会社員からフリーランスへ、何か一歩踏み出そうとしている方も多いと思います。
ですが、フリーランスはいくらもらえるのか、手取り事情をわかっておかないと不安ですよね。
実際、会社員とフリーランスでは引かれるものが違うので、同じだけ稼いでも手取り額が違います。
引かれる税金や保険料は本当に人それぞれで、実際にフリーランスになってみないとわからない部分も大きいのですが、事前にある程度把握しておくことはとても大切です。
今回の記事では、
- フリーランスの手取りの計算方法
- 実際の手取りシミュレーション
- フリーランスでもできる節税対策
をご紹介していきます。
いまフリーランスの方も、これからフリーランスデビューする方もぜひお読みください。
本文では「フリーランスは引かれるものが多いから、会社員の2倍稼がないといけない!?」というウワサの真相もお伝えしていきます。
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フリーランスの手取りはどうやって計算する?
フリーランスの手取りは、手取り金額=売上ー(経費+税金+社会保険料)で計算することができます。
経費とは、仕事をする上でかかった費用のことで、どんなものが経費になるかはその人の仕事内容によって大きく異なります。
WEBデザイナーやWEBライターの方はWi-Fi代やパソコン代、カフェ代なども経費になります。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
フリーランスが引かれる税金は「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」、保険料は「国民健康保険料」「介護保険料」です。
引かれるお金の詳細は、この後「フリーランスが引かれる税金・保険は全部で7つ」で解説していきますね。
フリーランスの年収別シミュレーション
それでは、先ほどご紹介した計算式【手取り金額=売上ー(経費+税金+社会保険料)】に沿って、年収200万、300万、400万、500万、600万、700万、800万、900万、1000万、2000万の手取りをシミュレーションしてみたいと思います。
ただし、経費は人によって異なります。
今回は一律50万円で計算していますが、年収が上がるにつれて基本的に経費は多くなるので、その点も含めて考えてみてください。
また、所得税は本来、売上ではなく所得によって決まります。
所得とは、売上から経費などを引いた金額のことなので、経費が大きくなれば所得税も変わります。
数値はあくまで目安なので、「だいたいこのくらいになるのか〜」という気持ちで見てくださいね。
経費が確定していて、より正確な手取りが知りたいという方はこちらのツールなどを使って計算するのが便利です。
年収200万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 200万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 3万 |
住民税 | 6.5万 |
社会保険料 | 30万 |
手取り | 110万 |
計算式
売上200万ー(経費50万+税金9.5万+社会保険料30万)=110万
年収300万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 300万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 5.5万 |
住民税 | 12万 |
社会保険料 | 45万 |
手取り | 187万 |
計算式
売上300万ー(経費50万+税金17.5万+社会保険料45万)=187万
年収400万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 400万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 8.5万 |
住民税 | 18万 |
社会保険料 | 59万 |
手取り | 265万 |
計算式
売上400万ー(経費50万+税金26.5万+社会保険料59万)=265万
年収500万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 500万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 14万 |
住民税 | 25万 |
社会保険料 | 71万 |
手取り | 340万 |
計算式
売上500万ー(経費50万+税金39万+社会保険料71万)=340万
年収600万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 600万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 20万 |
住民税 | 31万 |
社会保険料 | 86万 |
手取り | 340万 |
計算式
売上600万ー(経費50万+税金51万+社会保険料86万)=413万
年収700万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 700万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 31万 |
住民税 | 38万 |
社会保険料 | 102万 |
手取り | 480万 |
計算式
売上700万ー(経費50万+税金69万+社会保険料102万)=480万
年収800万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 800万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 47万 |
住民税 | 46万 |
社会保険料 | 114万 |
手取り | 543万 |
計算式
売上800万ー(経費50万+税金93万+社会保険料114万)=543万
年収900万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 900万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 65万 |
住民税 | 55万 |
社会保険料 | 118万 |
手取り | 612万 |
計算式
売上900万ー(経費50万+税金120万+社会保険料114万)=612万
年収1000万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 1000万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 84万 |
住民税 | 64万 |
社会保険料 | 123万 |
手取り | 679万 |
計算式
売上1000万ー(経費50万+税金148万+社会保険料123万)=679万
年収2000万フリーランスの手取りシミュレーション
売上(年収) | 2000万 |
経費(※) | 50万 |
所得税 | 360万 |
住民税 | 161万 |
社会保険料 | 160万 |
手取り | 1356万 |
計算式
売上2000万ー(経費50万+税金521万+社会保険料123万)=1356万
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フリーランスは会社員よりも手取りが少ないって本当?
