「情報は全てインターネットから」と言っても大げさではない時代。
WEBライティングの重要性が広く知られるようになり、「Webライティング能力検定」は徐々に注目を集めるようになりました。
WEBライティングの仕事を始めるにあたって「資格取得」を検討する人は少なくありません。
確かに、何の実績もないと不安ですし、何から手を付けるべきか迷ったときに「検定試験」ってわかりやすい目標になるんですよね。
「 “お墨付き” をもらって自信を持ちたい」という気持ちもわかります。
「WEBライティング能力検定」の1級を取得できたら、何かと有利なのでしょうか?
結論から言います。
あなたがもしWEBライターになるために検定試験を検討しているなら、受験の必要はありません。
知識は得られると思いますが、スキル習得には至らないのが実のところ。
そもそも、資格がなくてもWEBライターにはなれますし、実績が重んじられる業界のため、検定試験の合格は「スキルの証明」としては弱いのです。
ただ、自己啓発の一環としてWEBライティングの知識を付けたいというのであれば、「WEBライティング能力検定」はとても有用な検定試験です。
この記事では、「WEBライティング能力検定」について、掘り下げて紹介していきます。
- Webライティング能力検定の概要
- どんな人にメリットのある検定なのか(受験をする必要性の有無)
- 1級の取得に必要な勉強時間
- 勉強の仕方
- 資格の活かし方
Webライティング能力検定の受験を迷っている人はぜひ参考にしてください。
また、「Webライティング能力検定」とよく似た名前の「WEBライティング技能検定」との違いにも触れています。どちらを受験すべきか悩んでいる人も必見です。
さらには、WEBライティングに役立つおすすめ資格もいくつか紹介していますので、これを機に「検定試験や資格の上手な活用」について理解を深めましょう。
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どんな資格?【Webライティング能力検定の概要】
まずはWEBライティング能力検定がどんな検定なのかを知るところから始めましょう。
ここではこの検定試験の目的をはじめ、次のことを紹介します。
- 試験内容
- 難易度
- 受験者数
- 合格率
- 受験料
Webライティング能力検定の目指すところ
Webライティング能力検定を主催するのは、一般社団法人 日本WEBライティング協会。
協会の理念には、次のような記載があります。
私たちのミッションは、優れたWebライティングの普及を通じて、
ビジネスの成功と幸福な人間関係に貢献することです。
引用:一般社団法人日本WEBライティング協会「 協会の理念」
インターネットと人々を繋ぐWEBライティングを重んじ、
「人の役に立つ魅力あるコンテンツを増やしたい」
「より良いインターネット環境の構築に貢献したい」
との思いから、優れたWEBライターの育成・さらにはライターを育成する人材を育てることを目指しています。
Webライティング能力検定はその活動の一環。
検定試験を通して、効果的で適切なWEBライティングの普及と啓蒙をしています。
受験者には、「WEBライティング能力を高めて自己実現を叶え、稼ぐ力を備えて欲しい」と望んでいるようです。
受験のメリット
この検定を受験するメリットを次に挙げてみました。
- WEBライティングの基礎知識が身に付く
- 自己表現に必要なライティングが学べる
- WEBコミュニケーションの方法を学べる
- 認定級を肩書きとして活用できる
- 協会から仕事を斡旋してもらえる可能性がある
このあと紹介する「試験内容」で詳細を見ていきますが、出題範囲がWEBライティングにまつわる広い範囲を網羅しているので、基礎的なことを一通り学べるというのはメリットです。
資格の活かし方についてものちに詳しく触れますが、上手く活用できればWEBライティングスキルのアピールに使えます。
個人ブログで検定の紹介をすると、資格取得者はアフィリエイト報酬が2倍になるというメリットもあるようです。
検定試験の試験監督者としての仕事を優先的に依頼してもらえたり、協会に依頼のあった記事作成を任せてもらえたりする可能性も、1級取得者のメリットとして公式ホームページに記載があります。
1級取得をきっかけに経験の場が得られるのであれば、未経験WEBライターにとっては嬉しいメリットといえるのではないでしょうか。
現役WEBライターからのひと言
資格を取得したからといって、WEBライターとしての仕事が劇的に増えるかというと、そうとは限りません。
資格をどう活かしたいのか、具体的に考えてから受験を決めるようにしましょう!
