新年度が始まって間もない時期、仕事の個人目標を設定するように指示されて、「どうしよう、何を書けばよいのか思いつかない……」と焦ったことはありませんか?
特に、入社したばかりや異動したばかりだと担当職務も把握しきれていないため、まったく見当がつかなくて呆然としてしまいますよね。
また、毎年のことで慣れている人でも、ただなんとなく同じようなことを書いていて、「面倒なだけで一体なんの役に立っているのかわからない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
実は、目標設定にはたくさんのメリットがあり、世界中の多くの企業で取り入れられています。
ただ、あまりよく考えずに設定すると、そのメリットを得にくいだけでなく逆効果になってしまうのも事実です。
しかし、ご安心ください!
ちょっとした書き方のコツを知るだけで、目標設定で悩む必要がなくなり、たくさんのメリットを感じられるようになりますよ。
この記事では、目標達成の意義とメリットを解説したあと、書き方のコツやわかりやすい職種別の例文をご紹介します。
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仕事における目標設定とはなにか
目標設定とは、「目的」を達成するために必要な「目標」を立てることです。
どうなりたいか、何を達成したいかというゴールを設定するだけでなく、目標達成するまでにどのような行動をしていけばいいのかなども細かく設定していきます。
「目標」と「目的」の違い
「目標」と「目的」は似ている言葉なので、同じような意味として使っている人も多いと思います。
しかし、「目標」と「目的」の意味は同じではないのです。
<目標と目的の違い>
目的 | 最終的に達成したいこと=ゴール |
目標 | 目的を達成するために必要な手段 |
目的はゴール、目標はゴールまでの指針。
そのため「目的設定」であれば目指すゴールだけ決めれば良いですが、「目標設定」ではゴール+ゴールに到達するためにするべき手段まで考えていく必要があります。
目標設定=ゴールを設定する「だけ」では意味がないので、間違えないようにしてくださいね。
目標が見つからないときには
仕事で目標設定をしてほしいと言われることは少なくありません。
しかし、「目標が見つからないので目標設定ができない…」と悩んでいる人も居ると思います。
目標設定をしなければいけないのに目標が見つからないときには、自社が掲げる最終的な目的から逆算して考えていきましょう。
仕事で目標設定を課される場合、当然のことですが、プライベートに関する目標ではなく仕事における目標設定をしなければいけません。
そこで、まず自社が掲げる最終的な目標を把握するのです。
- 自社の最終目的を把握する
- 自分が所属する部署の目標を把握する
- 同僚や部下の目標を把握する
- 自分の目標を設定する
自社が最終的に掲げる目的を達成するために、各部署それぞれ目標設定がされているはずです。
そこから、自分が今すべき目標設定を洗い出していきます。
自社や所属部署だけでなく、部下がいる場合は部下の目標の上に自分の目標が位置するように考えていくことも忘れてはなりません。
目標設定がしにくい部署であったり、自分が今何を目標とすべきか分からないという人は上記の手順のように逆算して目標設定を行っていきましょう。
定量目標と定性目標を分けよう
目標を設定するフレームをご紹介しましたが、ここで注意が必要なのは目標には「定量目標」と「定性目標」の2つがあること。
それぞれの違いを理解しておくことで、設定しやすくなるのでフレームを使って目標を考える前に整理しておきましょう。
定量目標は、「成約率70%を達成する」「顧客満足度を前月比10%アップする」「月20本記事を書く」など、数値で測れるもので行動目標とも呼ばれます。
定量目標は誰がみても達成したかどうかが一目でわかり、効果測定がしやすいのが特徴です。先ほどのSMARTの型は定量目標であり、仕事で目標を立てるとなったら定量目標を立てることを指します。
定量目標は、「成約率70%を達成する」「顧客満足度を前月比10%アップする」「月20本記事を書く」など、数値で測れるもので行動目標とも呼ばれます。
定量目標は誰がみても達成したかどうかが一目でわかり、効果測定がしやすいのが特徴です。先ほどのSMARTの型は定量目標であり、仕事で目標を立てるとなったら定量目標を立てることを指します。
他人から見たときは定性目標は達成度合いが見えづらいですが、個人のモチベーションや定量目標を達成するために定性目標も考えてみましょう。
