WEBデザインの勉強を始めると、「バナー」という言葉が頻繁に耳に入ってきます。
初心者がWEBサイト全体のデザインをするとなるとハードルが高いので、小さなバナー制作から極めていくのがオススメです。
とはいえ、バナーの制作も決して簡単ではありません。
“それらしく”作ったところで、的が外れていれば制作物として価値のないものになってしまいます。
そもそも、バナーとは何なのでしょうか?
何となく「こういうものだろう」というイメージはあるかもしれませんね。
日頃たくさん目にしていても、バナーの目的やデザインの意図なんて、制作側の視点に立たないと分からないものです。
この記事では、バナーの役割や種類を理解し、バナー制作のルールに沿ってデザインができるよう、ポイントをまとめています。
作り方のステップと人の関心を引くデザイン、クリックされるバナーにするコツも解説していますので、ぜひ制作の参考にしてください。
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バナーとは?
「バナー」というと何が思い浮かびますか?
「のぼり」とか「横断幕」という意味もありますが、ここで取り上げるのはWEBページで見かけるバナーです。
ここではそのWEBバナーについて解説をしていきます。
WEBバナー
WEBサイトを閲覧していると、ページ内にテキストの入った四角い画像を見かけることがありますね。
【バナーの例】
意識して見てみると、WEBサイトのいろいろな箇所にこういった画像があることに気づくはずです。
特集やキャンペーンの告知など、WEBページに設置されたリンク付きの画像をWEBバナーと言います。
WEBバナーの役割
WEBバナーは看板のような役割は主に次の2つです。
- 知らせたい情報や商材の認知拡大
- 見てもらいたいページへの誘導
WEBサイトを訪れた人に案内を出して、「どうぞこちらへ」と誘っています。
街で見かける看板と同じく、告知したい情報や商材の存在を知らせるというもの。
必要としている人の目に留まれば、必ず関心を引くことができ。
街中の看板と比べるとWEBバナーははるかに多くの人の目に触れるチャンスがあります。
「こんなものがあるんだ」と認知されるだけで宣伝効果は抜群。
何度も目にしたり印象に残れば、「求人探しなら〇〇」、「水のトラブルなら△△」などと、必要になったときに思い出してもらえます。
クリック一つでリンク先のページが開く仕組みになっているので、見てもらいたいページへのスムーズな誘導もWEBバナーの大きな役割です。
「WEBバナー」用途別の使い分け
WEBバナーは用途によって2種類に分類できます。ここでは「サイトバナー」と「広告用バナー」について解説をしていきます。
サイトバナー
サイトバナーは自社が運営しているサイト内で、他ページへの移動をしやすくするために設置されています。
サイトを訪れた人が欲しい情報をすぐに探し当て、目的のページに最短のルートで辿りつけるよう誘導するのが目的です。
サイトバナーの例
大小さまざまなサイズがあり、それぞれ目立っていますね。
サイトバナーは自社サイトに設置するものなので、一般的な制作ルールに縛られることはありません。
制作を請け負う場合は、クライアントである企業のWEB担当者に規定の確認をしましょう。
広告用バナー
サイトバナーと区別されるのが広告用のバナー。バナー広告とも呼ばれます。
WEBサイトを見ていると広告の画像をよく目にするのではないでしょうか?
