Illustrator®クリエイター能力認定試験とは？詳細を解説

Illustrator®クリエイター能力認定試験とは、Illustrator®に関する知識とスキルを証明する資格試験です。

イラストやデザイン関係の就職に有利な資格を探している人や、Illustrator®を使った仕事に活かしたいと考えている人に向いています。

そこで本記事では、Illustratorクリエイター能力認定試験に関する以下の情報をまとめました。

Illustrator®クリエイター能力認定試験を初めて知った人も、受験を決めている人もぜひ参考にしてください。

Illustrator®クリエイター能力認定試験とは？

Illustrator®クリエイター能力認定試験とは、デザインツールのIllustrator®に関する知識とスキルを認定する試験です。

Illustrator®とは、アメリカのソフトウェア会社Adobeが開発したデザインソフトのことで、以下のとおり豊富な機能があります。

Illustrator®クリエイター能力認定試験に合格することで基礎的な知識とスキルが身につき、複雑な機能を一定レベル以上で使いこなせることを示せます。

試験のレベルにはスタンダードとエキスパートの2種類あり、自分のレベルに合わせて選択できます。

実際の受験環境や学習時間の目安、難易度など気になる情報は次項でみていきましょう。

Illustrator®クリエイター能力認定試験の概要

Illustrator®クリエイター能力認定試験の概要を、以下の項目に沿って解説します。

一つずつ詳しく解説します。

試験日程と試験会場

Illustrator®クリエイター能力認定試験の試験日程は試験会場により変わり、認定試験会場と在宅・在社受験の2パターンがあります。

試験日程と試験会場

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験個人の方

※こちらのページにて試験会場の検索ができます。

2024年の公開試験は、1月と7月の日曜日に実施済みです。試験日程は公式ページにて確認してください。

出題範囲

Illustrator®クリエイター能力認定試験はスタンダードとエキスパートの2種類があり、出題範囲も異なります。

下表は、大分類ごとの問題の種類を個数であらわしたものです。

Illustrator®クリエイター能力認定試験の出題範囲

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験出題範囲

詳細は出典リンクからご確認ください。

出題形式

Illustrator®クリエイター能力認定試験の出題形式は、スタンダードとエキスパートで異なります。

スタンダードとエキスパートの出題形式による違い

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験概要

エキスパートは選択形式の知識問題が追加されており、Illustrator®およびDTP、Webデザインに関する問題が4〜6問程度出題されます。

スタンダードとエキスパートどちらも、第1部の実技ではDTPファイルおよびWEBデザインパーツの作成をするのに対し、第2部の実践ではひとつの作品制作が課題です。

試験時間

Illustrator®クリエイター能力認定試験の試験は2部構成で、スタンダードとエキスパートでは試験時間に違いがあります。

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験概要

スタンダードに比べてエキスパートは出題範囲が広いにも関わらず、試験時間が10分しか長くないためスピーディーに回答する必要があります。

受験環境

Illustrator®は以下の環境でのみ受験可能なので、受験前に必ず確認しましょう。

Windowsの場合

Mac OSの場合

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験概要

※Mac OS10.9~10.12は対象外

◯：使用可能

△：動作するが若干の問題あり

ー：対応不可・動作保証外

Illustrator®の各バージョンとOSの最新対応状況は、以下のリンクから確認をお願いします。

• Windows
• Mac

学習時間の目安

Illustrator®クリエイター能力認定試験の学習時間は初学者の場合、スタンダードなら20時間、エキスパートも含めるなら60時間が目安とされています。