仕事の目標が思いつかない理由
多くの社会人が目標に悩んでしまう理由をご紹介しようと思います。今回お伝えする目標設定の方法を使えば、目標を見つけられるかもしれませんが、目標に悩む理由を理解したうえで活用すればより効果的です。
ここから目標設定に悩む理由をご紹介するのですが、そもそも目標をうまく立てられない、思いつかないのは当たり前だと私は思います。
なぜなら、これという目標を持って入社や転職した人は少ないため、会社のビジョンと自分をうまく繋げられないからです。もし、あなたが今目標が思いつかず悩んでいるのだとしたら、これから紹介するどれかに当てはまるのではないかと思います。
今の仕事にやりがいを感じないから
やりがいがないと目標を見つけるのは難しいですよね。
仕事にやりがいを感じられれば、やりたいことや達成したいことは自然と見つかりますが、やりがいがないと目の前の仕事をこなすのがやっとになってしまうことも多いはず。特に以下のような理由でやりがいがなくなっている方は多くいます。
- 毎日同じ作業の繰り返しになっている
- 自分の仕事の役割がいまいちわからない
- なんとなく就職や転職をして目標がない
- 会社のビジョンと自分の目標とのギャップがあるから
もし、仕事にやりがいを感じていないことが目標が立てられない理由になっている場合、今まで振り返ってみてやりがいを感じたものも思い出すの1つの手です。
たとえば、部活や勉強、趣味などで時間を忘れるほど熱中したものは何にやりがいを感じ、夢中になれたのか、それを仕事の中に見出すと仕事へのやりがいを見つけられるかもしれませんよ。
現状維持を望んでいるから
給与や生活水準に満足しているとそれ以上を求めなくてもいいやと、現状維持を望むようになります。
その状態になると、わざわざ目標を立てる必要も感じなくなりますよね。
もっと給与が欲しい、ミシュランに載っているお店に行ってみたい、もっと大きな家に住みたいなど仕事を頑張るモチベーションがあれば目標を立てる意欲も出ますが、そうでなければ今の生活を失わないように最低限頑張ればとなり、目標を決めなければならない状況でもなかなか思いつかずに手が止まってしまうのです。
達成できなかったら恥ずかしいから
目標を立てようと思っても、「もしうまくいかなかったらどうしよう」「達成できなかったら恥ずかしい」のように、失敗した時のリスクを考えて目標を立てることを避けてしまうこともあります。
以前の私もそうでしたが、この思考に陥るのは目標を達成した経験が少ないことも1つの原因です。
社会人になるまでは目標の設定方法や見つけ方を習う機会はほとんどなく、設定方法がわからない人も多いはず。
その結果、高すぎる目標を立ててしまい達成できない、達成できないから目標を設定することへの苦手意識が生まれ、その結果として目標が思いつかなくなるという悪循環に陥っている方も少なくないと思います。
将来のキャリアのイメージがつかないから
仕事や人生で自分自身のなりたい姿がイメージできていないと仕事での目標を見つけるのは難しいかもしれません。
仕事は人生の大半を占めるものなので、どのような人生を歩みたいかが決まっていないと、仕事の目標も見つけづらくなってしまうのですが、そもそもキャリアについて考えるのは難しいですよね。
まずは、今の仕事や自分の立ち位置を考えるところから始めてみてください。
そのうえで、〇年後にはこういう仕事をしていたい、結婚したいなどでも大丈夫なので、考えてみるとキャリアのイメージが少しは見えてくるかもしれません。
仕事の目標設定で得られる6つのメリット
仕事や勉強など様々なシーンにおいて、目標設定にはいくつもメリットがあります。
しかし、目標設定はするべきだと言われても、具体的に何が重要でどんなメリットがあるのかイマイチ掴みきれていない人もいるでしょう。
リターンがあるかわからないまま、目標設定をするのは苦痛ですよね。ですので、ここでは目標設定で得られるメリットをお伝えしまう。目標設定で得られるメリットは次の6つです。
- 進捗状況を把握・管理しやすくなる
- 効率よく成果につながる
- 達成感を味わえる
- モチベーションを保てる
- 自信がつく
- 考える力が身につく
なぜこの6つのメリットを得られるか詳しく解説していきます。
進捗状況を把握・管理しやすい
目標設定すると、目的達成までにおこなうべき具体的な行動内容が明確になります。
そのため、自分の行動の方向性や進捗スピードがわかりやすく、もしずれてしまった場合でも、早いうちから軌道修正したり遅れを回復したりできます。
また、社員を管理する立場から見ても、社員の評価や指導がしやすくなったり部署や会社全体としての運営がスムーズになったりします。