試験内容
ここからは「Webライティング能力検定の試験内容」の詳細を見ていきましょう。
- 試験方式
- 受験科目
- 試験時間・配点
- 合格基準
試験方式
全6科目からなる試験のうち、1〜5科目までは4択から選ぶ選択式の問題。6科目の「ミニ論文」は記述式です。
WEBライティングの検定ですが、まさかの “手書き” というユニークな側面があります。
手書きに慣れていない人は苦戦するかもしれません。特に「漢字」は、日頃パソコンの漢字変換機能を使っている人は要注意です。
検定公式ページには「漢字は必ずしも正確でなくてもよい」とありますが、明らかな間違いは減点になるとのこと。
漢字を含め、「手書きで文章を作成する」という行為自体にも慣れておく必要があります。
受験科目
受験科目は次の6科目です。
- 国語
- WEBライティング基礎
- コピーライティング・メールライティング
- SEO
- 法律、倫理、炎上対策
- ミニ論文
公式サイトにミニ論文以外5教科の実力を3分で診断できるテストがあります。
(各科目2問ずつで全10問。8問できれば1級相当)
あらかじめ問題形式を見ておくと、ここから先の解説をイメージしやすくなるかもしれません。(「Webライティング能力検定模擬テスト」)
国語
正しい日本語の基礎知識が問われます。
文語や口語、正しい敬語表現や間違いやすい日本語に加え、WEBライティングで使われる言葉についての知識も必要です。
ことわざ・慣用句・四字熟語といった一般的な国語問題も出題されます。
文章構成のパターンについても勉強しておきましょう。
WEBライティング基礎
WEBライティングの基礎的な知識が問われます。
WEBライティングの種類(企業サイトやネットショップ、ブログ、SNS、メルマガなど)と、それぞれに応じた書き方について勉強しておきましょう。
WEB上で読みやすい文章にするポイントや、WEBライティングの注意点及びリスクに関することも出題されます。
コピーライティング・ メールライティン
セールスのためのライティングについて知識が問われます。
コピーライティングの歴史から、効果的な表現方法、セールスの手法を用いたWEBサイト構成、メールによる顧客対応まで幅広く出題されるので、予備知識がない人は検定受験を機にこれらの情報をインプットしておきましょう。
マーケティングやセールスライティングの専門用語も基本的なものは学んでおくと有利です。
SEO
SEO(検索エンジン最適化)とは、検索結果の上位にWEBサイトを表示させるための施策。WEBライティングには欠かせない知識です。
この科目ではSEO全般の基礎的な知識や具体的な施策を理解しておく必要があります。
実際にブログやWEBサイトを運営したことがある人はそれほど苦戦しないと思いますが、「SEOってなに?」という初心者の人は、少し時間をかけるつもりで学びましょう。
法律、倫理、炎上対策
WEBライティングにおいて、リスクを回避するための知識は重要です。
著作権をはじめ、個人が侵しやすい法律の知識がここでは問われます。
また、WEB上のトラブルといえば「炎上」も無視できません。
炎上が起こるきっかけや対策、いざというときの対応などを、これを機に学んでおきましょう。
ミニ論文
ライティングスキルが問われる科目です。
WEBライティングに関するミニ論文(200~300文字)が出題されますので、与えられたテーマに対して時間内に構成・執筆・修正・推敲を終えなければなりません。
「200〜300文字ならすぐに書けそう」と思うかもしれませんが、制限時間内に考えをまとめるのはなかなか至難の業。
執筆にかかる時間をシミュレーションしたり、実際にいくつか書いてみたりしながら、当日までに「手書き」にも慣れておきましょう。
現役WEBライターからひと言
試験科目を見ると、確かに網羅的にWEBライティングの基礎に触れられると思うのですが、選択問題ができるようになっても、肝心の「記事の構成を考えるスキル」や「書くスキル」は身に付きません。
ミニ論文が「手書き」というのも気になります。
手書きで素早く仕上げる練習よりも、タイピングスピードを上げることを優先したほうがいいですよ!
