時間や場所に縛られず自由に生きられるフリーランスという働き方。
憧れる人も多いと思います。ただ、SNSなどで「フリーランスは甘くない」「とにかく収入が不安定」などという発信をみると「生活できなそう…」と思う方も多いはずです。
そこで、この記事ではそんな疑問解消するために、次のようなことをお伝えしていきます。
- 統計データからみるフリーランスの実態
- フリーランスが生活できないと言われる理由
- フリーランスとして安定した生活を送るためのアイデア
この記事を読んでもらえれば、フリーランスの実態を正しく把握し、「フリーランスになるか」を冷静に考えられるようになるはずです。ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
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フリーランスは本当に生活できない?年収からみる実態

では、まず「フリーランスは本当に生活できないのか」という疑問にお答えします。結論をいうと、フリーランスでも生活をしていくことは可能です。
もちろん生活できていない人がいるのも事実ですが、それは一部の人であり、大抵のフリーランスは生活できています。
現に、フリーランス協会が出している『フリーランス白書2023』では、フリーランスの働き方に満足をしている人の割合は72.8%もいます。
生活できていない状況で働き方に満足するのはかなり難しいですよね。つまり、少なくともおよそ7割の人はフリーランスとして生活できているといえます。
実際、フリーランスの2人に1人は年収400万円以上稼ぐことができていますし、10人に1人は年収1000万円稼いでいます。データから見ても「フリーランス=生活できない」というわけではないのです。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2023」
フリーランスが生活できないと言われる9つの理由

データから生活できているフリーランスが多いのがわかりました。
しかし、フリーランスが安定しているとは、多くの場合で言われていません。
フリーランスが安定しないと言われるのはなぜか、具体的な理由をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
理由①:毎月の収入が不安定だから
収入が常に不安定なのがフリーランス。フリーランスの多くは業務委託(在宅勤務)で働き、毎月決まった額をもらえることはありません。
統計では、下記のように「収入が不安定・低い」という悩みが56.8%あります。フリーランスの多くは業務委託で働き、毎月決まった額をもらえることはありません。
クライアントがどれだけ予算を持って、フリーランスにどれだけ発注してくれるのかで、収入は変わります。
中には経営が悪化したので、毎月の予算を減らされ、打ち切りになるのも珍しくないです。つまり、ある程度生活できている人がいる一方で、収入の不安定さを抱えているのがフリーランスの働き方です。
理由②:会社員のように保証する制度がないから
保証する制度がないのは、フリーランスの不安定さの一因です。会社員とフリーランスには社会保障に違いがあります。
フリーランスは労災保険や雇用保険などに加入しておらず、保証が薄いです。会社員なら、仕事ができなくなった時に収入を保証する制度があります。
もちろん、保険に入ることで保証を厚くできますが、会社員に比べてお金が必要です。フリーランスは、保障を厚くするにしても、生活が厳しくなりがちです。
保険などに入ることで保証を厚くできますが、会社員に比べてお金がかかってしまうので、フリーランスは生活が厳しいです。
引用:文化庁『社会保障制度』
理由③:自己管理やスケジュール管理が難しいから
フリーランスにとって、自由な働き方は悪い面もあります。それは、自由な反面全責任を自分で背負う必要があることです。
- 納期に間に合わない
- 満足いく成果物が納品できない
- スケジュール調整ができない
- 収入が安定しない
このような悩みも、自分で解決する必要があります。気が向かないからといって、サボってもお金はもらえません。自由と責任がセットになっており、良い側面だけを見ないようにしましょう。
理由④:休みが曖昧だから
会社員のような、完全な休みがないので、生活ができないと言われています。休みの日もクライアントからの連絡に対応して、結局仕事をしていたのは、フリーランスのよくある話です。
出かけたい時、休みにするにしても連絡がくるのか不安です。とはいえ、連絡を返さないと案件を外されるのか不安になります。
このような悩みを抱えるフリーランスにとって、休みは安心できるものではありません。明確な休みというものがないフリーランスですから、完全な休みが欲しいなら、事前にしっかり準備する必要があります。