さらに、設定した目標と実績を比較することで失敗の原因や改善点を検討できるため、業績アップにつなげやすくなるでしょう。
効率よく成果につながる
例えば「初めての場所に行く」という目的があった場合、何も考えずなんとなく出発したら、遠回りしてしまったり最適な交通機関を利用できなかったりして、時間や費用が余計にかかったり目的地に到着できなかったりしますよね。
しかし、「前日に持ち物を準備する」「到着予定時刻に間に合うよう◯時に出発する」「効率のよいルートや交通機関を調べて利用する」といった目標を立てて一つひとつクリアしていけば、スムーズに目的地に到着できます。
仕事の目的達成においても同じように、目標設定して一つひとつ着実に実行することで効率よく目的達成できるのです。
達成感を味わえる
「目的」は最終的に目指すところなので、多くの場合、簡単に達成できるものではなく達成するまでに時間もかかります。
そのため、なかなか達成できず挫折感が生まれやすくなるでしょう。
しかし、目標設定すれば目標をクリアするたびに達成感を味わえます。
一つひとつの目標が小さかったり簡単な内容だったりしても、達成感を多く味わうことで満足感が増し気持ちが前向きになります。
モチベーションを保てる
目的に向かって進み始めた当初はやる気に満ちて「よしがんばろう!」と思っていることが多いと思います。
しかし、あとどのくらいがんばればよいのかわからないまま走り続けていると、疲れてきて士気も低くなってしまいますよね。
ただ目的達成だけを目指しているとそのようになってしまいがちなのです。
目標設定すると、今現在どの段階の作業をしているかがはっきりとわかり、あと何をどのくらい努力すれば目的達成となるか予測できます。
また、一様にがんばり続けるだけでなく、いったん休憩するなどのメリハリもつけやすくなります。
そのため、目的達成までモチベーションや推進力を維持しやすくなるのです。
自信がつく
「目的」はすぐに達成できない大規模なものが多いため、一つひとつのがんばりが、すぐに目に見えた成果に表れにくい傾向があります。
そのため、自分の行動が目的達成のために役立っていることを実感できず、不安になったり自分に自信が持てなくなったりしてしまいがちです。
しかし目標設定すると、目標をクリアすることで目的達成に近づいていることを確認できます。
併せて、自分の行動が確実に目的達成につながっていると実感できるため自信がついてくるのです。
考える力が身につく
目標を見つけられると、優先的に取り組む業務や課題を見つけ出すことができます。
仕事をしていると、複数の業務を同時に渡されたり、同時に複数業務が発生したりするのは避けられません。
そのときに、目標を定めていればそのために優先的に取り組む業務は何か考える軸を持って判断できます。
それぞれの業務はいつまでに終わらせなければならないのか、チーム全体にとって最も重要な課題はどれかなどを考えながら優先順位を決定できるので、目標設定は重要なのです。
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仕事の目標が思いつかないときにやるべき5つのステップ
目標設定のメリットをお伝えしたところで、実際に目標設定をどのように設定し書き進めていけばいいのかをご紹介していきます。
目標設定は次の4ステップでしていきます。
- 達成すべき最終目的を確認する
- 目的達成に必要な目標を洗い出す
- 洗い出した目標に優先順位をつけて整理する
- 目標に対して数値目標と行動目標を立てる
目標設定は、おおきく4つの手順に沿って進めていけば誰でも書くことができます。
それぞれどんなことを考え、何をしていけば目標設定ができるのか詳しく見ていきましょう。
ステップ1 達成すべき最終目的を確認する
目標を適切に設定するには、最終的に目指す姿である「目的」をしっかりと認識することが重要です。
的外れな目標設定をしてしまうと、いくらがんばっても目的達成に至らないためです。
企業であれば、その会社の経営理念を確認します。
経営理念とは、企業の活動方針や最終的に目指す理想像を文章化したものです。
例えば「経営の効率化により企業価値の向上と長期的かつ安定的な成長を図り、人と地球環境に優しい持続可能で豊かな社会の実現に貢献します」といったものです。大抵は会社のホームページやパンフレット・経営計画書などで確認できますよ。
もしも経営理念という形をとっていない場合は、会社の目指す理想像について上司に確認してみましょう。
自分のキャリアプランも考えてみよう!