試験時間・配点
試験時間は90分。
時間内に6科目全ての問題を解き終えるとなると、時間配分を考えて臨まなければなりません。
6つ目の科目「ミニ論文」に20分ほど残しておけると安心ですので、1〜5科目の選択問題をいかに早く正確に解くかが鍵になります。
では、各科目の問題数と配点を見ていきましょう。
Webライティング能力検定は88点満点で、配点は次のとおりです。
受験科目 | 問題数 | 配点(88点満点) |
国語 | 12問 | 12点 |
Webライティング基礎 | 12問 | 12点 |
コピーライティングメールライティング | 16問 | 16点 |
SEO | 16問 | 16点 |
法律、倫理、炎上対策 | 16問 | 16点 |
ミニ論文 | 1問(記述問題) | 16点 |
1〜5の科目は4択問題で1問1点。1つミスで1点減点なのでわかりやすいですね。
ミニ論文については、大まかな評価の基準が公表されています。
0〜8点
- 規定に沿っていない(テーマ、文字数など)
- 意味がとおらない
- 要点が不明
- 反社会的な内容
9~13点
- 意味がわかりにくい
- 表現や文法が不自然
14~16点
- 不自然な箇所が一部ある
- どこにも問題がない(満点)
以上のような点に注意して「わかりやすさ」を意識した文章にしましょう。
減点方式で採点されるので、内容よりも構成の不自然さや文法ミスに気を付けるのがポイントです。
現役WEBライターからひと言
「書くことに慣れる」ためにミニ論文を活用するのはいいですが、そもそも200〜300文字のミニ論文でWEBライティングのスキルを測ることはできません。
ライティングスキルを上げたいなら、ブログやWEB記事を実際に書くほうが実践的ですよ!
合格基準
受験者は全員同じ試験を受け、その出来によって「1,2,3級」もしくは「資格なし」のいずれかに振り分けられます。
気になる合格基準を見てみましょう。
各級の合格基準(88満点) | |
1級 | 80~88点 |
2級 | 70~79点 |
3級 | 53~69点 |
資格なし | 53点以下 |
現役WEBライターやWEBライターを志望している人なら、1級が欲しいところですね。
そうなると減点は8点までに抑えなければなりません。
できるだけ選択問題での正解率を上げ、点を取りこぼさないようにしましょう。
合格率・難易度
Webライティング能力検定が公式に発表しているデータは1級の合格率のみ。
近年の合格率は25〜30%とのことですから、難関ではないものの、甘く見てると失敗に終わります。
誰でも受かる資格だったらスキルのアピールにはなりませんので、履歴書に書き加える資格や、未経験のWEBライターが実績の代わりに肩書きに添えるには程良い難易度の資格と言えます。
1級取得は決して簡単ではないと心得て、しっかり準備にあたりましょう。
勉強の仕方についてはこのあと「受験までの勉強方法」で詳しく紹介していますので、そちらもぜひ参考にしてください。
受験者数
Webライティング能力検定は、2012年にスタートした比較的まだ新しい資格試験です。(WEBライティングに関する資格のなかでは最も歴史がある資格ではあります)
世の中のWEBライティングへの関心が高まり、受験者数は年々増加しています。
2023年6月時点で、受験した人の数は約3,000人。
規模としてはまだ小さく、一般的に広く知られているわけではありませんが、WEBライティングの資格としては良く知られています。
昨今の副業ブームも追い風となり、WEBライティングは身に付けたいスキルとして人気を集めていますので、今後も受験者数は伸びていくことが予想されます。
受験料
一般的な受験料
13,500円(税込)
- 公式テキストと問題集付き(いずれもPDFファイル)
- テキストのみ希望者に印刷版の送付可
- 申し込み後、1回のみ受検日の持ち越し可(要事前連絡)
割引制度を利用した受験料
- 学生割引:50%割引で6,750円(税込)
- 2回目以降の受検:3,000円引きで10,500円(税込)
- 紹介者割引:500円引きで13,000円(税込)
動画講座がセットになったものもあります。
動画講座がセットになった受験料
19,800円(税込・テキスト送料含む)
- 受験料
- テキスト(PDF+印刷物)
- 問題集
- YouTube動画(レジュメ付き)
- 論文の添削サービス
- メール質問の権利(3回まで)
動画講座アリで割引制度を利用した受験料
- 学生割引50%割引で9,900円(税込)
- 紹介者割引:500円引きで19,300円(税込)
更新費用:12,000円(更新期限2年)
Webライティング能力検定の資格には期限があり、各級の資格期限は2年です。
更新時には更新用動画講座の視聴と感想文などの提出が求められます。
受験会場
全国17か所で受験が可能です。
残念ながらオンライン受験には対応していません。
本人認証と不正防止が難しいというのがその理由で、協会は今後の検討課題だとコメントしていますが、資格の信頼度と質を保つためにも、現時点では会場に集まる形式が望ましいと考えているようです。
自宅から会場が離れていて受検が困難な人や、外出が難しい人のために、日本WEBライティング協会は新たな資格と学習をサポートする診断テストを創設して対応していますので、「どうしても自宅で受験をしたい」という場合はこちらを検討してみるのもいいかもれません。
メールによる「テキスト学習+確認テスト」。合格者には認定証が授与される。
資格は得られないものの、テスト対策と診断テストでスキルアップを目指すのが目的。
科目ごとの能力がグラフ化され、アドバイスや適性進路が記された診断書が発行される。
Webライティング能力検定はどんな人が受けるべき?