理由⑤:フリーランス初期は低単価の仕事が多いから
駆け出し初期のフリーランスは、低単価の仕事になりがちです。単価が低い案件は一定数あり、単価交渉しても断られる可能性が大きく、数をこなさないと生活できないでしょう。
最初は低単価で経験を積み、高単価の案件にシフトすると考えているフリーランスも、高単価案件を見つけられない可能性があります。
単価が上がるまでに生活できなくなる人もいるので、厳しめの予算をみておく必要があります。また、すぐに稼げないと、生活できないと思い失望しやすいです。
フリーランス初期は低単価の仕事が多いので、最初から収入に期待しすぎないようにしましょう。
理由⑥:老後資金は自分で用意する必要があるから
フリーランスにとって、忘れてはいけないのが老後資金です。フリーランスは会社員がもらえる厚生年金はもらえず、国民年金のみです。
国民年金のみ(満額) | 国民年金+厚生年金(平均) | |
月額 | 64,816.6円 | 145,665円 |
年額 | 777,800円 | 1,747,980円 |
国民年金は満額納めていれば、年間777,800円が使用されますが、これだけでは老後資金としては不足するでしょう。
国民年金と厚生年金を合わせた1ヶ月あたりの受け取り金額は、平均すると145,665円で、年間にすると1,747,980円です。
フリーランスが受け取れる国民年金は、一般的な会社員より約100万円も少ないという現実があります。
このように、フリーランスは年金において会社員より厳しく、老後資金を工夫して用意しないと生活できません。
参考1:ねんきんネット
参考2:令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
理由⑦:勉強代やスキルアップにお金がかかるから
フリーランスは誰かが仕事を教えてくれることはなく、勉強代やスキルアップに自分で出資する必要があります。
競争が激しいので、最新の知識を身につけるために書籍の購入をしたり、セミナーに参加したりしないと、仕事の獲得が難しくなっていきます。
そのため、稼いだ収入がすべて手元に残ることはありません。
手元に残る金額を計算しながら稼ぐ必要があり、フリーランスはお金の管理も大変です。
- フリーランスは、勉強代やスキルアップにかかったお金は、経費にすることが可能です。
- フリーランスは確定申告をして税金を安くすることができます。
とはいえ、確定申告も大変なので、お金がかかるだけでなく管理も手間です。
フリーランスとして生活をするために、稼いだ収入の一部を仕事のために使うので、生活が厳しいでしょう。
理由⑧:社会情勢に影響されるから
フリーランスが生活できないといわれる理由の1つに、社会情勢の変化が挙げられます。
下記のような外的な要因によって仕事の需要が大きく左右されるため、収入が不安定になり場合によっては生活できなくなってしまうのです。
- 景気
- 業界の動向
- 政策の変更
例えば、不況やパンデミックの際には企業はコストを削減するために、外注案件を減少させる可能性が高いです。
また、法の改正によってフリーランスの契約形態が制限されることもあります。このようにフリーランスの収入は、自分の努力や成果だけでなく、外的な要因によって大きく左右されます。
理由⑨:フリーランスの増加によって競争が激化しているから
フリーランスの増加によって競争が激化していることも影響しています。
大手クラウドソーシングサイトのランサーズが実施した「フリーランス実態調査2021」によると、2021年のフリーランス人口は1,670万人に上り、2018年と比較すると500万人以上増加しています。
労働者間の競争が激化すると買い手市場になるため、価格競争が激化し、案件の単価が下がってしまいます。
案件の単価が低くなると、労働時間の割にお金が稼げず、結果として生活できなくなってしまうのです。
下記の記事では、フリーランスが「増えすぎ」といわれていることの真相と、稼げるフリーランスになるためのノウハウを紹介しています。
興味がある方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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生活できなくなるフリーランスのよくある6つの特徴

生活できないフリーランスには、下記のような特徴が見られることが多いです。
- スキルや知識が不十分である
- マネジメントスキルが不足している
- 受け身である
- 精神的に不安定である
- テキストコミュニケーションが苦手である
- 孤独に耐えられない
本章では、それぞれの特徴について詳しく解説します。