商品のPRと購入ページへの誘導が広告用バナーの目的です。ここではバナー広告について少し掘り下げていきます。
バナー広告と他の広告の違い
ネット広告はバナー広告以外にもさまざまあり、それぞれの違いがわかりにくいものがあります。
今回はバナー広告と、リスティング広告、ディスプレイ広告、レスポンシブ広告の違いをご紹介します。
リスティング広告との違い
バナー広告とリスティング広告で大きく違うのは表示方法です。
リスティング広告は主にテキスト形式の広告です。
たとえば、インターネットで「デザイン スクール」と調べたときに、「広告」あるいは「スポンサー」と表示されるものがリスティング広告です。
一方で、バナー広告は最初にもお伝えしたように画像や動画で表示される広告です。
一言でまとめると、リスティング広告とバナー広告の違いは、テキストのみか画像や動画で表示するかの違いということですね。
ディスプレイ広告との違い
ディスプレイ広告とバナー広告の違いは何かというと、実は目立った違いはありません。
ディスプレイ広告は広告枠に表示される画像広告、動画広告、テキスト広告全般のことをさします。
つまり、ディスプレイ広告の一部がバナー広告ということです。
調べたキーワードと直接関係のあるコンテンツに関する広告も表示できるのがディスプレイ広告なのです。
動画広告との違い
動画広告とバナー広告の違いは、動画に特化しているかどうかです。
これまで、バナー広告は画像や動画を用いるとお伝えしました。
バナー広告は静止画あるいはGIF(矢印が動いたり文字を強調する記号を付けたりする機能)を使ったもののみを指す場合と、動画を含む場合もあります。
静止画とGIFだけを指す場合と区別する際に、動画を使うものは動画広告と示すことが多いです。
レスポンシブ広告との違い
レスポンシブ広告とは、携帯やパソコンなどの媒体や、広告枠に合わせて表示形式やフォーマットが自動で調整される広告のことです。
レスポンシブ広告もディスプレイ広告の一部ですが、広告として表示されるときは仕組みがバナー広告と異なります。
バナー広告と違い、レスポンシブ広告は広告枠の大きさに合わせて自動で広告のサイズやレイアウトを変更できます。
広告出稿に必要なテキストや画像を設定すれば、システムによって自動で広告サイズを変更されます。
スマホ版、パソコン版など表示される場所ごとに画像を制作しないといけないため手間がかかりますが、見る媒体に合わせて適切に表示されるので期待した成果が出やすくなります。
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バナー広告のメリットとデメリット
他の広告との違いをお伝えしたところで、次にバナー広告を運用するメリットとデメリットをお伝えします。
メリットとデメリット両方を理解して制作することで、効果的なバナー作成や出稿ができるようになりますよ。
メリット
まずはバナー広告のメリットからお伝えします。
購入意欲を掻き立てやすい
1つ目は購入意欲を掻き立てやすいことであり、これがバナー広告を使う最大のメリットです。
同じ商品・サービスで同じ説明をされたとき、
- テキストだけの場合
- 商品・サービスの画像や使っている様子がわかる場合
ではどちらの方が興味を持ちますか。
おそらく、商品・サービスの使用感がわかる方が興味を持てるのではないでしょうか。
バナー広告では、伝えたいメッセージや商品のコンセプト、イメージできる画像を入れられるためユーザーに訴求しやすくなります。
また、見たときに目を惹くようなバナーを作成すればブランディング(会社のイメージをつけること)にも活用できます。
一方でテキストのみで作られた広告の場合は、ユーザーがテキストを読んでイメージができなければ、興味を持ってもらうこともできません。
バナー広告であれば、視覚的に興味関心を持ってもらい、クリックしてもらえるため成果が出やすいのです。
潜在顧客を掘り起こせる
バナー広告では自社の商品やサービスに興味を持っていない人、そもそも知らない人にもアプローチができます。
たとえば、Yahoo!のトップページに表示されたバナー広告の商品・サービスは元々は知らなかったかもしれませんが、その広告をきっかけに興味を持つこともありますよね。
商品・サービスをどのように知ってもらえばよいのかわからない、というときにもバナー広告は有効なのです。
