッチポイント(顧客と企業との接点)を表し、ユーザーがサービスや製品と接触する全てのものを指します。
WEBサイトにおけるUIは、ユーザーがいかにスムーズに知りたい情報にたどり着けるかが鍵で、情報の配置や機能の操作性を最適化する工夫が必要です。
UX(User Experience)はサービスや商品をとおしてユーザーが得る体験や感情を指します。
たとえば、「商品を探す → 見つける → 選ぶ → 購入 → 使用 → また購入したいと思う」といった一連の体験全てをUXと捉え、ユーザーの心理や行動パターンを戦略的にデザインに落とし込むのがUXデザインです。
UIとUXはお互いに関連しあっているため、「UX戦略のためのUI施策」といった具合にUI・UXをひとまとめにして語られることが多く、「UI/UX改善」という言葉もよく聞かれます。
UI/UXを得意とするデザイナーは「UI/UXデザイナー」と名乗ることで、WEBデザイナーとしての市場価値を上げることができます。
SEOのスキル
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン(ここではGoogleを例に話を進めていきます)の検索結果上位にWEBサイトを表示させるための施策です。
WEBサイトを作っても、ユーザーに見つけてもらえないサイトであれば意味がありません。できるだけランキングの上位を狙いたいところです。
GoogleによるWEBサイトの評価はコンテンツ(内容)の質の高さが重視される傾向にあるので、デザインの良し悪しだけが検索順位に直結するわけではありません。
ただ、使い勝手の悪いサイトは評価の足を引っ張ります。
高い評価を受けるコンテンツにするにはユーザーが使いやすいことが必須なのです。
数年前からGoogleがパソコン用のサイトではなく、スマートフォン用のサイトを評価基準にするようになったため、レスポンシブデザイン(デバイスの画面サイズに応じてデザインやレイアウトを変化させる)に対応できるスキルも歓迎されるようになりました。
SEOを意識してWEBサイトの利便性(ユーザビリティ)を上げられるWEBデザイナーは、間違いなく必要とされます。
WEBディレクターなど上流工程に携わるためのスキル
WEBサイト制作の上流工程になると、ディレクションやマネジメントの色が濃くなってきます。
WEBデザイナーとしての経験を活かして、全体を統括する立場にステップアップするにはどんなスキルが必要なのか見ていきましょう。
以下3つのスキルについて解説していきます。
- ディレクションスキル
- マーケティングスキル
- プレゼンテーションスキル
ディレクションスキル
上流工程に携わるにはディレクションスキルが必要です。
ディレクションスキルとは各工程に携わる技術者に適切な指示を出し、プロジェクトをリードするスキルで、次のスキル・知識から成り立っています。
- コミュニケーションスキル
- 各工程の専門知識
- マネジメントスキル
WEBデザインの専門知識に加え、ビジネススキルを備えるというイメージです。
クライアントと直接やりとりする機会が増えるので、コミュニケーションスキルは欠かせません。
お客様にWEB制作の知識があるとは限りませんので、要望を上手く引き出したり提案をしたりする必要があります。
WEBデザイナー、WEBライター、コーダーやエンジニアとの連携も大事です。的確な指示を出すためには各工程の専門知識もなければなりません。
各工程の作業量を理解し、チームメンバーの制作期間を決定。
作業の進捗を把握しつつスケジュールと品質の管理に努めながら、技術者たちの能力とモチベーションを最大限に引き出すなど、全体をマネジメントするスキルも問われます。
マーケティングスキル
WEBサイトの目的を達成するためには、WEB集客や広告のノウハウが必要です。
企業が自分のホームページを持つのはすっかり当たり前になりましたが、上手く集客できているのは実は少数。
WEBサイトは開設しただけではなかなか期待したような成果は得られません。
そのために「WEBマーケター」と呼ばれるWEBマーケティングの専門家がいるくらいです。
WEBディレクターがWEBマーケティングを担当することも少なくありません。