生活できないフリーランスの特徴を知っておくことで、自身がフリーランスとして成功できるか判断するための指標になるため、ぜひ参考にしてください。
特徴①:スキルや知識が不十分である
スキルや知識が不十分な人は、稼げるフリーランスになるのが難しいです。
フリーランスは自身のスキルや知識を商品として提供するため、クライアントや企業が求める結果を迅速かつ確実に出す能力が求められているからです。
下表は、フリーランスITエンジニアを採用する際に企業が重視するポイントをまとめた調査結果です。
企業が内定を出す際に最も重視しているポイント
重視しているポイント | 回答者の割合 |
スキル | 41.0% |
自身の強みや弱み | 17.9% |
人柄 | 10.3% |
前職での実績 | 10.3% |
今後のキャリアプラン | 5.1% |
希望する働き方 | 5.1% |
経験年数 | 2.6% |
志望動機 | 2.6% |
転職・退職理由 | 2.6% |
入社企業でやりたいこと | 2.6% |
出典:レバテックフリーランス「ITエンジニアのオンライン採用、重視するのは『スキル』と『コミュニケーション』」
41.0%もの企業が応募者のスキルを重視しており、他のポイントよりも圧倒的に重視されていることがうかがえますね。
スキルが最重要視されるのはITエンジニアに限らず、他の職種でも同様です。
特別なスキルや知識がないと、他のフリーランスとの競争に勝つのは難しく、低単価の仕事や単発案件ばかりになってしまい生活ができなくなってしまいます。
特徴②:マネジメントスキルが不足している
納期や体調などのマネジメントスキルが不足しているフリーランスは生活ができなくなってしまいます。
マネジメントスキルがないと、成果物を締め切りまでに納品できずクライアントから信頼を失ってしまい、案件を打ち切られてしまう可能性があるからです。
下記のような工夫をして、仕事や生活を適切に管理する必要があります。
- 納期が近い業務から優先的に取りかかる
- カレンダーアプリなどを活用して納期を常に把握する
- オンとオフの切り替えを明確にしてリフレッシュする
- 睡眠や食事に注意を払い、規則正しい生活をする
- 定期的に運動をして体力をつけて、体調を崩さないようにする
マネジメントスキルが不足していると、クライアントからの信頼を失い安定した収入やキャリアが遠のきます。
特徴③:受け身である
受け身な人も、生活できないフリーランスによくある特徴の1つです。
クラウドソーシングサイトや求人サイトなどを活用して、自発的に営業活動をしないと新しい仕事を獲得できず収入が途絶えてしまいます。
また、質の高い成果物を納品していたとしても、予算をはじめとしたクライアントの都合で契約が打ち切られてしまうこともあります。
筆者も現在6〜7社と契約して仕事をしていますが、常に下記のようなWEBサイトやサービスを活用しながら新規案件に応募・営業しています。
- CrowdWorks
- Indeed
- Wantedly
- ママワークス
受け身な人は稼げず収入が途絶えてしまい、生活できないフリーランスになる可能性が高いです。
特徴④:気持ちの浮き沈みが激しい
生活できないフリーランスは、気持ちの浮き沈みが激しい傾向があります。
気持ちの浮き沈みが激しいとクライアントとの交渉や自己管理が難しく、結果として安定した生活が築けない可能性が高まるからです。
例えば、案件が途切れてしまったり、クライアントから厳しいフィードバックを受けたりしたときに、落ち込みやすい人はモチベーションを維持するのが困難です。
また、フリーランスはあらゆる場面で自己判断で進めなくてはいけないことが多いため、不安や迷いが業務に影響を及ぼすこともあります。
特徴⑤:テキストコミュニケーションが苦手である
テキストコミュニケーションが苦手な人も、生活できないフリーランスの特徴の1つです。
フリーランスはEメールやチャットツールなどのテキストツールを使ってクライアントとコミュニケーションを取ることが一般的です。
相手と毎日顔を合わせるわけではないため、こまめに「報告・連絡・相談」をすることが求められます。
小さなことであってもクライアントに報連相ができない人や相手からのメールやメッセージにこまめに返信できない人は、案件を打ち切られて生活できないフリーランスになってしまいます。
特徴⑥:孤独に耐えられない
孤独に耐えられない人は、生活できないフリーランスになる可能性が高いです。
フリーランスは同僚や上司もおらず、クライアントと対面でコミュニケーションを取る機会が少なく人間関係も希薄であるため、寂しさを感じる人もいます。
孤独を感じストレスになってしまうと、以下のような不調を招いてしまうこともあります。
- 免疫系の働きが抑制されて脳機能が低下する
