「WEBデザインの基礎を学んだのに、自分で作ると素人っぽくなってしまう」
そんな悩みには、模写による練習が有効です。
模写とは、プロのデザインをデザインツールで再現しながら、余白・配色・フォント・レイアウトの意図を学ぶ練習のことです。
しかし、ただデザインを真似るだけでは、実制作に応用できる学びが十分に得られないことがあります。
そこで本記事では、デザイン向上に効果的な模写の方法について、以下の内容を解説します。
- WEBデザイン模写とは何か
- 模写で得られるメリット
- 模写の具体的なやり方
- 模写をオリジナル制作に活かす方法
- 模写に取り組む際の注意点
本記事を参考に模写を実践し、デザインの意図を読み解く力を身につけていきましょう。
WEBデザインの勉強法「模写」とは?

WEBデザイン模写とは、お手本のデザインをデザインツールで再現しながら、余白・配色・フォント・レイアウトの意図を学ぶ練習のことです。
初心者が模写に取り組む主な目的は、以下の3点です。
- デザインの構成・余白・配色・フォントを実践で体感する
- プロのデザイン意図を読み解き、自分の引き出しを増やす
- デザインツールの操作に慣れる
似た言葉にトレースや模写コーディングがあります。
トレースとは、お手本の画像をキャンバスの下に敷き、上からなぞるように写し取る練習法のことです。
ピクセル単位の正確なサイズ感や配置、ツールの基本操作を覚えるのに適しています。
一方、WEBデザイン模写は、お手本を横に並べて見比べながら、デザインツール上で一から自力でお手本を再現することを指します。
HTMLやCSSで見た目を再現する模写コーディングとも異なり、配色や余白、レイアウトの意図を学ぶことを目的としています。
WEBデザイン模写で得られるメリット

WEBデザイン模写には、初心者がデザイン力を伸ばすうえで有効なメリットがあります。
本章では、模写に取り組むことで得られる4つのメリットを解説します。
- インプットした知識を実際の制作で使える
- よいデザインを見分ける観察力が身につく
- デザインの引き出しが増える
- デザインツールの操作に慣れる
どれも独学でWEBデザインを学ぶ方にとって、実感しやすいメリットですよ。
メリット1:インプットした知識を実際の制作で使える
模写は、参考書や動画でインプットした知識を実際の制作で使える形にする練習です。
いざ自分でデザインを作ろうとしたとき、「頭では理解しているはずなのに、思い通りに作れない…」と手が止まってしまうことはありませんか?
どれだけ知識を蓄えても、実際に手を動かしてアウトプットする経験が伴わなければ、デザインの制作力は上がりません。
模写に取り組むことで、プロが計算した余白・配色・フォントのバランスを、実制作に近い感覚で体感することができます。
単なる「知識」を現場で「使えるスキル」として定着させるために、模写は欠かせないステップなのです。
メリット2:よいデザインを見分ける観察力が身につく
よいデザインを見分ける観察力は、模写を繰り返すことで養われます。
普段WEBサイトを「なんとなく見ている」状態では、デザインの良さを言語化する力はなかなか身につきません。
模写ではお手本の余白・配色・フォント・レイアウトの意図を考えながら再現するため、デザインを見る目が変わっていきます。
「この余白にはどのような意図があるのか」などを考える習慣が積み重なり、制作時に自然とよいデザインを選べるようになります。
メリット3:デザインの引き出しが増える
模写に取り組むことで、自分のデザインの引き出しが着実に増えます。
いざ真っ白なキャンバスからオリジナルのデザインを作ろうとしたとき、アイデアが浮かばずに手が止まってしまう初心者は少なくありません。
模写としてプロのお手本を再現することで、美しいレイアウトの組み方や見せ方のテクニックが、自分の中の確かな経験として蓄積されます。
さまざまなジャンルを模写するほどデザインのパターンが広がり、オリジナルの制作に応用できる幅も増えていきますよ。
メリット4:デザインツールの操作に慣れる
模写は、FigmaやPhotoshopなどのデザインツールを実際の制作に近い形で操作する練習になります。
デザインツールは非常に機能が多いため、すべての機能を一つずつ丸暗記しようとしてもなかなか身につきませんし、途中で挫折してしまいがちです。
しかし、模写には「このお手本を再現する」という明確なゴールがあります。
「この写真はどうやって切り抜くんだろう?」
「この文字の配置はどう設定するんだろう?」
と、必要な機能をその都度調べながら使うため、実践的な操作として自然に手に馴染んでいきます。
フォントの設定・画像の配置・余白の調整など、実制作でも使う操作を繰り返すことで、ツールをスムーズに使いこなせるようになっていきますよ。
WEBデザイン模写のやり方