長期的なキャリアプランを考えて、そこから今の仕事を通じて伸ばしたいスキルを具体的にしてみましょう。キャリアプランを立てることで何を目指すのか、どのような働き方をしたいのかが明確になります。
そこから今の仕事でどのようなスキルを磨きたいのかをはっきりさせることで、モチベーションにつながります。キャリアプランを考えるときに重要なのは、長期的なものはもちろん、短期で実現できそうな目標も設定すること。
短期的に達成できる目標も一緒に設定することで、モチベーションの維持や達成感を味わいながら長期的な目標も達成しやすくなるのです。
ステップ2 目的達成に必要な目標を洗い出す
複数の部・課・係といった組織に分かれている企業では、ほとんどの場合、会社の経営理念を達成するため組織単位で目標設定しています。
そのため、自分自身の目標を設定する前に、所属する部・課・係それぞれの目標を確認しましょう。
次に、係・チームなど自分が属する最小単位の組織目標を達成するための「自分自身の目標」を、思いつくままにどんどん書き出します。
個人目標を考えるときは、会社の経営理念と部・課など大きい組織の目標を心に留めつつ、「自分に求められている役割」と「担当職務の範囲内でできること」を意識するとよいでしょう。
上司や先輩に相談するのもおすすめ
上司やチームリーダーに、会社のビジョンや方向性、自分の仕事の役割、期待されていることを確認してみるのもオススメ。
チームで共通の目標がある場合は、その目標と自分の目標を関連づけることでモチベーションを維持しやすくなります。
さらに、具体的な数値の目標や評価制度についても確認しておくとより行動にも落とし込みやすくなり、モチベーション維持にもつながりますよ。
また、自分がやりたいことや目指していることも伝えることで会社やチームのビジョンと自分の目標とのギャップをなくすことができます。
ステップ3 洗い出した目標に優先順位をつけて整理する
ステップ2で書き出した目標を整理します。まず似ているものは統合し、次に優先順位をつけて優先度の高い順に並べ替えます。
もしも自信がない場合や優先順位の判断がつきにくい場合は、一人で悩まず上司や先輩に相談することをおすすめします。
適切な目標設定ができるだけでなく、個人目標を提出したときにスムーズに承認されやすくなるためです。
いったん整理できたら、自分のスキル・経験を活かせるものやこれから自分が目指したい姿に近いものがないか確認します。
そして必要に応じて、より自分を活かせる表現に修正したり、磨きたいスキルや経験したい仕事を追加したりして、ブラッシュアップするとよいでしょう。
ステップ4 目標に対して数値目標と行動目標を立てる
最後は目標を数値目標と行動目標に分けていきます。
数値目標とは目標を数値にしたもの。「毎月一定数の成約をとる」ではなく「月に4人成約する」というのが数値目標になります。
数値目標を決めた後は、その数値目標を達成するためにどんな行動をしていけばいいのかという行動目標を立ててください。
数値目標をたてることで目標は明確になりますが、それだけではどんな行動をしたらいいのかが分かりませんよね。
そのため、数値目標を達成するためにはどのような行動をしたらいいのかという「行動目標」を必ず立てる必要があるのです。
もし、数値目標に対してどんな行動目標を立てれば良いかわからない場合は、次の2つの方法を試してみましょう。
上手くいっている人(企業)の行動を真似る
既に上手くいっている事例がある場合は、その行動を真似て行動目標にしてみましょう。既に上手くいっている事例があることで自信を持って行動できるというメリットがあります。(もちろん施策を模倣してはいけません。)
ステップ5 小さな目標から設定してみよう!
短期で達成できるために、より小さな目標を設定してみましょう。
目標というと「会社で売上1位になる」など規模が大きいものをイメージしがちですが、まずは「1日1件アポを取る」など、少し手を伸ばせば届きそうな小さな目標でOK。
まだ目標へ苦手意識がある場合は、小さな目標でも大丈夫なので「達成できた」という経験をすることにフォーカスしましょう。
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「目標設定の書き方」5つのコツ〈SMARTの法則〉
目標設定は先述した4ステップで書き進めることができますが、目標設定をする際に活用されている手法に沿って進めていくとより効果的に目標設定を行うことができるのでおすすめです。
目標設定に活用できる手法はいくつかありますが、ここでは最もポピュラーであろう「SMARTの法則」にそってコツをご紹介していきます。
SMARTの法則とは、5つの法則から成り立っている法則です。
- Specific_行動を具体的に表す