- 睡眠の質が悪化する
- 疲労や苛立ちを感じやすくなる
心身の不調は仕事のモチベーションだけでなく、医療費もかかるため生活できなくなる恐れがあります。
生活できないリスクを負う代わりに得られるフリーランスのメリット

フリーランスは「生活できないかもしれない」というリスクがある反面、下記のようなメリットもあります。
- 努力やスキル次第で大幅な年収アップが期待できる
- 自由度の高い働き方ができる
- スキルを高めて仕事の幅が広げられる
本章では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。「生活できないかもしれない」リスクを負ってでもフリーランスになるべきか判断するうえで、参考にしてください。
努力やスキル次第で大幅な年収アップが期待できる
フリーランスには「生活できない」リスクがありますが、努力やスキル次第で大幅な年収アップが期待できます。
下記のデータを見ると、45.9%ものフリーランスが会社員時代よりも年収が上がったと回答しています。
会社に所属していたときと比較した収入の変化
回答 | 割合 |
上がった | 45.9% |
変わらない | 12.9% |
下がった | 41.2% |
出典:プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会「フリーランス白書2023」
回答者自身の現在の年収
年収 | 割合 |
200万円未満 | 19.5% |
200〜400万円未満 | 27.9% |
400〜600万円未満 | 20.9% |
600〜800万円未満 | 11.3% |
800〜1,000万円未満 | 8.9% |
1,000万円以上 | 10.0% |
わからない、答えたくない | 1.4% |
出典:プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会「フリーランス白書2023」
また、同調査の回答者のうち10%が年収1,000万円を超えていることが伺えますね。自分の可能性を試し、収入アップを目指すのであれば、フリーランスは大きなチャンスを提供してくれる働き方です。
自由度の高い働き方ができる
フリーランスは、自由度の高い働き方が実現できます。
それは、フリーランスは自分のスケジュールを自由に設定して、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるからです。下記は、筆者のとある1日のスケジュールです。
時間 | やること |
7:30 | 起床 |
7:30-9:00 | 朝食・洗顔・着替え・洗濯など |
9:00-9:30 | 仕事のメールやメッセージのチェック |
9:30-10:00 | オンライン英会話受講 |
10:00-12:30 | 記事の執筆 |
12:30-13:00 | 昼食 |
13:00-14:30 | 記事の執筆 |
14:30-15:30 | クライアントとのミーティング |
15:30-17:30 | 記事の執筆 |
17:30-18:30 | 夕食・出かける準備 |
18:30 | 出発 |
19:00-20:30 | ジムにて運動 |
20:30-21:00 | 帰宅 |
21:30-22:00 | 入浴 |
22:00-24:00 | 自由時間 |
24:00 | 就寝 |
筆者はフリーランスになる前は公立高校の英語教員を務めていましたが、フリーランスになってからはプライベートの時間が充実し、仕事に対するモチベーションがさらに高まりました。
自分らしい生活を追求したい人は、「生活できない」というリスクを負ってでもフリーランスになることをおすすめします。
スキルを高めて仕事の幅が広げられる
フリーランスになるうえで生活が不安定になるリスクがありますが、その分スキルを高めて仕事の幅を広げることが可能です。
会社員の場合は会社が定めた特定の業務だけに限定されがちですが、フリーランスは多様な案件に挑戦できる自由があります。
例えば、筆者の場合は基本的にSEOライターとして活動していますが、下記のようにさまざまな業務や案件を受注したことがあります。
- ディレクション
- 編集
- メルマガの執筆
- SNSの投稿文作成
- インタビュー記事の執筆
仕事の大半が、SEOライターとしてお世話になっている企業やクライアントからプラスアルファで受注したもので、SEOライティングよりも高単価でした。
フリーランスの就労環境は挑戦の場でもあり、成長の場でもあるためリスクを乗り越え、自分の可能性を広げたいと考えている人にとっては魅力的な働き方です。
【ステップ別】生活できるフリーランスになるためにやるべきこと

生活できるフリーランスになるためには、下記の5つのステップを踏むことが大切です。