Webライティング能力検定の概要がわかっただけでは「受験したほうがいいのか判断がつかない」「決め手に欠ける」というのが正直なところではないでしょうか。
ここでは、どんな人に向いている検定なのかを具体的に紹介していきます。
- WEBライティングを業務に活かしたい会社員
- ブログのフォロワーを増やしたい人
- アフィリエイトで収益を上げたい人
- 自己研鑽の証明として会社に提示したい人
- 「書ける」こともアピールしたいフリーランス
- 企業で広報やWEB関連の部署に所属している人
- 履歴書やプロフィールに書ける資格を増やしたい人
- 学習のモチベーションにしたいWEBライター志望者
「WEBライティングを通して、WEB社会に生きる人々をサポートしたい」という検定ですので、ニーズはWEBライターに限りません。
ビジネスシーンから個人ブログやSNSに至るまで、幅広い層のニーズにヒットします。
会社の社員研修として活用されてきた実績もあります。
WEBライティングのリテラシーを高める手段として使えそうです。
昨今ではライター業をしていない人がWEBサイトに何か書いたり、専門分野について執筆を依頼されたりするケースも増えてきました。
WEBライターよりもむしろ日頃WEBライティングをしない人こそ、WEBライティングの常識を知るために受験を検討するといいかもしれません。
会社員のリスキリング(新たなスキルの習得)としてもおすすめです。
また、WEBデザイナーやWEBサイト制作者など、WEB系の職種に就く人が「WEBライティングもできますよ」とアピールしたいときにも使えます。
「実績がまだない」というWEBライター初心者なら、モチベーションのひとつとしてチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
現役WEBライターからひと言
“WEBライティング”の検定だからといって、WEBライターに必須の資格ではないというところがポイント。
WEBライターを目指すなら、むしろ他の資格のほうが案件獲得に有利な場合があります。このあとの「WEBライティングに役立つ資格」で具体的に解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。
実際のところはどう?【受験をした人の感想・評判】
受験を経験した人はどのような感想を抱いているのでしょうか。
どんな成果を生んでいるのか、気になるところですよね。
Webライティング能力検定を受験する理由の多くが、
「ブログで収益を上げたい」
「自分の書いた記事に説得力を持たせたい」
「SEOに強くなりたい」
「肩書きに添えて権威性を示したい」
「WEBライティングの仕事につなげたい」
といったもの。
受験後、これらは叶えられたのでしょうか?
“Webライティング”の検定試験ということで、その体験を記事にしたり、SNSで発信したりしている受験者がたくさん見受けられます。
そういった体験談や率直な感想は、ひとつの判断材料になりますね。
受験した人の声に多い「ポジティブな感想」と「ネガティブな意見」をそれぞれ見てみましょう。
- WEBライティングの基本が学べた
- 1級を取得できて達成感が得られた
- 今まで断片的だった知識を整理できた
- WEBマーケティングに役立つ知識も得られた
- 自分のライティング技術を客観的に評価できてよかった
- WEBライティングをもっと学びたくなった
- 資格よりも実績を示したほうが転職には有利だった
- 資格より仕事のクオリティを上げるほうが次の契約につながる
- 基礎は学べるが、この資格があるといって稼げるわけではなかった
- 思ったよりも難しくて1回の受験で1級取得はできなかった
- すでに知っている内容ばかりであまり役に立たなかった
ポジティブな意見が目立ったのは、ブログ運営をしている人やWEBライティング以外の専門分野の職に就く人。
知識が得られたことへの満足度が高いことがわかります。
ネガティブな意見が多く見られたのは、資格を仕事につなげようとしていたWEBライターなど。
WEBライティング初心者なのか、すでに中・上級者なのかによっても見解が変わってくるようですが、「1級取得はあまり強みにはならなかった。通用しなかった」という声は多く聞かれます。
感想を参考にする場合は、なるべく自分と近いシチュエーションの人の意見を探しましょう。
現役WEBライターからひと言
「資格取得後、仕事が受注できるようになった」という声も確かにありますが、それは資格の効果というよりも、スキルがあったからこそ。
1級を取得したからといって、有利になる保障はないと心得ておきましょう。
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ややこしい「Webライティング能力検定とWEBライティング技能検定の違い」