WEBデザイン模写は、お手本の意図を分析しながら正しい手順で進めることが大切です。
- 参考にするWEBサイトやバナーを探す
- お手本の目的・ターゲット・業界を調べる
- 構成やワイヤーフレームを書き出す
- 余白・色・フォント・画像を分析する
- デザインツールでお手本を再現する
- 完成後に振り返りメモを作る
手順を理解してから始めると、模写で得られる学びがさらに深まりますよ。
STEP1:参考にするWEBサイトやバナーを探す
お手本は、バナーやLPのファーストビューなど範囲が小さいものから始めましょう。
複雑なレイアウトを含むデザインや情報量の多いサイトを選ぶと、完成前に挫折しやすくなってしまいます。
お手本を選ぶ際は、次のポイントを参考にしてください。
- バナーやLPのファーストビューなど、ひとつの画面に収まる範囲から始める
- アニメーションが多いサイトは避け、静止デザインを選ぶ
- 日本語サイトや実務に近い業種から選ぶ
まずは無理なく完成できるお手本を選び、模写を続ける習慣をつけましょう。
▼ギャラリーサイトを活用すると、良質な事例を効率よく見つけられるのでおすすめです

STEP2:お手本の目的・ターゲット・業界を調べる
お手本を決めたら、誰に・何を伝えるためのデザインかを調べます。
大前提として、デザインには「商品を購入してもらう」「サービスに興味を持ってもらう」など、必ず何らかの目的があります。
そのため、ここで行うのは単なる表面的な見た目の観察ではありません。
「そのデザインがどんな役割を果たそうとしているのか」まで深く読み取るための重要な工程です。
特に調べたい内容は次の3つです。
- どの業種・会社のサイトやバナーか
- ターゲットはどのような人か
- ユーザーにどのような行動を促しているか
目的とターゲットを把握できると、配色・フォント・レイアウトの意図が読み解きやすくなりますよ。
STEP3:構成やワイヤーフレームを書き出す
模写する前に、構成やワイヤーフレームを書き出しましょう。
まず全体の情報構造を把握し、どの情報が重要で、どのような順番で伝えられているのかを理解するためです。
書き出す際は、次の点を確認してください。
- コンテンツはどのような順番で並んでいるか
- 情報の優先順位はどのように設計されているか
- 余白はどのように使われているか
このように全体構成を把握していると、見た目だけでなく、情報の優先順位やレイアウトの意図も読み取りやすくなり、模写の精度が高まります。
STEP4:余白・色・フォント・画像を分析する
再現を始める前に、お手本の余白・配色・フォント・画像を分析しましょう。
ただ表面的な形を写すのではなく、「なぜこの余白なのか」「なぜこの配色・フォント・画像が選ばれたのか」という理由まで考えることが模写では特に重要です。
それぞれのパーツが選ばれた理由まで深掘りすることでデザインの意図を正しく読み解くことができ、各デザイン要素の効果的な使い方を根本から学べるからです。
次の視点でお手本を観察します。
- 余白:要素間のスペースはどのくらいか
- 配色:何色使われているか、メインカラーは何か
- フォント:書体・太さ・サイズの使い分け方
- 画像:写真やイラストが担う役割
「なぜこのデザインなのか」を言語化すると、見た目を再現するだけでなく、オリジナル制作にも応用しやすくなります。
▼レイアウトの基礎はこちらを参考にしてください