また、自社の商品・サービスのターゲットを絞るのにも有効です。
どのターゲットに絞ればよいかわからないとき同じ場所に掲載し、クリックあるいは購入する属性が定まってくれば、ターゲットを絞ることもできるため潜在層へのアプローチ全般に有効といえます。
たとえば、ターゲットを絞らずにGoogleに広告を配信したときクリックする属性が20〜30代女性が多いのであれば、20〜30代女性をメインターゲットとしておくこともできるのです。
信頼性や認知度を高められる
バナー広告はブランディング効果も期待できます。
Yahoo!などの多くのユーザーが知っているWEBメディアに、自社のロゴや会社名を載せた広告を配信すれば、そのバナーをみたユーザーは会社の名前を目にします。
その結果、バナー広告の情報を認知して会社の商品・サービスを知るユーザーが増えるのです。
認知する人が増える分、何か問題を起こせば多くのユーザーから不信感を買い、悪い意味で認知されてしまいます。
そのリスクを踏まえたうえで広告出稿をしているということでもあるため、信頼性も高められます。
デメリット
続いて、バナー広告を運用するデメリットをお伝えします。
バナー制作の手間がかかる
画像や動画を使うバナー広告では、時間がかかるのがデメリットです。
リスティング広告のように、テキストだけであればすぐに出稿できますが、画像や動画を作るとなると何時間、ものによっては1週間かかる場合があります。
運用してからもコンバージョン(購入してもらったりサービスを利用してもらったりすること)につながるように広告を改善するためのテストを繰り返したり、効果を計測して細かな調整をおこなったりする必要があります。
効果を測るのに手間がかかる
バナー広告は、出稿した広告の反応を計測するのに工数がかかります。
制作したバナーのクリック数やコンバージョン数などの効果測定をするためには専用のツールを用います。
ツールを使うとき、広告や飛び先のページに計測用のタグを設定をして、それがしっかり動作しているか確認し、うまく動いていれば定期的に数値を確認します。
こうした設定や確認に時間を費やすため、効果測定に工数がかかるのです。
成果が安定して出しにくい成約率が低いことがある
バナー広告はデザイン次第で成果が大きく変わります。
目を惹くバナーであればクリック率が高くなり、クリック率が上がることでコンバージョン率(クリックした人のうち購入、サービスを利用をした人の割合)が高くなりますが、目を惹けないものだと成果が出にくくなります。
どのようなバナーがよいのかは試してみないとわからないことも多く、同じデザイナーが作ってもすぐに成果につながる場合と成果がなかなか出ない場合もあるので、バナー広告の運用は難しいのです。
バナー広告の出稿
先ほどバナー広告と他の広告の違いをお伝えしましたが、実はバナー広告のなかにも運用方法や掲載場所の違いがあるのです。
その違いを押さえずにバナー作成や運用をすると、期待した成果があげられないこともあるので必ず確認してくださいね。
運用方法
1つ目の観点は運用方法です。
大きく分けて2種類の運用方法があるのでそれらについてご紹介します。
純広告
純広告型とは、WEBサイトやアプリ上の広告枠を買い取って表示する方法です。
特徴は、そのページやアプリ画面にアクセスした全ユーザーに向けて表示されること。
このあとご紹介する運用型広告と違い、広告枠を買い取る形なので決まった期間は掲載し続けられます。
それによって、安定的に認知拡大や商品・サービス購入に促せる点がメリットです。
運用型広告
もう1つは運用型広告です。
これはバナーや入札額(その広告に対してどれくらいお金をかけるか)をどのようなターゲットに配信するのかをリアルタイムで確認して、変更や改善をする運用方法です。
成果が出なければ止めたり、好きなタイミングで次の広告を出稿したり、訪問者の属性や興味関心に合わせて調整ができたりすることがメリットです。
掲載場所
バナー広告はさまざまなサイトやアプリに表示されます。
掲載場所によっても効果が変わるため注意が必要です。
Google広告はトップページやgmail、YoutubeなどGoogleに関連のあるサイトから、Googleのパートナーサイトなど多岐にわたります。
また、Googleは利用者が多いため、ある程度細かいターゲティング設定をおこなうことで狙いたいターゲットに配信し、期待した成果を上げることができます。
Yahoo!