「Webライティング能力検定」とよく似た名前の「WEBライティング技能検定」という検定試験があります。
「何が違うの?」「どっちの検定を受けたほうが有利なの?」という声をよく聞きますので、2つの違いをまとめてみました。
それぞれの特徴を知ったうえで、どちらを受験するか検討しましょう。
Webライティング能力検定 | WEBライティング技能検定 | |
主催 | 一般社団法人 日本WEBライティング協会 | 一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会 |
試験内容 | 6科目(88点満点)(1~5科目は4択問題+6科目めがミニ論文) | 4択問題50問+実技ライティング問題4問(50点+200点=250点満点) |
試験時間 | 90分 | 90分 |
合格率 | 1級の合格率:25〜30% | 第1回~第91回までの平均:47.1% |
受験環境 | 会場受験 | オンライン受験 |
試験方式 | 筆記試験 | パソコン入力 |
受験料 | 13,500円(税込)*テキスト・問題集・合格証発行費用を含む(受験料+動画講座のセットは19,800円) | 41,000円(税込)*受験験には講座の受講が必須講座受講費:3,2000円試験料:6,000円合格証発行料:3,000円 |
資格更新の 要否 | 資格期限:2年更新費用:12,000円 | 資格期限なし |
WEBライティング技能検定を運営するのは日本クラウドソーシング検定協会です。
クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい人がインターネット上でワーカーに業務を発注するプロセス。
発注者と受注者をマッチングしてくれる「クラウドソーシングサイト」を利用するWEBライターは少なくありません。
WEBライティング技能検定は、そういったクラウドワーカーの育成や雇用のチャンスを広げることを理念に掲げているので、検定合格者はいくつかのクラウドソーシングサイトで特典が受けられるというメリットがあります。
クラウドソーシングを利用してこれから使って仕事をしていきたいという人には向いている検定といえますが、講座の受講料と試験料を合わせるとかなりの出費を覚悟しなければなりません。
難易度はWebライティング能力検定と比べると比較的合格しやすいという面がある一方、クラウドソーシングでの案件受注以外、それほど資格として効力が期待できないので、どちらか迷っているならWebライティング能力検定がおすすめです。
参考1:Webライティング能力検定
参考2:WEBライティング技能検定
勉強時間を確保できるか心配【1級取得に必要な勉強期間の目安】
学生・社会人ともに日中は学業や仕事があるので、検定試験に向けて勉強時間を作り出すのは楽ではありません。
1級取得を目指すなら、少なくとも2ヵ月の勉強期間を設けたいところです。
一日の平均勉強時間が30分を切ってしまうようなら、試験日まで3ヵ月間をみておきましょう。
検定の公式サイトには、「公式テキストと模擬問題でしっかり対策すれば1級合格は可能」「勉強期間は2週間で十分」とありますが、WEBライティング未経験者が2週間で習得できる内容ではありません。
不安なく試験に臨むためにも、余裕を持って準備しましょう。
すでにWEBライターとして活躍している人や、WEB関係の仕事でSEOや著作権についての予備知識がある人なら2週間の試験対策でも十分かもしれません。
ちなみに公式テキストは約130ページ。通しで読むだけなら1時間程度で読み終えられます。
テキストと一緒に付いてくる「Webライティングが2ランクUPする問題集」は全18ページで、〇✖形式の170問テスト。
動画講座を購入した場合、YouTube動画は約2時間26分です。
このほかに公式の対策本などはありません。
検定公式サイトが「テキストをマスターすれば1級が取得できる」と謳っているので、とにもかくにも公式教材と向き合うしかありません。
試験日までに内容をどれだけマスターできるかにかかっています。
「すでに持っている知識を試験対策用に整理するだけ」なら、目を通す程度でもいいかもしれませんが、「初めて知ることばかり」なのであれば、しっかりと記憶に定着するまで繰り返し復習する時間が必要です。
自分がどの段階にいるのかを把握し、学習時間を割り出してみてください。
おそらく、毎日何時間も試験対策に費やせる人はいないと思いますので、平日は通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を足して1日30分〜1時間、週末は3時間、などと試験日から逆算して計画を立てましょう。
苦手な科目を把握しておくのも学習計画を立てるときのポイント。
科目ごとに、必要な学習時間の目安を立てましょう。
1級取得は夢じゃない?【受験までの勉強方法】