- 興味のある業界の構造・需要・収入をリサーチする
- 必要な知識やスキルを身につける
- 副業で小さく始めて実績を積む
- 人脈を築く
- 法的な手続きをする
本章では、それぞれのステップでやるべきことについて詳しく解説します。
STEP1: 興味のある業界の構造・需要・収入をリサーチする
生活できるフリーランスになるためには、興味のある業界の構造・需要・収入をリサーチすることが大切です。
事前のリサーチを怠ると、努力が成果に結びつかず収入が不安定になり、生活できないフリーランスになってしまいます。
例えば、WEBライターの仕事に興味がある場合、どのようなスキルが必要なのか、どのジャンルに需要があるのかを調べましょう。
さらに案件ごとの報酬相場や競争環境も把握していれば、自分に適したジャンルを選びやすくなります。
事前リサーチをしっかりしておけば、自分がやるべきことや効率よく収入を上げるための道筋が見えてくるはずです。
STEP2: 必要な知識やスキルを身につける
フリーランスとして安定した生活をするために、業界で求められる知識やスキルを身につけましょう。
先述したように、企業やクライアントはフリーランスが「即戦力」になることを求めているからです。
例えばWEBデザインの場合、下記の3つのスキルや知識を身につける必要があります。
- 基本的なデザインの知識
- 基礎的なコーディングの知識
- デザインツールを操作するスキル
さらに、コミュニケーション能力やタイムマネジメントといった業務を円滑に進めるためのソフトスキルを身につけることも大切です。
仕事に必要な知識やスキルを身につけることで、自分の市場価値を高めて案件が獲得しやすくなります。
STEP3: 副業で小さく始めて実績を積む
副業として小さく始めてコツコツと実績を積みましょう。
いきなりフリーランスとして独立するのはリスクが高いのでおすすめできません。
中小企業庁が発表したデータでは、起業してから1年の廃業率が37.7%、2年目で24.1%、10年経過後は13.2%と推移しています。
出典:中小企業庁「事業の存続・倒産と再生」
スタートした直後ほど業績が安定せず廃業となるリスクが高いため、副業として小さく始めてフリーランスの道を少しずつ開拓するのが賢明です。
また、正社員として働きながら副業をする場合、会社の就業規則に違反していないか必ず確認してください。
副業が認められていないにも関わらず副業をおこなっていることが会社に発覚した場合、懲戒処分になることもあります。
副業規則についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

STEP4: 人脈を築く
下記の2つの理由から、フリーランスになる前に人脈を築くことをおすすめします。
- 孤独やストレスを感じにくくなる
- 仕事の獲得につながる
こちらも先ほどお伝えしたように、フリーランスは孤独を感じやすいです。
孤独によって引き起こされるストレスは心身に悪影響を与えるため軽視できません。
人脈を築いていれば、いつでも悩みを相談できるので、孤独やストレスを感じにくくなります。
GoogleやYahoo!JAPANなどで「【職種名】 オンラインサロン」と検索してみてください。
あなたと同じ職種で活躍するフリーランスとつながりを持てます。
さらに、人脈を築くと仕事が獲得しやすくなります。
下表を見ると、フリーランスの多くが「過去・現在の取引先」や「人脈」を通じて仕事を獲得していることがわかりますね。
最も収入が得られる仕事の獲得経路
獲得経路 | 割合 |
過去・現在の取引先 | 32.7% |
人脈 | 27.9% |
エージェントサービスの利用 | 13.4% |
自分自身の広告宣伝活動 | 12.3% |
求人広告 | 5.8% |
クラウドソーシング | 5.2% |
シェアリングエコノミーサービス | 0.6% |
その他 | 0.6% |
出典:プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会「フリーランス白書2024」
孤独を感じにくくなり、仕事が獲得しやすくなることから、生活できるフリーランスになるためには「人脈」の構築が不可欠です。
STEP5: 法的な手続きをする
フリーランスになる前には、税務署に下記の書類を提出して法的な手続きをする必要があります。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
- 所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
- 青色専従者給与に関する届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