- Measurable_数値で表す
- Achievable_達成可能な設定にする
- Relevant_組織の役に立つ内容にする
- Time-bound_期限を明確に設定する
これら5つの頭文字をとって「SMARTの法則」と呼ばれており、世界中で目標達成の手法として活用されています。
5つの法則それぞれでどのようなことを意識して目標設定を進めていけばいいのか、詳しく見ていきましょう。
Specific_行動を具体的に表す
目標として書く内容は、具体的で誰が見てもわかりやすいことが大切です。
例えば、新入社員が「スキルアップを図り一人前になる」という目標を立てたとします。
しかし、このような曖昧な表現では「スキルアップ→何のスキルをどのような状態にする?」「一人前→どのような状態を指す?」といったことがわからず、人によって違う解釈が生まれかねません。
また目標を立てた本人も、いざ目標をクリアしようとするとき、何をどうやって・どの程度おこなうのかの判断に迷い、すぐに取りかかれなかったり的外れなことをしてしまったりする恐れもありますよね。
そのため、この例のような場合は
- 〇〇事業システムを積極的に使って仕組みを覚え、一人で使いこなせるようになる
- 文書作成研修を受けて文章力を身につけ、先輩や上司に修正されないビジネス文書を作成できるようになる
などのようにするとよいでしょう。
「何を」「どのように」「どの程度」を入れ、今すぐにでも実行できるような表現にするのがポイントです。
Measurable_数値で表す
目標はできる限り数値で表しましょう。
例えば「チーム内での情報交換を活発におこなう」という目標では、「活発におこなう」がどの程度を指しているのかがわかりにくく、評価も曖昧になってしまいますよね。
そのため、このような場合は
週1回30分チームミーティングをおこない、お互いの進捗状況や問題点を共有する
のように数値で表せば、クリアしているかどうかがはっきりわかります。
「◯回」「◯時間」「◯円」のように行動を数値化して表すことで、迷わず行動に移せて進捗状況も確認しやすくなるとともに、上司など周囲から見ても評価しやすくなるのです。またしっかりと達成感を味わえるため、モチベーションも上がりますよ。
さらに、目標をクリアした結果をふまえて、「ミーティングは2週に1回で十分だ」「最低でも1時間は必要だ」などの検証をしやすく、目的達成に向けて、より効果の上がる目標設定に修正しやすいというメリットもあります。
Achievable_達成可能な設定にする
目標設定の内容は、非現実的でなく実際にクリアできそうなものにする必要があります。
例えば「3ヵ月で職務に関連する資格を20種類取得する」のような目標は、勉強時間の確保や試験と仕事の日程調整などの問題でクリアするのは困難です。
また、新規クライアントの獲得が月10人程度の社員が「毎月100人以上新規顧客を獲得する」という目標を立てても、それはほぼ実現不可能でしょう。
高過ぎる目標設定をすると、モチベーションが下がって行動できなくなってしまったり、挫折感から心を病んでしまったりすることもあります。
いくら目標設定したときに「がんばるぞ!」と意気込んでいても、かえって目的達成は遠のいてしまいますよね。
逆に、あまりにも簡単にクリアできる目標設定も好ましくありません。
達成感を得られないのでモチベーションを保ちにくいことと、目標達成による成長が見込めないためです。
目標設定のメリットを最大限に活かすには、「適度にがんばって達成できる目標設定」にすることが重要です。
Relevant_組織の役に立つ内容にする
初めのほうで話しましたが、目標設定とは「目的」を達成するためにおこなうものであり、大きな組織なら部・課・係など組織単位でも目標設定している場合があります。
そのため、個人の目標設定をするときは、自分の立場や担当職務だけを基本にして考えてしまわないよう注意が必要です。
企業なら会社の経営理念や組織ごとに設定された「目標」、個人事業主なら事業において目指す理想像に関連付けて、組織全体の役に立つ内容にすることが重要なのです。
最適な個人目標を設定するためには、まず最上位の目的と各組織の目標を全て確認します。次に、「所属する最小単位の組織目標を達成するために、担当職務を担う自分としては何をどのようにすべきか」を考えましょう。
最終目的>上部組織の目標>直近組織の目標>個人目標と、上位から順に関連付けていくことで、組織全体の役に立つ効果的な個人目標が設定できますよ。
また、目標を達成することが自分自身の成長につながるよう意識して設定することも大切です。モチベーションアップや自信をつけることにつながり、より目標設定の効果を上げられます。
Time-bound_期限を明確に設定する
目標設定では期限を明確に表しましょう。