Webライティング能力検定は、指定の教材をしっかり学んで臨めば、初心者でも1級に手が届きます。
問題のほとんどが公式テキストからの出題ですので、そこで点を落とさないように徹底してテキストの演習問題に取り組みましょう。
テキストにはないプラスアルファのスキルは、関連書籍などで補っておきます。
Webライティング能力試験は6教科から成っていますので、ここではそれぞれどのように勉強していけばいいのかを見ていきます。
1.国語
「いちばん難しかった」という感想が最も多い国語。
国語がWebライティング能力検定の難易度を上げているようです。
4択問題とはいえ、正答がわかっていないと素早く回答できません。
耳馴染みのないことわざや、普段使わない漢字などに戸惑ったという声がよく聞かれます。
出題範囲は公式テキストに限りません。
広く国語の知識が問われるので、日頃からさまざま文章に触れ、わからない漢字や言葉はその場で調べて覚える癖をつけましょう。
2.WEBライティング基礎
公式テキストを読み込んでおけば点が取れる科目です。
WEBライティングが初めてという人は、専門用語やWEBライティング特有のルールに慣れておきましょう。
補助ツールとして、WEBライティングに関するネット記事もおすすめです。
まさに“WEBライティング”の手法で書かれていますし、スキマ時間に目を通しておくだけでも理解の助けになりますよ。
▼“WEBライティングの基礎”を網羅しているのはこちらの記事。ぜひ参考にしてください。
3.コピーライティング・メールライティング
この科目も基礎を公式テキストで学んでおけば十分対応できます。
「比較的簡単に感じた」という感想の多い科目です。
最後の「ミニ論文」に時間をできるだけ残せるように、ここで点数と時間を稼いでおきたいところ。迷わず解答できるようにしっかり準備して臨みましょう。
コピーライティングに関心がある人は、書籍などで知識を補っておけば万全です。
4.SEO
SEO(WEBサイトを検索結果の上位に表示させるための施策)に関しても、公式テキストの内容をよく理解できていれば問題ありません。
ブログ運営やWEBライティングの経験がある人にとっては、知っている知識の見直しといったところです。
初めてSEOに触れる人は、聞きなれない用語に最初は戸惑うかもしれませんが、WEBライティングをするうえで重要な知識ですので、繰り返しテキストを読み返しておきましょう。
▼こちらの記事でもWEBライター向けにSEOについて解説しています。一読して理解の助けとしてぜひ役立ててください。
5.法律、倫理、炎上対策
「法律」と聞くと難しいイメージを抱くかもしれませんが、要は「WEBライティングをするうえでのルールやマナー」を問われる科目です。
著作権に関しては、「意外と知らなかった」という発見もあるはず。
公式テキストを読み込んでおきましょう。
もう少しプラスの知識を付けて万全を期したい人は、次に紹介する著作権関連の書籍を参照してください。
6.ミニ論文
出題されたテーマに対して、その場で構成を考え、時間内に200〜300文字のミニ論文を完成させなければなりません。
- WEBライティングに関するお題を自分で考え、「構成→執筆→校正」を時間を計って20分以内に仕上げる
- 当日は手書きしなければならないので、練習の段階から手書きに慣れておく
「試験時間・配点」でお伝えしたように、内容云々よりも全体の校正や文法ミスがないことが重視されますので、WEBライティングの「基本の型」であるPREP法に親しんでおきましょう。
PREP法とは、「要点 → 理由 → 具体例 → 要点」という構成。
要点や結論を最初に述べるスタイルです。
▼PREP法やWEBライティングのコツについてはこちらの記事で解説していますので、ライティング力アップにぜひ役立ててください。
どう活かすかが鍵!【Webライティング能力検定の活かし方】
資格はどう活かすかが鍵です。
たとえば、日頃からWEBライターに記事の執筆を外注している企業の案件獲得や、WEBライターとして入社したい企業の面接において、「Webライティング能力検定1級」はそれほどのアピールにはなりません。
こういった企業はWEBライティングについてのリテラシーが高く、ライターのスキルを見抜く力があるからです。資格ではなく実績やスキルを重視します。
では、「Webライティング能力検定1級」は役に立たないのかというと、そこは工夫次第。
現状、WEB系スキルの知識が追い付いていない企業はまだまだたくさんあります。
WEBに関する部署でない限り、「WEB〇〇検定1級」はアピールポイントとして響く可能性大です。
どの企業も、社員のスキルアップを望んでいます。
福利厚生の一環として自己啓発を目的とする資格試験には受験料を会社が負担するケースも珍しくありません。
どんな資格であれ、「1級」というのは聞こえがいいもの。