STEP5:デザインツールでお手本を再現する
分析が終わったら、FigmaやPhotoshopなどでお手本を再現します。
お手本と定期的に見比べて、できるだけ近い形で再現できるよう、細部まで観察しましょう。
再現する際の主なポイントを整理します。
- スクリーンショットを参照しながらサイズや余白を合わせる
- フォントの種類・太さ・サイズをできる限り再現する
- カラーピッカーで配色をできる限り近づける
この練習を繰り返すことで、次第にツールの使い方にも慣れていきますよ。
STEP6:完成後に振り返りメモを作る
模写が完成したら、学んだ内容を振り返りメモとして書き残しましょう。
気づきを残しておくことで、次の制作で配色や余白、レイアウトに迷ったときの判断材料として活用できます。
その際には以下の点に着目してください。
- 今回の模写で気づいたデザインの意図や工夫
- 難しかった点と、どのように解決したか
- 次の制作に使いたいデザインの表現や技術
振り返りを積み重ねると、模写の経験がデザイン力として定着していきます。
WEBデザインの模写をオリジナルに活かす方法

模写で得た気づきを実制作に応用すると、模写の効果はさらに高まります。
本章では、模写を制作に活かす方法を解説します。
- 参考デザインのよい点を言語化する
- 配色やフォントを自分のテーマに合わせて変える
- レイアウトを別の制作物に応用する
一歩先まで取り組むことが、デザイン力の向上に役立ちますよ。
方法1:参考デザインのよい点を言語化する
模写が完成したら、お手本のどの点がよかったのかを言葉で書き出しましょう。
「なんとなくよい」で終わらせず、理由を言語化することでオリジナル制作に活かせるようになります。
以下の観点で整理してみてください。
- なぜこの余白が読みやすく感じるのか
- なぜこの配色がターゲットに合っているのか
- なぜこのフォントが伝わりやすいのか
デザインのよさを言語化することで、配色や余白、レイアウトの意図をより深く理解できるようになります。
方法2:配色やフォントを自分のテーマに合わせて変える
模写したデザインの配色やフォントを、自分のテーマに合わせて変える練習をしましょう。
レイアウトはそのままに、色・書体だけを変えることで、デザインの組み立て方を体感できます。
変えてみるポイントは以下のとおりです。
- メインカラーをターゲットに合わせた色に変える
- フォントの書体や太さを変えて印象の違いを確認する
- 写真やイラストを別のテーマのものに差し替える
変更前後を見比べることで、デザインの選択が完成度に与える影響を実感できます。
方法3:レイアウトを別の制作物に応用する
模写で習得したレイアウトのパターンを、別の制作物に応用してみましょう。
バナーで学んだ構成をLPのセクションに取り入れるなど、模写の経験は横断的に活かせます。
以下のような形で応用してみましょう。
- 模写で学んだ余白の取り方を自分の制作物に適用する
- 情報の優先順位の設計を別のデザインで試す
- 覚えたカラーバランスを異なる業種のデザインに使ってみる
さまざまな制作物に応用することで、模写の経験が実践的なデザイン力として定着していきます。
WEBデザイン模写で注意したいこと