Yahoo広告もYahoo!天気やyahoo!ニュースなどのYahoo! JAPANの主要サイトから、Yahoo! JAPANの提携パートナー企業のサイトまで幅広く配信されます。
Googleと同様に利用者が多いため、ターゲット設定を適切にできれば自社が狙う層に配信ができて成果を出すことができます。
SNS
SNS広告はFacebook広告やTwitter広告、LINE広告など頻繁に利用するアプリや各媒体と提携するアプリに表示されます。
アプリによって、使う年齢層などの属性が異なるため、自社が狙うターゲットが使用するアプリに配信しているかどうかで成果が大きく変わるといえます。
バナー広告の費用形態
続いて、バナー広告出稿にかかる費用についてご紹介します。
お金をかけて配信する分、少しでもコストを抑えてできるだけ高い成果をあげたいですよね。
課金方法(お金のかけ方)によって成果や費用対効果も変わるので、確認したうえで準備をしてくださいね。
クリック課金方式
1つ目は、バナー広告がクリックされると料金が発生する方法です。
どれくらいクリックが必要なのかなどクリック数によって広告費が決まります。
また、クリック単価(1回クリックされるのにかかる料金)は業界やターゲットによって異なる点に注意が必要です。
クリックされるということは興味を持たれているということなので、広告費用と成果が比例しやすいといえます。
インプレッション課金方式
インプレッション課金はバナー広告が表示されると料金が発生する方式です。
ユーザーのアクションは関係ない料金形態なので設定しやすいですが、費用を抑えようとしすぎるとあまり配信されない可能性があります。
そもそも配信されないと成果も上げにくいため、どの程度費用をかけるかは業界平均などを見たり、実際の動きを定期的に確認したりして変化させる必要もあります。
成果報酬方式
成果報酬方式は、バナー広告がクリックされ、コンバージョンしたときに料金が発生する方式です。
クリック課金と違い、コンバージョンまでしなければ費用が発生しないため費用が抑えやすいです。
月額保証方式
月額保証方式、あるいは期間保証型は固定の月額料金を支払う方式です。
料金は想定されるバナー広告の表示回数と、固定表示単価を元に決められることが多いです。
成果につながってもつながらなくても費用がかかるため、成果がたくさん出た場合は費用対効果がよいですが、あまり成果が出なかった場合は費用対効果が悪くなる点に注意しましょう。
バナー制作に活用できるツール
バナーは何を使って制作すればいいのでしょうか?
ここではバナー制作に使えるツールについて紹介していきます。
Photoshop・Illustrator
WEBデザインに関心のある人にとってはすでに馴染みのあるツールかもしれませんね。
Photoshop・IllustratorはAdobe社のデザインツール。
WEBデザイナーがバナー制作する際はこれらを使用するのが一般的です。
プロ仕様の高機能なデザインツールであるため、初心者には扱いが難しい面があるのも事実。
ただ、将来的にWEBデザインを仕事にしたいと考えている人は迷わずこれらのツールを選びましょう。
2つのツールを使いこなすとなるとハードルが高いかもしれませんが、まずはPhotoshopを使えるようになればバナー制作はできます。
そのうえ、Photoshopの全ての機能を使いこなす必要もありません。自分に必要な機能だけを極めていくほうが習得は圧倒的に速く効率的です。
Photoshopだけでも十分プロの仕事ができますので、あまり身構えずに始めてみましょう。
初心者向け無料ツール
「デザインの知識や技術なしで簡単にバナーを作りたい」という人には初心者向けのバナー作成ツールやアプリの利用がオススメです。
プロが作ったテンプレートが豊富に揃っているツールを使えば、デザインが苦手でも簡単にバナーが作成できてしまいます。有料のものもありますが、まずは無料のもので試してみるといいでしょう。
オススメ無料ツール
テンプレートや無料素材、写真やイラストを使って簡単に作成。自分で素材をアップロードしてカスタマイズも可能。(WEB版とアプリ版に対応)
Adobeが提供する無料デザインツール。高品質のテンプレートを選択して文字を編集するだけの簡単ステップ。(WEB版とアプリ版に対応)
PowerPoint・Excel
デザインツールを使ったことがない人でも、Microsoft OfficeのPowerPointやExcelなら使い慣れているかもしれませんね。実はPowerPointやExcelでも、ごくシンプルなバナーなら作成できます。
PowerPointなら、スライドのサイズを作成したいバナーのサイズに変更し、テキストや画像を挿入してレイアウトしていくだけです。