上流工程に携わるなら、少なくとも知識は備えておかなければなりません。
「お客さんが呼べるWEBサイト」「商品の購入につながるWEBサイト」にしていくには、次のようなWEBマーケティングのスキルが必要です。
- SEO
- UI/UX
- WEB広告運用
- WEBサイトのアクセス解析
- 市場のリサーチ
WEBマーケティングだけでもなかなか幅の広いスキルですね。
▼実際はWEBマーケティングの業務をさらに分業するケースもあるので、もっと詳しく知りたい人にはこの記事がおすすめです。
プレゼンテーションスキル
WEB制作の上流工程では、企画や施策をプレゼンする機会が多くあります。
資料の作り方やプレゼンのコツを押さえ、それを実践できなければなりません。
以下のスキルを備える必要があります。
- 分かりやすい資料作成のスキル
- プレゼンテーションで相手を納得させるスキル
クライアントや自社の関係部署にプレゼンすることを考えると、一般的に広く使われているPowerPointやExcelでの資料作成が望ましいといえます。
- 企画書
- ワイヤーフレーム(WEBページのレイアウトを示す設計図のようなもの)
- 要件定義書(クライアントの要望をまとめ、完成イメージをすり合わせるために必要)
- サイトマップ(WEBサイト全体のページ構成を一覧にしたもの)
- 見積書
作成すべき資料がたくさんあるので、「ドキュメントの作成で一日が終わってしまった…」ということのないように、Office系ソフトを使いこなすことはもちろん、テンプレートを利用して効率的に作業を進めることを覚えましょう。
肝心のプレゼンテーションでは、相手を引き込んで納得させることが求められるためハードルが高いと感じるかもしれませんね。「人前が苦手」「説明が得意ではない」という人もいるでしょう。
プレゼンテーション成功の秘訣は、事前準備と練習に尽きます。
苦手意識は克服できますし、プレゼンテーションが最初から得意だという人はいませんので安心してください。
- 日程の余裕をもって資料を完成させ、練習する
- 他社と比較検討されることを考慮に入れて、強みをアピールできるようにしておく
- 一方的な提案にならないよう、相手が質問しやすい進行に配慮する
- プランをいくつか用意し、相手に選択肢を与える
WEBデザインのスキルを活かして資料のビジュアルに工夫をするというのも効果的です。
ここまでのスキルを備えたらかなりハイスペックなWEBデザイナーです。
とはいえ、いきなりここまで飛躍はできませんので、経験を積んだうえでのキャリアパスとして目標にするのをおすすめします。
エンジニア方面にキャリアアップするためのスキル
WEBデザイナーからエンジニア方面にキャリアを広げていくケースもあります。
WEBエンジニアが扱う主な言語を見てみましょう。
- HTML:WEBサイトの土台。文章や画像などの要素を表示させる
- CSS:WEBページの装飾・デザイン。文字サイズ、色、配置、背景などを指定する
- JavaScript:WEBサイトの要素にアニメーションなどの動きを与える
- PHP:データベースと連携し、問合せフォームやショッピングカート、ログイン認証や
検索機能、SNSの開発などに適した言語
WEBサイト制作において、エンジニアのキャリアアップのイメージは以下のとおりです。
コーダー ⇒ マークアップエンジニア ⇒ フロントエンドエンジニア
コーダーは主にHTMLを使ってコードを作成します。
マークアップエンジニアはHTMLに加えCSSやJavaScripも扱うコーダーの上位職です。
フロントエンドエンジニアはマークアップエンジニアのさらに上位職。
HTML、CSS、JavaScript、PHPなど扱える言語も増え、WEBサイトのフロント面(ユーザーの目に触れる部分)の設計や開発を担当します。
バックサイド(ユーザーの目に触れない部分)の設計や開発はバックエンドエンジニアの担当領域です。
フロントエンドエンジニアの上位職で、データベースの管理やサーバーの構築にも関わるスペシャリスト。
フロントエンドとバックエンドの両方を兼ね備えたフルスタックエンジニアというハイスペックなエンジニアもいます。