スタンダードなら早くて1ヵ月以内、エキスパートなら2ヵ月程度かかるため、試験日程に余裕を持って学習計画を立てましょう。

申し込み方法

Illustrator®クリエイター能力認定試験の申し込みは、随時試験と公開試験で異なります。

随時試験と公開試験の申し込み手順

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験個人の方

※随時試験で受験する場合、試験IDは会場から伝えられます。公開試験の場合、試験IDはありません。

随時試験と公開試験の両方とも資格受付ONLINEへの登録は必須です。

難易度と合格率

Illustrator®クリエイター能力認定試験の合格率は以下のとおりです。

各年度の合格率

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験概要

2023年度の合格率は70.2%の結果から、難易度はそれほど高くないです。事前に対策をしっかりしていれば、未経験でも十分に合格が狙えます。

スタンダードとエキスパートの合格基準もみてみましょう。

スタンダードとエキスパートの合格基準

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験概要

エキスパートは知識問題が追加され、合格には実技問題と同じ得点率65%以上が求められます。スタンダードよりも難易度は高いため、事前の試験対策が重要です。

試験結果の通知方法

Illustrator®クリエイター能力認定試験の結果は、資格受付ONLINEのマイページ上で発表されます。

受験した日からおよそ1ヵ月後に合否通知メールが送信されるので、マイページへログインし合否結果を確認してください。

結果の有効期限

Illustrator®クリエイター能力認定試験に有効期限はなく、いちど取得すれば生涯有効です。

しかし資格を取得して満足するのではなく、合格後も知識やスキルをアップデートしていくようにしましょう。

受験料

Illustrator®クリエイター能力認定試験の受験料は、下表のとおりです。

出典：サーティファイ｜Illustrator®クリエイター能力認定試験概要

受験キャンセル期限・返金

Illustrator®クリエイター能力認定試験の受験をキャンセルする場合、申し込み締め切り前におこないましょう。

申し込み締め切り後にキャンセルすると返金してもらえないので注意が必要です。

キャンセル可否と返金

出典：ビジネス能力検定サーティファイ｜よくある質問

再試験の受験可否

Illustrator®クリエイター能力認定試験の再受験は可能です。再試験の申し込みは合否結果を確認できてからおこなってください。

Illustrator®クリエイター能力認定試験は意味がないって本当？

Illustratorクリエイター能力認定試験は、意味がない資格ではありません。

ただし、資格があるからといって絶対に就職できるわけではありません。たとえば即戦力が求められる中途採用では、資格よりも実績やポートフォリオが重視されます。

しかし、Illustrator®のソフトを使いこなす知識と一定レベルのスキルを持つことの証明になるため、同じ条件の就職・転職希望者であれば資格保有者が有利です。

参考に、WEB広告やDTP業界で現場の業務や採用担当をおこなっていた経験者の意見をまとめました。

出典：Illustratorクリエイター能力認定試験公式

以上の意見から、Illustratorクリエイター能力認定試験は意味がないことはなく、現場で役立つ基礎的な知識も身につき、業界では好印象を持たれていることがわかります。

Illustrator®クリエイター能力認定試験を受験するメリット

Illustrator®クリエイター能力認定試験を受験するメリットを3つまとめました。

それぞれのメリットを理解し、Illustrator®クリエイター能力認定試験を受験するか検討してみてください。

Illustrator®の基本的な知識やスキルが身につく

Illustrator®クリエイター能力認定試験には基本機能や操作への理解、データの入出力にいたるまで、デザインに必要な一連の流れが網羅されています。

Illustrator®の機能を使いこなし、実際に作品を提出するところまでが出題範囲のため、初めて触る人やほとんど使ったことがない人でも一通り経験できる内容です。