上位の目的や目標に期限がある場合は、それに間に合うよう期限を設定する必要があります。
例えば、直近上位組織の目標が年間目標で「昨年より売上を◯%伸ばす」なら、個人目標は1年後に組織目標が達成できるよう逆算して「1ヵ月ごとに◯件以上新規契約を取る」のように設定することになります。
目標の期限を明確にしない場合、つい着手を先延ばししてしまったり、なんとなくだらだらしてやる気が起きなかったりして、期限が迫ってから慌てることになりかねません。
モチベーションを保ち計画的に行動するためにも期限は必須なのです。
ただし、無理のある期限や非現実的な期限にしないよう気を付けましょう。
【職種別】仕事の目標設定の例文13選をご紹介
目標設定するときは、ゼロから書き始めるより例文を参考にするほうがイメージが湧きやすいためおすすめです。
ここでは5職種13種類の例文をご紹介します。自分の職種や仕事環境が似ている例を見つけて、実情を踏まえて書き換えてみてくださいね。
営業職
上位組織の目標
今年度企業売り上げ◯円達成
毎月新規クライアントを5件獲得し、年度末までに60件増やす
- 4月末までに担当エリアの情報を詳しく分析し、新たなクライアントを発掘する
- 5月末までに接遇研修を受けて接客スキルを磨くことで顧客満足度を高める
- 5月末までに事務作業の工程を見直して効率化し、6月以降外回りを週に10時間増やす
事務職
事務職には数えきれないほど色々な仕事がありますが、ここでは代表的とも言える総務・人事・経理の例文をご紹介します。
総務
上位組織の目標
課の超過勤務時間を◯%削減する
1ヵ月あたりの超過勤務時間を平均10時間以内にする
- 5月末までに業務手順を見直し無駄をなくしたうえ、マニュアルを作成する
- 6月末までに作業のシステム化・外注化できるものがないか検討し提案する
- 12月末までに検討した作業のシステム化・外注化を実現する
人事
上位組織の目標
個人情報の漏えいを防ぐ
個人情報の取り扱いを厳重にして年度内の関連ミスをゼロにする
- 5月末までに個人情報取扱いに関する研修を受講し知識を高める
- 6月末までに個人情報の取り扱いについてマニュアルを作成しチーム内で共有する
- 個人情報は机上に放置せず鍵のかかる書棚に戻すことをチーム内で徹底する
経理
上位組織の目標
正確な経理事務をおこないミスを10%以内に抑える
上半期中に事務工程を改善し下半期の計算ミスを10%以下にする
- 4月末までによく発生するミスを検証し、解決策を考え提案する
- 5月末までに会計事務の流れを見直して効率化し、初心者向けのマニュアルを作成する
- 会計書類のダブルチェックを徹底する
企画・広報職
企画・広報職として中心的存在である企画・広報・マーケティングの例文をご紹介します。
企画
上位組織の目標
社会貢献できる低コスト商品の企画
地球に優しい素材を使いコスト10%削減できる商品を企画する
- 5月末までに競合他社情報を収集・分析する
- 6月末までに過去のデータを解析し、不要なコストを10%削減する
- 企画会議を週1回2時間おこない開発チームとの連携を円滑化して業務を効率化する
広報
上位組織の目標
企業好感度調査の結果を20%向上させる
企業キャラクターの認知度を20%向上させる
- 5月末までにSNSを利用する企業キャラクターPR計画を立案・実行
- 7月末までに企業WEBサイトのリニューアルをし、企業キャラクターを前面に出す
- 8月末までに企業キャラクターグッズを制作し、10月以降のイベントで配布する
マーケティング
上位組織の目標
新商品売り上げ◯円達成
新商品のWEB上の売り上げを20%向上させる
- 5月末までにSEOセミナーに参加しマーケティング知識を深める
- ・6月末までにWEBメディアの仕組みを作り、新商品に関連する記事を年度末までに100記事以上アップする
- ・7月末までにWEB広告のリニューアルをし、新商品を大々的にPRする
技術職
技術職にも色々ありますが、ここではフリーランスもイメージしやすいWEBデザイナー・システムエンジニア、また工場の仕事として生産管理の例文をご紹介します。
WEBデザイナー
上位組織の目標
事業を継続的・安定的に運営する
クライアントの信頼度をアップさせ発注のリピート率を20%向上させる
- 5月末までに接遇マナー・会話術向上セミナーに参加して、好感度の高い接客スキルを身につける
- 6月末までにクライアントの要望をしっかり聞き取ったうえで、納得してもらえる提案・説明をするため、専用シートを作成する
- 納品後にアクセス率・成約率などの様子を聞きつつアフターフォローをおこない、継続発注に結びつける
システムエンジニア
上位組織の目標
品質を向上し効率のよい事業運営をする
納品後のトラブル件数を10%削減し時間を有効活用することで、作業品質と効率をアップする