シミュレーションで、フリーランスの手取りを見ていただきましたが、どうでしたか?
思っていたより引かれていてショックだった方、想像よりはもらえるみたいで少しホッとした方、それぞれいると思います。
ここからは、
「フリーランスは会社員と比べて手取りが低い」
「会社員と同じ手取りを得るには、2倍の年収が必要」
という、インターネットに載っているフリーランスの手取りのウワサについて、実際のところどうなのかお伝えしたいと思います。
結論からお伝えすると、「フリーランスは会社員よりも手取りが少ない」は間違いです。
確かに、売上(=年収)が同じ場合、手取りは会社員よりフリーランスの方が低いです。
ただし、異なるのは
- 保険料
- 交通費
だけ。
むしろ、フリーランスは「経費」というお金の使い道があるので、同額を稼ぐフリーランスよりも自由使えるお金が多いと考える人もいるくらいです。
例えば、旅行が趣味で手取りの大半を旅行に使っている方がいるとします。
会社員の場合はあくまで「趣味」なので、手取りから旅行代を全額支払う必要がありますが、フリーランスとして独立し、旅行ブログやホテル紹介のSNSで収益を上げられるようになれば、旅行代の一部を経費として落とせるようになるのです。
詳しくは、こちらの動画をご覧ください(動画は3:33から再生されます)
フリーランスが引かれる税金・保険料は全部で7つ
漠然と、「フリーランスは、色々引かれちゃう」「たくさん税金取られちゃう」というイメージがあるかもしれません。
そのイメージは、だいたい合っています。
ただ、事前に何がどのくらい引かれるのかがわかっていれば、手取りが想像以上に少なくて焦ったり、不安になったりすることもなくなります。
すでにフリーランスとして働いている方はもちろん、いまちょっとだけフリーランスに興味があるという方も知っておいて損はありません。
細かい税率や料金は、確定申告のときに計算すればOKです。いまのタイミングでは、およそ何がどのくらい引かれるのかだけでも覚えておきましょう。
所得税
所得税は、会社員時代から変わらず引かれます。
所得税は一律ではなく、稼いだお金に対して決められた税率がかけられる仕組み。
稼げば稼ぐほど高く払う仕組みになっていて、年収200万なら所得税は3万、年収2000万なら所得税は360万です。
ちなみに、所得税は税金から経費を差し引いて残った「所得」に対してかかります。
そのため、経費として落とせるものが大きいと所得税は低く(=手取りは高く)なります。
住民税
住民税は、自分の住む地域に収める税金で、こちらも会社員でもフリーランスでも納める必要があります。
最近は「ふるさと納税」が有名になったので、住民税のことはよく知っている人も多いかもしれませんね。
(ふるさと納税は所得税と住民税に関係してくる制度ですが…)
住民税の額は、前年の年収で決まります。
会社員時代から年収が大きく変わらない方は大丈夫ですが、大きく収入が変わる場合は注意が必要です。
例えば、年収1000万の会社員から年収200万のフリーランスに転身したとします。
住民税は前年の年収(つまり、1000万稼いでいた会社員時代の年収)のおよそ10%なので、およそ100万円かかります。
個人事業税
個人事業税は、個人での事業に関して都道府県に支払う税金です。
所得が290万円を超えると、超えた部分に対して3〜5%の税金がかかります。
ですが、ここですごく複雑になってくるのが業種によって個人事業税の税率が異なるということ。
なんと、業種や業務内容によっては、個人事業税がかからないこともあるのです。
各事業の税率はこちらの表で確認できます。
消費税
消費税は、年間売上が1000万を超えた場合にかかります。
消費税といえば物販や飲食業など、何かモノを販売したときにかかるイメージが強いかもしれませんが、「WEBデザイナーとしてWEBサイトを納品した」「カメラマンとして、写真撮影をおこなった」といったクリエイティブなお仕事にも消費税はかかるので注意しましょう。
さらに複雑なのが、消費税がかかるのが年収1000万を超えた2年後ということ。
例えば、2022年から事業を始めた人が、1年目に大きく売り上げ、その後は売上が右肩下がりになってしまったとします。
2022年の売上:1200万
2023年の売上:900万
2024年の売上:500万
この場合、2024年のみ消費税が加算されます。
少し複雑ですね。
これからフリーランスになる方やフリーランス1年目の方は、「もし1000万超えたら、2年後に消費税を払う。」とだけ覚えておきましょう。
国民健康保険
続いて、保険料の支払いです。
フリーランスは会社員時代と異なり、保険料は自分で契約して払います。
全員加入必須なので、「私は入らなくていいや」はできないので要注意。
配偶者の有無等によっても金額は異なりますが、おおよそ年収の10%と考えておけば間違いありません。
詳しくはこちらの記事でご紹介しています!