必要な素材や文字の配置が完了したら、JPEGかPNG形式で画像ファイルを保存しましょう。
Excelなら、使いたい画像を挿入してその上にバナーサイズの四角形を重ね、テキストボックスで文字を挿入します。
余分な箇所をトリミングしたらサイズ調整をしてクリップボードにコピーすればOKです。
画像ファイルにするならWindows標準ツールの「ペイント」に画像を貼り付けて、JPEGかPNG形式で保存すれば完了です。
何から手を付ける?バナー制作5つのステップ
いざ制作しようと思っても、情報が整理できていないと手を動かせません。
何から手を付ければいいのか、バナー制作の方法をステップを追って見ていきましょう。
Step1.ターゲット層を理解してアピールポイントを整理する
ターゲット像が曖昧だと広告の成功は見込めません。
上手くターゲット設定できていないとメッセージ性が弱くなり、誰の心にも刺さらない広告になってしまいます。
「誰に届けたいメッセージか」ということが重要で、それによってキャッチコピーやデザインの方向性が定まるので、ここを疎かにはできません。
依頼主へのヒアリングを抜かりなくおこないましょう。
ひとつの商品でもいろいろな特性があるので、ターゲットにとってのベネフィット(顧客が商品から得る利益やプラスの効果)、商品のアピールポイントを整理しておきます。
この時点で徹底的にターゲットの目線に立っておくと、デザインの方向性がブレることはありません。
自分でターゲット設定をする必要がある場合は、どんな人が見込み客になり得るかをイメージしてみましょう。
扱う商品が、その人の「問題解決」になるかを考えるのが重要です。
Step2.デザインのラフ案を描きだしてみる
ラフ案を描いてイメージを具体化していきます。ここでの目的は完成イメージを持つこと。本格的な作成に入る前に揃えるべき素材が分かります。
ラフ案はプロでも手描きする人が多いようです。
時間をかけずにアイディアを紙の上に起こしてみましょう。
手書きなら修正も楽ですし、コメントを書き添えておくこともできます。
実際に描いてみると、イメージと違うと感じることも少なくありません。
「思ったよりバランスが悪かった」、「文字数が多かった」など、頭の中で描いていただけでは分からなかった気づきが得られるはずです。
文字や画像の配置を変えて何パターンか作成し比較してみましょう。
Step3.バナーに配置する素材を揃える
バナーに配置する素材を全て揃えます。料理でいう食材調達の段階です。
調理しながらひとつひとつ食材を探しに出かける人はいませんよね。
本格的な制作に入ったときには、素材のレイアウトだけに注力できるよう下準備をしておきましょう。
バナーに配置する要素は、メインキャッチコピー、サブコピー、メイン画像、ロゴ、アイコン、ボタン画像など。手元にない素材は集めてこなければなりません。
素材を使用する際には著作権に抵触しないか十分な注意が必要です。
Step4.デザインツールを使って素材をレイアウトする
いよいよ本格的な制作に取り掛かります。デザインツールを使って文字と画像をレイアウトしていきましょう。
メイン画像と文字を分割して配置するのか、重ねて配置するのかで印象は変わりますし、画像と文字が占める割合によっても見た目が大きく変わります。
あえて余白を多く取り入れるのも商材によっては効果的です。
文字のフォントや行間・字間も調整しましょう。可読性(読みやすさ)が最優先です。
バナー自体がCTAボタン(資料請求や問い合わせなどのボタン)の場合もありますが、バナーの中にボタンを設置することもあります。このボタンの位置によって、バナーの成果が大きく左右されるといっても過言ではありません。
人は視線を左から右に「Z」を描くように動かすという特性があります。
そのため、CTAボタンを右下に設置するのが比較的多い手法です。
Step5.配色をして全体を整える
文字や装飾部分にも配色し、全体のトーンを整えていきます。
メイン画像に写真を使っている場合は、その写真の色味に合わせるようにしましょう。
異なる色を多用するとごちゃごちゃした印象を与えてしまいます。
文字は読みやすさを考えた配色に。
CTAボタンや商品の金額、期限などの重要な要素が目立つ配色にすると効果的です。
色にはそれぞれイメージがあります。
赤なら情熱や温かさ、青なら冷静やクールさなど、色彩の特徴を踏まえた配色を考えましょう。
バナーをクリックした先のサイトとのデザインの一貫性(トーン&マナー)も意識しなければなりません。
ブランドイメージと異なるバナーにしてしまうと、リンク先の商品紹介サイトや企業サイトを訪れたユーザーを戸惑わせてしまいます。
商業用のデザインをするときには、色使いにも目的とルールがあることを覚えておきましょう。
デザインのルールについてもっと知りたい!という人はこちらの書籍がオススメです!