※事業内容によって提出すべき書類が異なるため、必ず税務署に確認してください。
フリーランスになる前には必ず必要な法的手続きを済ませておかないと、税務処理で不利を被ったり、ペナルティを受けたりする可能性があるからです。
例えば、「開業届」を提出しないと、税務署が収入を把握できず脱税と見なされるリスクがあります。
また、青色申告承認申請書を期限内に提出しないと、控除額が増えず税金を多く支払うことになります。
節税効果を最大限に発揮して生活できるフリーランスになるためには、税務署への必要書類の提出などの法的な手続きが不可欠です。
下記の記事では、青色申告のメリットややり方について詳しく解説しているので、興味がある方はあわせてお読みください。

フリーランスが安定した生活できるようになるための9つのアイデア

フリーランスが会社員に比べて、安定性がないのはもはや仕方のないことです。
ただ、できることがないわけではありません。
工夫次第で比較的安定した生活ができるようにはなります。
そこで、ここからは実際にフリーランスとして活躍している人がやっている「安定した生活ができるようになるための9つのアイデア」をお伝えします。
フリーランス仲間を作る
生活できるようになるためには、フリーランス仲間を作っておくのも大切です。
仲間を作っておくメリットは次の2つ。
- モチベーションの維持につながる
- 案件の獲得につながる
フリーランスは1人で作業をすることも多いですし、自己責任の範囲が広いので孤独を感じやすい働き方です。
孤独感からモチベーションが維持できず、収入が下がってしまう場合も少なくありません。
しかし、仲間がいればモチベーションを維持しやすいです。
仕事が上手くいかないときも相談できますし、生活できなそうになったときもアドバイスをもらえます。
さらに、フリーランスは人脈から仕事を獲得することがとても多いです。
仲間からの紹介で仕事を得られることもあるので、フリーランスとして生活できるようになる可能性が高まります。
集客の方法を身につける
専門的なスキルを身につけることと同じくらい大切なのがどれだけ集客できるかということ。
集客が上手くなればより稼げるフリーランスになれるからです。
具体的にフリーランスが知っておくべき集客方法は次の5つです。
- 知人から紹介してもらう
- クラウドソーシングで仕事を取る
- SNSを利用する
- 交流会に参加する
- 広告運用をする
それぞれの詳しい内容についてはあとから解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
スキルを磨いてから挑戦する
フリーランスはクライアントから依頼された仕事をしっかりこなした分、報酬をもらう働き方。
いわば、自分のスキルを売っているようなものです。
そのため、高いスキルであればあるほど、高単価で仕事を受けられるようになり、
- 収入が上がる
- 労働時間を短くできる
- 需要が増えてクライアントを選べるようになる
といったことを実現できます。
短い時間でしっかり稼げるようになるので、とても生活しやすくなりますし、好きなクライアントと仕事ができるようになり、ストレスも少なくなります。
自分の支出を先に把握しておく
フリーランスになる前にすべきこととして、自分の支出が月にどれくらいあるかを把握しておくことです。
それをしておくと、どれくらい稼がないといけないかわかり「副業で月収◯◯円までいったら独立しよう」「◯◯円貯金できれば安心してフリーランスになれる」と考えられるようになります。
また、把握する中で、不必要な出費を知ることができます。
使っていない月額制のサービスに気づくなんてことはよくあることですね。
支出の把握は良いことばかりなので、フリーランスになる前には必ずやっておきましょう。
▼こフリーランス経験者が「支出を知ることの大切さ」を話ししています。支出を減らす方法についてお話ししているので気になる方はぜひご覧ください!
複数のクライアントを作っておく
フリーランスが特定のクライアントに依存するのはかなり危険です。
そのクライアントがいなくなってしまうと、収入が激減してしまうからです。
そのため、フリーランスとして活動するときには複数のクライアントを作っておきましょう。
複数のクライアントがいれば、たとえ1つのクライアントとの契約が切れたとしても、生活できなくなるということは起こらなくなります。
そして、複数のクライアントがいる状態を維持するために、新規のクライアントを開拓し続けましょう。
新たな人脈を作り続けておけば、仕事に困ることはなくなりますよ。
すぐ受注につながらなくても、将来的にそのつながりから仕事を依頼されることがあるので長期的な視点を持って行動することが大切です!