模写の効果をより高めるには、いくつかの注意点を事前に把握しておくことが大切です。
本章では、模写に取り組む際に意識したい4つの注意点を解説します。
- 完全コピーだけを目的にしない
- 最初から難しいサイトを選ばない
- 模写したデザインを実績として公開しない
- 模写に時間がかかっても焦りすぎない
注意点を把握した上で模写を進めることで、より効果的に練習できますよ。
注意点1:完全コピーだけを目的にしない
模写は、デザインをそのまま再現することより、余白・配色・レイアウトの意図を学ぶことが目的です。
「完璧に同じにしなければ」と考えすぎると、形の再現だけに終わり、デザイン力が伸びにくくなります。
模写に取り組む際は、以下を意識しましょう。
- なぜこのデザインなのかを考えながら手を動かす
- デザインの意図・目的・ターゲットを言語化する
- 完全一致よりも「気づく力」を養うことを優先する
形だけを追うのではなく、意図を読み解くことが模写の本質です。
注意点2:最初から難しいサイトを選ばない
最初から複雑なWEBサイトを選ぶと、完成前に挫折しやすくなります。
例えば、下記のようなサイトは難易度が高いため避けた方が無難です。
- アニメーションや動画が多いサイト
- デザイン要素が多く情報量が多いサイト
- レイアウトが複雑なコーポレートサイト
最初はバナー1枚やLPのファーストビューなど、範囲が小さくシンプルなものから始めることで、確実に成功体験を積めますよ。
注意点3:模写したデザインを実績として公開しない
模写したデザインは学習目的のものであり、実績として公開することはできません。
著作権の観点から、注意すべきポイントを以下にまとめます。
- 模写したデザインをポートフォリオや実績として公開しない
- SNSへの投稿や商業利用も避ける
- 学習目的として自分だけが見る範囲にとどめる
模写の経験を実績として示したい場合は、学んだ知識をもとにオリジナルのデザインを制作しましょう。
注意点4:模写に時間がかかっても焦りすぎない
模写にかかる時間は、お手本の難易度によって大きく変わります。
最初は時間がかかって当たり前のため、かかった時間を気にしすぎず丁寧に取り組むことが大切です。
模写するものと目安時間
| 模写するもの | 目安時間 | 学べること |
|---|---|---|
| バナー1枚 | 2〜4時間 | 配色 ・フォント ・余白 ・CTA |
| LPのファーストビュー | 4〜8時間 | 写真とコピーの配置・視線誘導 |
| WEBサイトの1セクション | 3〜6時間 | 余白ルール・情報整理 |
| WEBサイトのトップページ | 10〜20時間 | 全体構成・コンテンツ順 |
| 模写するもの | 目安時間 | 学べること |
|---|---|---|
| バナー1枚 | 2〜4時間 | 配色 ・フォント ・余白 ・CTA |
| LPのファーストビュー | 4〜8時間 | 写真とコピーの配置・視線誘導 |
| WEBサイトの1セクション | 3〜6時間 | 余白ルール・情報整理 |
| WEBサイトのトップページ | 10〜20時間 | 全体構成・コンテンツ順 |
時間の目安はあくまで参考であり、個人の習熟度やお手本の複雑さによって変わります。
時間だけを気にせず、分析や振り返りを丁寧におこなうことが大切です。
まとめ|WEBデザイン模写は分析と振り返りまでおこなおう
WEBデザイン模写は、初心者がデザイン力を伸ばすための有効な練習方法です。
ただ真似るだけでなく、余白・配色・フォントの意図を分析し、振り返りまでおこなうことでデザイン力が身に付きます。
- 模写はお手本の意図を読み解く練習であり、完全コピーが目的ではない
- 模写で得られるメリットは知識の実践化・観察力・引き出し・ツール操作の4点
- 6つのSTEPを踏んで取り組み、完成後は振り返りメモを作る
- 言語化・配色変更・レイアウト応用で模写をオリジナル制作に活かす
- 模写したデザインは著作権の観点から実績として公開しない
模写を続けることでデザインを見る目が養われ、実制作に活かせる力が育ちます。
しかし、いざスキルが身についてきても「どうやって案件を獲得すればいいの?」「自分にWEBデザイナーの仕事ができるかな?」と不安に感じる方も多いかもしれません。
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模写を積み重ねながら、あなたのデザイン力が着実に伸びていきますように。

