目に留まる&クリックされるバナーにする3つのポイント
バナーは人々の目に留まれば認知拡大の役割を果たし、クリックされれば成果が生まれます。
より多くの人に注目してもらい、クリックしてもらうにはどんな工夫が必要なのでしょうか。以下の秘訣を見ていきましょう。
Point1.情報量を絞って単純明快にする
バナーデザインのポイントは「単純明快」であることです。
バナーの目的(認知拡大/成約/ブランディングなど)を明確にし、ターゲット像を具体的に設定したあとは、伝えるべき情報を取捨選択することが大事です。
あれもこれも伝えようとすると、情報が散漫になり読みにくくなってしまいます。
スペースが限られていますので、最も重要な情報(価格/機能・効能/品質など)に絞りましょう。
文字数についても注意が必要です。人間が一瞬で認識できる文字数は13文字程度。
ネットニュースの見出しも約13文字に統一されています。キャッチコピーにも取り入れ、パッと見て読める文字数におさめましょう。
目に入っても素通りされないバナーにするために、次の3つを心がけて制作しましょう。
- 伝えたいことが明確
- 端的で分かりやすい
- 一瞬でターゲットの興味を引く
の3点を心がけて制作しましょう。
Point2.ターゲットや広告の配信先ごとにデザインを変える
ターゲットが変わればデザインや商品のアピールポイントも変わります。
たとえば、20代女性向けのバナーなら可愛らしくポップなデザイン。
華奢なフォントに感性を刺激するキャッチコピーが共感を呼びます。
一方30代の男性ビジネスマン向けのバナーはどうでしょうか。
華やかな色使いや感情的なコピーが相応しいとは思えません。
すっきりとした配色にロジカルなメッセージなら関心を引くことができそうです。
ターゲットとなる人の年齢・性別・職業やライフステージによって商品のアピールポイントが異なるので、当然デザインも変えなければなりません。
また、広告の配信先によってもデザインの雰囲気を変える必要があります。
SNSは種類によって利用者の年齢層が異なるのも興味深いところです。
30代の利用者が最も多く、次いで多いのが40代。セミナーや不動産、投資、求人など、カチっとした雰囲気の広告が目立ちます。
利用者のうち最も多いのは10代・20代。お店やアパレル、美容系ECサイトの広告がよく見られます。おしゃれを意識したデザインが多いのもInstagramの特徴。
20代の利用者が多く、新商品や期間限定のサービス、セミナー集客などの広告がよく出稿されているようです。
LINE
全ての年齢層において利用者が多く、全年代で利用率が90%を超えています。
TikTok
利用者は圧倒的に10代。
そうなると、FacebookとTickTokに出稿するバナーのデザインが同じではおかしいですね。
SNSにはそれぞれ独自の雰囲気がありますので、配信先のトーン&マナーに合わせて、作成する必要があります。
参考:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書
Point3.分析と改善をくり返す
バナー広告は配信される頻度が高いほど多くの人の目に触れますが、その分デザイン自体も消耗していきます。
数日〜数週間という短いスパンでデザインの改善や変更をすることは珍しくありません。
正しく改善や変更がおこなわれるためにも、細やかな分析が必要です。
自分で広告運用をしないのであれば、運用担当者に分析結果を共有してもらうようにしましょう。
クリック率、コンバージョン率など、目標にすべき数値を聞いておく必要もあります。
自分の制作したバナーがきちんと成果を出しているのか、数値での進捗確認はデザイン改善のために大事なことです。
成果を出しているクリエイティブはどんな特徴があるのか、何がターゲット層に受けているのか、それらを分析し、改善や新しいバナー制作の参考にします。
デザインの一部を微調整するだけで成果が変わることがあるので、メイン素材のサイズを少し変更してみたり、色味を微調整してみたり、フォントを変えてみるなど、運用しながら分析と改善をくり返していきましょう。
バナー制作から「人を魅了するデザイン」を始める!