収入が減少したときのために備えておく
フリーランスとして生活していくために重要なのは、もしものときに備えてしっかり貯蓄しておくということ。
複数のクライアントを作っておくことである程度収入は安定しますが、絶対に収入が途切れないとはいえませんし、体調を崩してしまえば収入は一気にゼロになります。
そのため、たとえ収入がゼロになったとしても、生活ができるように日頃からしっかり貯金しておくようにしましょう。
貯金があれば、収入が入ってこなくても療養に集中できます。
また、固定費を削減しておくのも大切です。
月額制のサービスに入っていると、体調を崩してサービスを利用できなくてもお金を支払い続けなければいけません。
あまり利用していないのにお金を支払い続けているものがないかを定期的に確認しましょう。
民間の社会保険や福利厚生を利用する
フリーランスには社会保険や福利厚生がないので自分で用意する必要があります。
特に重要なのが将来のためのお金を用意しておくこと。
フリーランスは会社員に比べておよそ10万円年金が少ないですし、退職金制度もありません。
そのため、iDeCoや小規模企業共済といった積立制度を利用して、将来のためのお金を貯めておくのが大切です。
また、エージェントサービスに登録すると、福利厚生を利用できるようになります。
さまざまな補償や特典が受けられるようになるので、ぜひ活用してくださいね。
サブスクリプションで仕事を引き受ける
配信サービスなどで「サブスク」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これはサブスクリプションの略で、簡単にいうと月額制(年額制)のことです。
フリーランスの中にはこの考え方を活かして、自身の商品・サービスをサブスクリプションで販売している人がいます。
サブスクリプションにするとひと月で得られる利益は少なくなるのですが、その代わり来月、再来月など数ヶ月先の収入を確定させることができます。
クライアントに「長く付き合っていきたい」と思ってもらう必要があるので、簡単ではありませんが、成功すると一気に生活を安定できるようになるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
実際、この方法で稼いでいる人のインタビューを載せておきますね。

オンとオフをしっかりと切り替える
フリーランスとして生活を安定させるためには、オンとオフの切り替えを徹底することが大切です。
自由な働き方が魅力のフリーランスですが、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちで、この状態が続くと休息不足や生産性の低下を招き、質の高い成果物を納品することが難しくなってしまいます。
結果として、継続的案件を受注できず不安定な生活になってしまう恐れがあります。
筆者も気をつけているのですが、「今日は午前9時から午後6時までは仕事に集中し、それ以降は仕事を一切やらない」といったルールを設定することがおすすめです。
また、仕事の途中で散歩に出てリフレッシュの時間を取ることで、新たなアイデアが生まれて仕事の質も向上します。
オンとオフをしっかりと切り替えて心身の健康を保ちながら、安定した生活を目指しましょう。
フリーランスとして仕事を獲得する方法

先ほどもお伝えしたようにフリーランスとして生活できるようになるには、仕事を獲得する方法とそのポイントを押さえておくのが大切です。
そこで、ここからはフリーランスにおすすめの案件獲得方法とそのポイントを解説していきます。
これからご紹介することを実践していただければ、仕事を取れて、収入も安定するようになるのでぜひ参考にしてくださいね。
知人から仕事を受ける(知人から仕事を紹介してもらう)
フリーランスが仕事を獲得する方法として、知人から仕事を受けたり、知人から仕事を紹介してもらったりすることがあります。
知人から仕事を受けるためには、自分がフリーランスとして活動していることを発信することが大切。
SNSなどで「フリーランスになりました!」と投稿したところ、知り合いから仕事を依頼されたという方もたくさんいます。
また、駆け出しフリーランスが知人から仕事を受ける場合には、無料から始めるのがおすすめです。
無料で仕事をすれば、相手からの信頼を得られます。
次の仕事からは有料で依頼してもらえますし、他のクライアントを紹介してもらえることもありますよ。
クラウドソーシングで仕事を取る
フリーランスとして駆け出しの頃は、クラウドソーシングで仕事を取るという方法もおすすめです。
クラウドソーシングとは仕事が欲しいワーカーと、仕事を依頼したいクライアントを結びつけるサービスです。
契約から納品までがオンラインで完結できるので在宅でも働けます。
クラウドソーシングを上手く活用するポイントは次の2つです。
- ポートフォリオを整える
- 最初は実績を重ねる
クラウドソーシングは直接コミュニケーションを取れないので、自分がどのくらいのスキルがあるかをポートフォリオ(作品集)を使ってアピールするのが大切です。
質の高いポートフォリオがあれば、仕事を取れる可能性がグッと高まります。
また、単価の高い案件を取るにはどれだけ実績があるかも大切なので、最初の頃は少し単価が低い案件でも積極的に取っていきましょう。
▼フリーランスにおすすめのクラウドソーシングをご紹介した記事はこちら!