国民年金保険
国民年金保険は、すべてのフリーランスに加入が義務付けられている保険です。
金額は毎年変わるので、参考までに直近5年の金額をご覧ください。
2018年 | 月額16,310円 |
2019年 | 月額16,410円 |
2020年 | 月額16,540円 |
2021年 | 月額16,610円 |
2022年 | 月額16,590円 |
毎年100円弱、値上がりしているようです。
今後も、一気に何万も値上がりすることはないと思いますが、少しずつの値上げは続くと予想されています。
介護保険料
介護保険は、会社員・フリーランスを問わず40歳以上の国民全員の加入が義務付けられています。
40歳未満の方は支払う必要はありません。
支払う金額は、年齢等によっても異なりますがおよそ5000円〜10000円です。
フリーランスでもできる、税金を少しでも減らす方法
最後に、少しでもかかる税金を減らし、手取りを多くするための方法をいくつかご紹介します。
税金の未払いや嘘の申告は犯罪ですが、正しい方法で税額を減らすのは問題ではありません。
知っておくだけで数万〜数十万の違いにもなるので、ぜひ押さえておいてくださいね。
青色申告をする
所得税の確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。
すごく簡単に説明すると、白色は申告がシンプルだけど控除が少なく、青色は申告が少し複雑だけど控除などのメリットが多いです。
※控除:引かれる税金の額を減らすこと。控除が大きいと、売上から引かれる税金が少なくなります。
かかる税金を少しでも減らし、手取りを増やすためには青色申告がおすすめ。
申請も、白色に比べると面倒ですが、ちゃんと調べたら誰にでもできるレベルなので安心してくださいね。
経費で落とす
フリーランスの特権は、経費で落とせることです。
もちろん、なんでもかんでも経費で落とすことはできませんが、仕事に関わる出費をしっかり経費で落とすことで”所得”が下がり、かかる所得税が減らせます。
※所得=売上ー経費
ただし、使いすぎには気をつけてくださいね。
経費として使える額に上限はありませんが、「経費と浪費は紙一重」とも言われています。
なんでもかんでも経費にした結果、手元にお金がほとんど残らないなんて本末転倒なので、気をつけましょう!
お得な保険を探す
税金を減らす、という観点からは少しずれてしまいますが、お得な保険を探すことで手取りを増やすこともできます。
例えば、文芸美術国民健康保険組合という保険は、文芸・美術・映画・写真・編集をやっているフリーランスが所属できる保険組合です。
保険料は収入によって割合が変わったりすることはなく、一律でおよそ2万円です。
この他にも、保険の料金を安くする工夫はあるので、ぜひご自身の職種、条件に合ったお得な保険を探してみてくださいね!
まとめ
フリーランスの手取りについてご紹介してきましたが、実際にフリーランスになったらどれくらいもらえるのか、なんとなく検討はつきましたか?
繰り返しお伝えしてきた通り、【年収〇円だと手取りは〇円】のように決まりがあるわけではなく、経費の額や1.2年前のお給料などによって変わってきます。
また、「フリーランスの手取りは、同額を稼ぐ会社員よりも少ない」というのは事実ですが、そこまで大きく変わりません。
むしろ、経費を使うことができるという強みがあるので、人によってはフリーランスの方が「自由に使えるお金が多い」こともありますよ。
今回お伝えしたのはあくまで目安ですが、フリーランスになる前に、ある程度の手取り目安がわかると安心しますよね。
さあ、あとは一歩踏み出すだけです!
フリーランスデビューを叶えて、あなたも「楽しい!」「幸せ!」と思える毎日を送ってくださいね。
質問や感想があればご記入ください