バナー広告を中心に、WEBバナーについて解説をしてきました。
「バナーって何?」というところから、イメージが少し具体的になってきたでしょうか?
役割や目的に沿ったデザインや制作をすれば、相応の反応が返ってくるのがバナーの面白いところです。
ここまでの内容をおさらいしておきましょう。
WEBバナーは2種類。
- サイトバナー:自社サイト内でのスムーズなページ移動が目的
- 広告用バナー:商品やサービスの「認知拡大」と「コンバージョン獲得」が目的
バナー広告はディスプレイ広告のひとつで、掲載場所はインターネット上の広告枠です。
主な掲載先は以下の3つ。
- GDN(Google ディスプレイネットワーク)の提携サイト
- YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)の提携サイト
- SNS(Facebook/Instagram/Twitter/LINEなど)
広告の運用スタイルには「予約型」と「運用型」があり、費用形態は次のとおりです。
- 期間保証方式(予約型)
- インプレッション課金方式(運用型)
- クリック課金方式(運用型)
- 成果報酬方式(アフィリエイトなど)
バナー広告は規定サイズに沿って制作する必要があります。
- GDNやYDAで使用され、最も汎用性の高いサイズは300 × 250
- SNS広告は1,280×670、1,200×1,200を準備しておくと良い
バナー制作に活用できるツールは以下のとおりです。
- Photoshop・Illustrator(Photoshopだけでも制作可能)
- 初心者向け無料ツール(CanvaやAdobe Expressのテンプレートが便利)
- PowerPoint・Excel(デザインツールを使わず、簡単なものを作りたいとき)
バナー制作5つのステップを振り返っておきましょう。
- ターゲット層を理解してアピールポイントを整理する
ターゲットの目線に立って、ベネフィットを整理しておく - デザインのラフ案を描きだす
手書きで完成イメージを可視化する。担当者とイメージを共有 - バナーに配置する素材を揃える
フリー素材は著作権に抵触しないよう注意する - デザインツールを使って素材をレイアウトする
視線の動きの特性を意識して素材を配置する - 配色をして全体を整える
リンク先のサイトとのトーン&マナーを意識。色の持つイメージを活かして配色
目に留まって、さらにクリックされるバナーを作るポイントは3つ。
- 情報量を絞って単純明快にする
最も伝えたいことに絞り、文字数は13文字程度にする - ターゲットや広告の配信先ごとにデザインを変える
配信先媒体の雰囲気に合わせる - 分析と改善をくり返す
広告運用の成果を確認。分析結果を改善に活かす
自分が制作したバナーが誰かの心を動かして成果を生んだら、こんなに嬉しいことはありませんよね。バナー制作から人を魅了するWEBデザインを始めてみませんか?
参考記事:Webバナーの外注〜効果的なデザイン | ASOBOAD
参考記事:リスティング広告運用代行 おすすめ業者37選 【2024年10月最新版】
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