SNSを利用する
最近ではSNSで仕事を獲得している人も多くいます。
フリーランスを募集しているツイートもたくさんあるので、それを探して自分から応募することもできますし、自分の発信を見た人から仕事を依頼されるケースも少なくありません。
SNSのメリットは、手数料がかからないところ。
クラウドソーシングは案件を探す手間が省ける代わりに、5%〜20%の手数料が発生します。
20万円稼いだのに手元に残るのが16万円だったということも。
一方、SNSなら手数料が一切必要かかりません。
そのため、クラウドソーシングよりも実質的な収入が上がるのです。
SNSを使うときには媒体を意識するのが大切です。WEBライターなら文章力をアピールできるTwitter、WEBデザイナーなら作品を投稿できるInstagramと媒体と職業の相性を意識することで自分をアピールしやすくなりますよ!
交流会に参加する
仕事を得る方法として、交流会に足を運ぶという方法もあります。
個人事業主や経営者が出席している交流会に参加し、そのような人たちと仲良くなることで仕事を依頼してもらうのです。
直接仕事を受けるので手数料は一切かかりませんし、深い関係性を築きやすいので継続的な受注も見込めます。
ただし、いきなり案件を取りにいくのはNG。ただ仕事を取りたい人だと思われてしまうからです。まずは参加者と仲良くなることを大切にしましょう。
広告運用をする
少し珍しいですが、広告運用をするという方法もあります。
広告のメリットは一度設定してしまえば、自分が行動しなくても勝手に集客できること。
営業にできるだけ時間をかけたくないという方におすすめです。
ただし、広告を運用するにはある程度の知識が必要なので、中途半端な知識でしてしまうと、広告費だけを無駄に消費してしまいます。
スクール等で広告運用の知識を身につけるか、広告運用をしている人に外注するかして、損をしないようにしましょう。
エージェントを利用する
稼げるフリーランスになりたい方は、エージェントを利用しましょう。
エージェントはフリーランス向けの案件を数多く抱えており、希望やスキルに合った仕事を紹介してくれます。
特に、駆け出しの頃はクライアントとの直接交渉に不慣れなことが多いですが、エージェントに仲介してもらうことでスムーズに取引が可能になります。
また、高単価案件を紹介してもらえる可能性もあり、効率的に収入を増やすことが可能です。
エージェントの利用を通じて、収入を安定させることにつながります。
下記の記事では、フリーランスにおすすめのエージェントを紹介しています。
興味がある方は、ぜひお読みください。

まとめ
インターネットでよく言われる「フリーランスは生活できない」という言葉。
なぜそのようなことが言われるのか、本当にフリーランスは生活できないのかをお伝えしてきました。
もう一度結論をお伝えすると、フリーランスとして生活していくのは十分可能です。
現にフリーランスの7割が、働き方に満足しています。
今回お伝えしたフリーランスとして生活するための次の方法を実践していただければ、フリーランスとして生活できないということはありません。
- 副業から始める
- スキルを磨いてから挑戦する
- 集客の方法を身につける
- 複数のクライアントを作っておく
- 収入が減少したときのために備えておく
- 民間の社会保険や福利厚生を利用する
- フリーランス仲間を作る
これからフリーランスを目指す方は、まずスキルを身につけて副業することから始めてみましょう。
副業であればリスクなく自分の力を試せますよ。