エンジニアのなかでも最高レベルのスキルを持ち、システム開発の企画・設計、さらにはエンジニアのマネジメントをするテクニカルディレクターへのキャリアアップも視野に入ってくるステージです。
▼WEBデザイナーとWEBエンジニアの役割や仕事内容や適性の比較についてさらに知りたい人にはこちらの記事がオススメです。
WEBデザイナーとして他のスキルを磨いた場合のキャリア
WEBデザイナーとして経験を積んでさまざまなスキルや知識を身につけた場合、下記の3つの職種にキャリアアップあるいはキャリアチェンジすることが可能です。
- WEBディレクター・アートディレクター
- フロントエンドエンジニア
- UI/UXデザイナー
ここでは、それぞれの職種について詳しく解説します。
これを読めば、WEBデザイナーからのキャリアパスを具体的に思い描けるようになるでしょう。
WEBディレクター・アートディレクター
WEBディレクターとはWEBサイト制作の管理責任者のことです。
エンジニアやWEBデザイナーなどWEB制作関係者を統括します。
それに対してアートディレクターは、WEB制作の中でも下記のようにビジュアル面の制作物の取りまとめをすることが主な仕事です。
- 広告
- ロゴ
- アイキャッチ
いずれの職種も制作関係者に指示を出す仕事であるため、WEB制作に関する幅広い知識と経験が求められます。
また、高いコミュニケーション能力やスケジュール管理能力も必要不可欠です。
これらの職種は、WEB制作の上流工程を担いたいWEBデザイナーにおすすめします。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドとはユーザー側、言い換えるとWEBブラウザ側で作動する部分のことを指します。
つまりフロントエンドエンジニアは、ユーザーがWEBサイト上で画面越しに触れる部分の設計や構築を行うことが仕事です。
フロントエンドエンジニアはWEBコーダーやマークアップエンジニアの上位職にあたる職種で、最近新たに誕生しました。
WEBサイトの制作に携わりますが、下記のように高度なプログラミング言語の知識が求められます。
- HTML
- CSS
- JavaScript
- PHP
他にも、コーダーやディレクターと協働するためのコミュニケーション能力や、プロジェクト全体をスムーズに進めるためのマネジメントスキル、そしてSEOの知識なども必要です。
コーディングを極めたいWEBデザイナーにおすすめします。
UI/UXデザイナー
前章で紹介したUI/UXに基づいたデザインスキルを身につけると、UI/UXデザイナーに転身することが可能になります。
近年「モノ」の時代から「コト」の時代に変わりつつあり、製品やサービスを通じて得られる体験が重要視されるようになったことから、UI/UXデザインが重要視されるようになりました。
UI/UXデザイナーはWEBデザイナーと比較すると、新しい職種であるためまだまだ求人数は少ないですが将来性が高い仕事です。
また、WEBデザイナーよりも年収も高いという特徴があります。
UI/UXデザイナーの仕事内容や年収、求められる知識やスキルについては下記の表の通りです。
UIデザイナー | UXデザイナー | |
仕事内容 | ・UI要素をデザインする ・ユーザーにとって見やすくて分かりやすいWEBサイトを設計する ・使いやすさや機能性の向上を目指す | ・ユーザーが商品やサービスと出会って購入するまでのプロセスを作成する ・複数のデザインの効果を比較検討する ・デザインの枠組みを作成する |
必要な知識・スキル | ・デザインツールを使いこなせるスキル ・ユーザーの立場から物事を客観的に考えられる能力 ・プログラミング言語の知識 ・コミュニケーション能力 | ・デザインの枠組や試作品を作成できるスキル ・高いビジュアルコミュニケーション能力 ・デザインツールを使いこなすスキル ・プレゼンテーション能力 |
平均年収 | 594万円 | 639万円 |
UI/UXデザイナーについてさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も併せて読んでください。
WEBデザイナーについてよくある質問
最後にWEBデザイナーについてよくある質問とその回答を紹介します。
WEBデザイナーの仕事内容とは?