- チームでの朝会・チャットでの情報共有のルールを徹底し、連携をスムーズにする
- 第1四半期中にシステム構築の工程を見直し作業日数を短縮することで、テストと修正の期間を十分に確保する
- 上半期中に、未習得の言語や新しいツールを学習して知識・スキルをアップし、チーム内研修を実施する
生産管理
上位組織の目標
事故を起こさず生産性をアップする
一人ひとりの心身の健康を保ち集中力を高めることで作業ミスを10%減らす
- 第1四半期中に過去の事故データをもとに注意点を洗い出し、マニュアルを改善する
- 作業員の休憩・就業時間を管理し、疲れを残さず集中力が続くよう配慮する
- 日頃から作業現場の整理整頓・衛生管理を徹底し、働きやすい環境を保つ
医療・福祉職
ここでは、医療・福祉職として組織に属してチームで働くことが多い看護師・介護士・保育士の例文をご紹介します。
看護師
上位組織の目標
患者さんのケアについて注意深く確認しながら行動し、患者さんが安心できる医療環境を提供する
基本的な知識・スキルを身につけて一人で問題なくこなせるようにし、安心して仕事を任せてもらえるようになる。
- 4月末までに病院設備の名称と役割を理解し、スムーズに患者さんを案内できるようになる
- 6月末までに手際よく採血できるよう練習し、患者さんに安心感を与えられるようになる
- 9月末までに基本的な仕事をミスなく一人でこなせるようになる
介護士
上位組織の目標
チームワークよく利用者に寄り添った質の高いケアをする
スキルアップして介護の質を上げるとともに、明るくハキハキした対応を心がける。また、利用者の様子をよく観察し確実に引き継ぐ。
- 利用者・スタッフともに目を見て笑顔であいさつすることを欠かさないようにする
- 7月末までに身体介助研修を受講してスキルアップし、利用者の満足度を上げる
- 利用者の様子を注意深く観察し、日誌に詳細にわかりやすく記載する
保育士
上位組織の目標
安全・安心な環境で一人ひとりに行き届くきめ細かな保育をし、子どもの健やかな成長を促す
子どもの安全を守る知識を身に付け、危険がないか常に注意し事故発生前に排除する。日々「報告・連絡・相談」を欠かさないよう意識する。
- 毎月1回施設内を総点検し危険箇所を囲ったり修理したりなど対処することで、子どもが安全に過ごせる環境を維持する
- 6月末までにアレルギー対応研修を受け、緊急時にも冷静に対応できるようになる
- 仕事を1人で抱え込まず、少しでもわからないことは周囲に聞き、気になることはすぐに情報共有する
目標設定するときの注意点3つ
つづいては、目標設定をするときに注意しなければいけないポイントを3つご紹介します。
- 達成値だけでなくプロセスも評価する
- 偏りなく公平な目標設定にする
- 目標達成だけに固執しすぎない
上記に挙げた3つの注意点を頭に入れておかないと、せっかく目標を設定をしたのに目的達成まで上手く進むことができなくなってしまうこともあります。
達成値だけでなくプロセスも評価する
掲げた目標をどれだけ達成できたかということはもちろん大切ですが、プロセスもしっかりと評価してください。
目標が達成できたできないに関わらず、プロセスの中でなにが上手くいったのか、逆に改善すべき点は何なのか、しっかり評価していくことは今後の成長やモチベーション維持に繋がります。
結果はもちろん大切ですが、結果が出なければ無駄という考えはモチベーションを下げてしまい目的達成から遠ざかる事態を招きかねません。
モチベーション維持や一人一人の成長につなげるためにも、最初からプロセス評価のしやすい目標設定をしておくと良いでしょう。
偏りなく公平な目標設定にする
目標設定は、チーム・個人、どちらにも公平でなければなりません。
どちらかに偏った目標設定をすると、チームや個人で目標達成までの難易度が変わってしまいます。
- 簡単すぎる目標設定だと、全員が楽に達成できるので良い評価しかない。楽すぎるためチャレンジ意欲もなくなる。
- 難しすぎる現実的でない目標設定はだれも達成することができない、もしくは一部の人しか達成することができない。そのためモチベーションが低下する。
目標設定は公平であること、そして現実的であることが大前提です。しかし、現状で容易に達成できる目標設定では向上心が失われてしまいます。
それらを加味し、チーム、そして個人の性格や現在の力量を考慮したうえで目標設定を行うことで初めてそれぞれの成長につながるのです。
目標達成だけに固執しすぎない
目標設定で定めたことを達成できるかどうかはとても大事なことです。
ですが、設定した目標を達成することだけに気を取られすぎて周りを見ることができなくなってはいけません。
目標設定の進捗が進んでいる、遅れていることはもちろん、情勢の変化や、自社の目的が変わることだってあり得ない話ではありません。