IT業界への就職や転職に有利になる可能性がある

Illustrator®クリエイター能力認定試験に合格すれば就職や転職に有利になる可能性があります。

ただし、資格はあくまでもきっかけと認識しておきましょう。即戦力を求める中途採用の場合は特に実績やポートフォリオが重視されます。

資格を取得して安心するのではなく、Illustrator®を駆使し制作スキルを磨く努力をしましょう。

昇給や資格手当をもらえる可能性がある

Illustrator®クリエイター能力認定試験に合格すれば昇給や資格手当をもらえる可能性があります。就業規則などを確認しましょう。

Illustrator®クリエイター能力認定試験を受けたほうがよい人

Illustrator®クリエイター能力認定試験を受けたほうがよい人は以下のとおりです。

それぞれみていきます。

基本的な知識やスキルを学びたい人

Illustrator®クリエイター能力認定試験を勉強すると、Illustrator®の基本的な知識やスキルが学べます。

すでにIllustrator®を使っている人なら、把握しきれてない機能と使い方を知り実務上で役立つでしょう。役立てるでしょう。

Illustrator®未経験・初心者なら、スキルと知識を0から効率よく学べます。

資格保有が必須な企業に就職・転職をしたい人

Illustrator®の資格保有者のみ応募できる企業に就職や転職したい人は試験を受けるべきです。

資格を保有していることが条件になっているため、応募資格を得るためには資格を取得するしかありません。

公開試験の場合は年に2回しか実施しないので、タイミングを逃したくないのであれば随時試験の受験をおすすめします。

Illustrator®クリエイター能力認定試験の勉強方法

Illustrator®クリエイター能力認定試験の勉強方法は、独学かスクールやセミナーに通う方法の2パターンがあります。

それぞれ解説いたします。

公式問題集や参考書を使いながら独学で勉強する

Illustrator®クリエイター能力認定試験の運営がおすすめしている公式問題集や参考書を活用し独学で勉強できます。

デジタル版と書籍版が選べるものもあり、自分に合ったテキストを選びましょう。

出典：Illustrator®クリエイター能力認定試験｜公式テキスト・問題集

参考書と問題集を使って繰り返し学習することで知識がより定着します。

問題集では受験プログラムのデータをダウンロードサイトから取得できるため、模擬試験としても活用可能です。

スクールやセミナーに通いながら勉強する

Illustrator®クリエイター能力認定試験の受験に向けて、スクールやセミナーの受講も可能です。

たとえばIllustrator®の公式セミナーは、ライフスタイルに合わせて3パターンの講座を展開しています。

Illustrator®基礎セミナー

出典：Illustrator®基礎セミナー

2日間でIllustrator®の基礎から応用までを網羅的に学べる講座です。独学に自信がない人は、短期集中型の講座で効率よく学べます。

Illustrator®クリエイター能力認定試験でよくある質問

Illustrator®クリエイター能力認定試験に関するよくある質問を以下の3つにまとめました。

一つずつみていきます。

過去問題はありますか？

Illustrator®クリエイター能力認定試験に過去問題はありません。公式問題集や参考書で繰り返し学習しましょう。

資格が活かせる業界や職種は？

Illustrator®クリエイター能力認定試験が活かせる業界は、出版・編集や印刷などのDTP業界、デザイン関係の職種です。

まったく異なる業界や職種でも、商品やサービスのチラシやホームページを作成する機会があれば役立ちます。

履歴書に記載できますか？

Illustrator®クリエイター能力認定試験の合格者は履歴書に記載できます。アピールできることは以下のとおりです。

ただしスタンダードのみ合格している場合は、DTP/WEBデザインの基本知識は出題範囲に含まれていません。スタンダードとエキスパート両方とも、Illustrator®の基礎は理解しており、一定レベルのスキルがあることは証明できます。

まとめ

Illustrator®クリエイター能力認定試験はスタンダードとエキスパートの2種類あり、Illustrator®の基本的なスキルと知識があることを証明できる資格試験です。

本記事では試験概要の日程や出題範囲、試験時間などの情報をお伝えし、勉強方法や試験のメリットなどを解説いたしました。

Illustrator®クリエイター能力認定試験合格率は7割と低くありませんが、十分な事前準備が必要です。試験までに余裕を持った学習計画を立て本番に挑みましょう。

試験に合格すると履歴書に記載ができ、出版・編集や印刷などのDTP業界、デザイン関係の職種に活かせます。

本記事が、llustrator®クリエイター能力認定試験に興味がある人の参考になれば幸いです。