WEBデザイナーは、下記のようにWEB上にあるさまざまなもののデザインをします。
- WEBサイト
- バナー
- ランディングページ(LP)
ユーザーにとって見やすくて分かりやすいデザイン、かつクライアントが抱える課題を解決できるデザインを制作することが目的です。
仕事内容は企業によって異なりますが、主に下記のような仕事を担当します。
仕事内容 | 詳細 |
ヒアリング・調査分析・企画 | クライアントとのヒアリングからWEBサイトのコンセプトやターゲットとなるユーザー層、クライアントが思い描くWEBサイトのイメージなどを掴む |
デザインコンセプトの提案 | WEBサイトの目的・ターゲットとなるユーザー・企業のイメージに合ったデザインなどをクライアントに提案 |
レイアウトの決定 | ユーザーにとって見やすくて分かりやすいWEBサイトになるように、ボタンや画像などの設置場所を決める |
配色とフォント(字体)の選定 | 企業のイメージに合った配色やフォントを選ぶ |
画像やアイコン(記号や絵文字など)の選定 | WEBサイトの目的を達成できる画像やアイコンを選定し、ユーザーの満足度が高くなるWEBサイト作りをする |
レスポンシブデザインの導入 | パソコン・スマホ・タブレットなどあらゆる媒体から閲覧してもストレスフリーで利用できるWEBサイトの実現を目指す |
デザインの実装 | PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールを活用しながらWEBサイトのデザインを組み込み、開発者と共にWEBサイトを制作する |
WEBデザイナーになるのに資格は必須?
WEBデザイナーになるために資格は不要です。
しかし、下記のような資格を取得しておくことで、仕事をする際に役立つ知識やスキルを身につけることができるでしょう。
余裕がある人はぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。
資格 | 内容 |
Webクリエイター能力認定試験 | ・WEBデザインやWEB制作に必要な知識を問う資格試験 ・HTMLやCSSなどのプログラミング言語の知識も問われる |
ウェブデザイン技能検定 | ・WEBサイトの制作に必要なデザインやシステム構築に関する知識やスキルを問う国家資格 ・1〜3級に分かれている |
Illustratorクリエイター能力認定試験 | ・Adobe Illustratorを使いこなすスキルを評価するための資格試験 ・スタンダード、エキスパートの2種類に分かれている |
Photoshopクリエイター能力認定試験 | ・Adobe Photoshopを使いこなすスキルを評価するための資格試験 ・スタンダード、エキスパートの2種類に分かれている |
Webデザイナー検定 | ・WEBコンテンツの設計から制作までの知識が問われる資格試験 ・ベーシックとエキスパートの2種類ある |
HTML5プロフェッショナル認定資格 | プログラミング言語やレスポンシブデザインに関する知識や、動的WEBコンテンツを設計・開発するためのスキルを問う資格試験 |
ウェブ解析士 | ・ウェブ解析についての知識を問う資格試験 ・WEBマーケティングに必要な知識を身につけられる |
WEBデザイナーにはどんな働き方がある?