「英検1級」のハードルは高くても、業務に活きる資格で比較的1級が取得しやすい検定を見つけたら、チャレンジしておいて損はありません。
人事評価に使われる「目標管理シート」や「活動報告書」の自己啓発欄に書けば、「Webライティング能力検定1級」がチャンスを広げてくれる可能性だってあるのです。
本来の業務の域を超えて「このキャッチコピーの感想聞かせて」「コレ書いてもらえる?」などとWEBライティングに関係する仕事が少しずつ回ってくるようになったら思惑どおり。経験を積むチャンスです。
転職の際、本業以外の “プラスアルファのスキル” として履歴書に加えれば、見映えもしますし、ライティングやWEB系の業務にも強いというアピールにもなります。
Webライティング能力検定に限りませんが、資格は役立つ場を見極めてアピールするのがコツです。
他にもある?「WEBライティングに役立つ資格」
WEBライターとして箔を付けるとなると、「Webライティング能力検定」の資格はそこまでの効力を持ちませんが、WEBライターの肩書きに添えたら「権威性を示すことができる」「他のライターと差別化に役立つ」という資格をいくつか紹介しておきますね。
どうしても「資格」が欲しいという人はぜひ参考にしてください。
- ビジネス著作権検定
- SEO検定
- 日本語検定
- 専門分野の資格
ビジネス著作権検定
WEBライターの信用に関わる「著作権問題」。
情報収集は欠かせない作業ですが、情報元となる全てに著作権があると考えて間違いありません。
「知らず知らずのうちに権利を侵害していた」というのは許されませんし、最悪の場合は訴訟に発展したりメディア自体が閉鎖に追い込まれたりする危険性もあります。
クライアントがWEBライターに執筆を依頼する際、最も目を光らせている部分でもありますので、この資格は相手に与える安心材料として効果的です。
「上級」に合格すると国家資格「知的財産管理技能検定1級」を受験する資格が得られます。
主催 | 運営:サーティファイ著作権検定委員会監修:知的財産研究教育財団 |
試験内容 | ・著作権に関する基礎的な理解 ・具体的な裁判例 ・ビジネス実務における慣例を基準とした事例判断 |
合格基準 | ・BASIC(全25問、得点率65%以上) ・初級(全30問、得点率65%以上) 上級(全40問、読点率70%以上) |
受験料 | ・BASIC:4,200円(税込) ・初級:5,100円(税込) ・上級:8,000円(税込) |
参考:ビジネス著作権検定
SEO検定
SEOに特化した検定。
Webライティング能力検定でも扱われる内容ですが、「SEO検定」と示すと資格内容が具体的なので、「SEOに強いWEBライター」という印象をクライアントに与えられます。
「何の資格か」「何ができるのか」が具体的にイメージできる資格のほうがアピールになることを覚えておきましょう。
主催 | 一般社団法人全日本SEO協会 |
試験内容 | ・効果測定 ・SEOの基礎 ・キーワード設定 ・WEBサイト改善スキル ・SEOで高く評価されるコンテンツ制作法 ・モバイルSEO・安全確実なSEO |
合格基準 | ・1級(全80問、得点率80%以上) ・2級(全80問、得点率80%以上) ・3級(全80問、得点率80%以上) ・4級(全80問、得点率80%以上) |
受験料 | ・1級:8,000円(税別) ・2級:6,000円(税別) ・3級:5,000円(税別) ・4級:5,000円(税別) |
参考:SEO検定
日本語検定
文部科学省が後援している事業なので、権威性を示すには申し分ありません。
ライターの要となる国語力の高さを証明するのに役立ちます。
1級〜7級とレベルに幅のある検定で、7級は小学校2年生レベルですが、1級となると日本語を母語とする人でも合格が難しい試験です。
ライティングを仕事にするなら、2級以上は目指したいところ。
ちなみに、3級は「高校卒業レベル〜社会人基礎レベル」、2級は「大学卒業レベル〜社会人中級レベル」、1級は「社会人上級レベル」が目安とされています。
主催 | 特定非営利活動法人 日本語検定委員会 |
試験内容 | ・語彙 ・文法 ・敬語 ・言葉の意味 ・表記 ・漢字 |
合格基準 | ・1級(総合得点率80%以上) ・2級(総合得点率75%以上) ・3級(総合得点率70%以上) |
受験料 | ・1級:6,800円(税込) ・2級:5,800円(税込) ・3級:4,300円(税込) |
参考:日本語検定
専門分野の資格
WEBライターとしての権威性を示すのに、WEBライティングに直接関連する資格である必要はありません。
すでにあなたが保有している資格が、WEBライターとしてあなたの価値を上げてくれるかもしれません。
どんな分野でも専門性の高い資格は、その分野のライティングに権威性をもたらすことができるので重宝されます。