WEBデザイナーの働き方は主に4つあり、下記の通りです。
- 正社員
- 派遣社員
- フリーランス
- 副業
下記の表に、それぞれの働き方の難易度とメリット・デメリットをまとめています。
比較項目 | 正社員 | 派遣社員 | フリーランス | 副業 |
難易度 | △ | ⚪︎ | ⚪︎ | ◎ |
収入 | ◎ | ⚪︎ | ⚪︎ | △ |
やりがい | ◎ | △ | ◎ | △ |
社会的信用度 | ◎ | ⚪︎ | △ | ⚪︎ |
福利厚生 | ◎ | △ | × | × |
転勤・異動の有無 | あり | なし | なし | なし |
残業・休日出勤の有無 | あり | なし | 働き方次第 | なし |
責任の重さ | 大 | 小 | 大 | 小 |
働き方の自由度 | △ | ◎ | ◎ | ⚪︎ |
続けやすさ | ◎ | △ | △ | ⚪︎ |
この表より、それぞれの働き方におすすめな人の特徴は下記の通りです。
- 正社員:安定した働き方を目指したい人
- 派遣社員:育児や介護などを理由に働くことに制限がある人
- フリーランス:人脈が広く、実績も十分で自分のスキルに自信がある人
- 副業:時間をかけてWEBデザイナーを目指したい人
これを参考にしながら自分に合った働き方について考えてみてください。
WEBデザイナーには将来性がある?
WEBデザイナーの仕事は将来性が高いと言えます。現時点で需要に対して供給が足りておらず、今後もその状態が続くと考えられるからです。
実際、経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」では、IT人材のニーズは今後ますます高まり、2030年には45万人のIT人材が不足と言われています。
また、求人ボックスが発表した「WEBデザイナーの求人件数の推移」では、WEBデザイナーの求人数は右肩上がりでどんどん増加しています。
出典:求人ボックス「Webデザイナーの仕事の年収・時給・給料」
これらのデータから、WEBデザイナーの将来性は高いと言えます。
WEBデザイナーに向いている人は?
下記のような特徴がある人はWEBデザイナーに向いています。
- クリエイティブな人
- 地道でコツコツと作業することが好きな人
- 向学心や知的好奇心が高い人
- 最新のトレンドに敏感な人
まず、「ファッション」や「アート」などのデザインに興味があることが大前提です。
その上で、独創性があって自分のオリジナルの作品を創作できる人が向いています。
「WEBデザイナー=華やか」というイメージを持っている人が多いですが、ボタンや画像の配置の検討や字体の選定など比較的地味で時間がかかる作業も多いです。
そのため、地道にコツコツと作業することを厭わない人に向いています。
また、デザインのトレンドやデザインツールはどんどん新しくなっていきます。
WEBデザイナーになってからも常に新しい知識や情報を仕入れてデザイン制作に活かすことが大切です。
まずは1つのスキルに磨きをかけよう
WEBデザイナーになるために必須のスキルは基本の3つ。
そんなにスキル武装する必要はありません。
WEBデザインに関連するスキルに目を向けるとかなり幅が広がりますが、キャリアアップをイメージしながら必要なスキルを積み重ねていくのが大事です。
ここまでのおさらいをしておきましょう。
キャリアのステージごとに必要なスキルを見ていきます。
- 基礎的なデザインスキル
- Photoshopを扱うスキル
- コーディングの基礎理解
- コミュニケーション能力
- Illustratorを扱うスキル
- WordPressを扱うスキル
- コーディングスキル
- UI/UXに基づいたデザインスキル
- SEOのスキル
- ディレクションスキル
- マーケティングスキル
- プレゼンテーションスキル
- コーダー:HTML
- マークアップエンジニア:HTML、CSS、JavaScrip
- フロントエンドエンジニア:HTML、CSS、JavaScript、PHPなど
WEBデザイナーとして活躍するにはスキルレベルも重要です。
広く浅くスキルを学ぶくらいなら、ひとつのスキルを磨き上げていくほうがWEBデザイナーとしての価値を上げられます。
将来どんなWEBデザイナーになりたいのかイメージを持つことが大事です。
スキルの種類の多さに圧倒されそうになったら、まず最初のひとつを始めてみましょう。
自然と次に学ぶべきスキルが見えてきます。
スキルアップは確実に未来の自分を強くします。
理想とするWEBデザイナーまでの道のりを糧にしながら歩んでいきましょう。
質問や感想があればご記入ください