WEBライティングに関係ないと思わずに、これまでに取得した資格や経験を振り返って整理してみましょう。
有効期限が切れていたとしても、知識のある分野なら改めて資格を取り直してもゼロからのスタートより早いはず。
特に資格を持っていないという人も、これを機に仕事などで経験してきたことを資格という形に変換しておくと、WEBライターとして独自性を演出できるのでおすすめです。
WEBライティングで需要の高い分野の資格を例として挙げていますので、参考にしてください。
- 金融:税理士・会計士・ファイナンシャルプランナーなど
- 医療:医師・看護師・薬剤師など
- 不動産:宅地建物取引士・建築士など
- 健康:管理栄養士・理学療法士など
- 美容:美容師・エステティシャン・ネイリストなど
- メンタルケア:産業カウンセラー・臨床心理士など
- 教育:保育士・教員免許・学芸員など
ここまで堅い資格でなくても大丈夫ですよ。
趣味でも構いませんので、野菜ソムリエやアロマテラピー検定など「この分野に精通してます」という証拠に資格を役立ててみましょう。
資格の取得だけでは足りない【ライティングスキルを上げるコツ】
資格の取得だけで実践的なライティングスキルが身に付くものではありません。
検定試験では補えない部分、それは「書く」という実践の積み重ねです。
ライティングの腕を上げるには「書く」練習が欠かせません。
実際に仕事で執筆するようなものを想定して、文章量のある記事を書いてみるのがいちばん。
また「書く」にとどまらず、WEBライティングを熟知した人に「読んでもらう」さらには「添削してもらう」のがスキルを上げるベストな方法です。
自分では気付けないことや、WEBライティングならではの書き方を実践的に学ぶ絶好の機会です。
「添削」→「修正」を繰り返すのが理想。そうなると、独学では難しいですね。
「文章を書く」という行為は誰にでもできます。
しかし我流のままだと「プロ」と呼べるレベルになかなか到達できません。
高いスキルを身に付けるなら、検定試験にお金と時間を使うよりもスクールで学ぶほうが着実といえます。
独学では得られないサポート体制が整っていますので、疑問や不安の解消、仕事の斡旋など、右も左もわからない分野では大きな助けになるはずです。
資格はスキルをともなって初めて意味を持つ
ここまで、「Webライティング能力検定」について解説をしてきました。
「Webライティング能力検定」は、WEBライティング未経験者や初心者が、学びのひとつとしてチャレンジする分にはいいですが、WEBライターとしての権威性を示せるかというと、そこまでは至らないというのが正直な見解です。
ただネット社会において、WEBライターに限らずWEBライティングのリテラシーを高めておくのは、情報に踊らされず本質を見極める目を養うためにも重要なこと。
そのために検定試験を活用するなら受験する意義があります。
Webライティング能力検定の概要を振り返っておきましょう。
主催 | 一般社団法人 日本WEBライティング協会 |
試験内容 | 6科目(88点満点) 1.国語:12問(12点) 2.Webライティング基礎:12問(12点) 3.コピーライティング・メールライティング:16問(16点) 4.SEO:16問(16点) 5.法律、倫理、炎上対策:16問(16点) 6.ミニ論文:200~300文字(16点)*1~5科目は4択問題+ミニ論文は記述(手書き) |
試験時間 | 90分 |
合格基準 | ・1級:80~88点 ・2級:70~79点 ・3級:53~69点 ・資格なし:53点以下 |
合格率 | 1級の合格率:25〜30% |
受験環境 | 会場受験 |
試験方式 | 筆記試験 |
受験料 | 13,500円(税込) *テキスト・問題集・合格証発行費用を含む(受験料+動画講座のセットは19,800円) |
資格更新 | 資格期限:2年更新費用:12,000円 |
ポイント①
WEBライティングに関する網羅的な基礎知識が得られるうえに、2週間〜3ヵ月の勉強期間で1級取得を狙えるというのはこの検定の魅力。
本業にプラスアルファするスキルとしてアピールもできます。
ポイント②
WEBライターとして権威性を示したいのであれば、Webライティング能力検定よりも、「ビジネス著作権検定」や「日本語検定」「SEO検定」のほうが、強みが明確なのでおすすめです。
ポイント③
Webライティング能力検定の資格がなくても、他に専門性の高い資格や、仕事・趣味で極めた分野があれば、ライターとしての独自性を十分演出できます。
資格や経験の活かし方を踏まえたうえで、Webライティング能力検定を受けるか検討しましょう。
資格はスキルがともなって初めて意味を持ちます。
WEBライティングのスキルを磨くのに、あなたにとってベストな道を選んでくださいね。
質問や感想があればご記入ください