周りや先を見渡し、時には目標設定の内容や方法を変えていくことも大切なのです。
「一度設定した目標は絶対にやり遂げる!」その想いはとても良いものですが、「何があっても変えることができないもの」として自分の足枷になってしまわぬよう注意してください。
目標設定の効果アップを狙う2つの方法
次に、目標設定の効果アップを図ることができる2つの方法をご紹介します。
- フィードバックをする
- 目標を定期的に見直す
先に紹介した目標設定の5つのコツに加えて、上記2つの方法もあわせて行ってみてください。
それぞれどんなことを意識・実践していけばいいのか、詳しく見ていきましょう。
フィードバックする
ここまで目標を設定しそれをクリアしていけば、目的を効率よく達成できるとお伝えしてきました。
しかし実際は、目標をクリアしようとする過程で、ミスしたり想定外の事故が起こったりして、設定したとおりに進んでいかないこともありますよね。
また日々忙しいと、目の前の目標をただこなすことに精いっぱいになって、「なんのためにそれをおこなっているのか」がわからなくなってしまうこともあるでしょう。そうすると、作業がいい加減になったりモチベーションが保てなくなったりしてしまいます。
フィードバックはそれらを防ぐのに役立ちます。
例えば、ミスや事故が起きたらその都度、特に何もない場合は最低でも3〜4ヵ月に1回程度おこなうとよいでしょう。
ミスや事故の原因を探って解決策を考えることが一人ひとりの成長につながるとともに、業務工程のブラッシュアップができます。
また、目標をクリアする意義をあらためて確認することで、職務遂行の効率性を高められるのです。
目標を定期的に見直す
目標設定したらそれを忠実にこなしていくことは大切です。
しかし、ときには目標そのものを見直して修正することも必要になります。
見直すタイミングは、目標設定で想定していた状況や条件と大きく違いが出てしまったとき。
具体的には、目標が早めに達成できそうなとき・期限までに目標達成が不可能だと判明したとき・目的や上位組織の目標の達成に結びつかないことが判明したときなどです。
また、特に大きな状況変化はなくても、フィードバックの都度その結果を受けて見直すとよいでしょう。
フィードバックを単なるダメ出しや反省会で終わらせず、目標そのものや意識・行動を改善するきっかけとすることで、目標設定の効果がグンとアップしますよ。
目標設定をしたあと、定期的に「目標の見直し」をすることで、目的や上位組織の目標も見据えた広い視野で、客観的に自分の役割を見ることになります。
そうすると、より効果的に業務をおこなえるだけでなく、自分の行動が全体の役に立っていると感じやすくなるためモチベーションも持続するといったように、プラスのサイクルが生まれるのです。
【SMART以外にもある】目標設定で役立つフレームワーク7選
最後は、目標設定で役に立つフレームワークを7つご紹介します。
「目標設定の書き方」5つのコツでは「SMARTの法則」をご紹介しましたが、他にも目標設定に役立つフレームワークは存在するのです。
今回は、その中でも特におすすめのフレームワークを7つ厳選しました。
- OKR
- KPI
- SWOT分析
- GROWモデル
- ベーシック法
- 三点セット法
- マンダラート
それぞれどんなフレームワークなのかを詳しく見ていきましょう。
OKR
OKRとは、「Objectives and Key Results」の略称です。
日本語に訳すと「目標と成果指標」という意味となります。
OKRはGoogleやFacebookなど有名企業も取り入れたことから、近年注目されているフレームワークです。
OKRは、設定・追跡・再評価を速いサイクルで回すことが最大の特徴です。
目標と成果をリンクさせることにより、個人でもチーム間でも評価も効率よく行うことができます。
一つの目標に向かって全員が同じ方向を向いて一定のペースで進んでいくこと、そして明確な優先順位を持っていることがOKRのゴール。
全員で同じ方向を向くことでコミュニケーションも図ることができ、さらに短いスパンで目標設定をしていくのでリスクや無駄が少ないといった利点があります。
OKRは、下記の手順に沿って設定していきます。
- 目標の設定
- 主要な結果の設定
- OKRの確定
- レビュー
目標に対して、主要な結果は目標へ進むための目印となる物である必要があります。
例えば、目標は「売上アップ」だとすれば主要な結果は「新規顧客を増やし月の売上40万円を達成する」などといった具合にすすめていくのです。
KPI
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略称で、目的を達成するためのプロセスとなる「重要業績評価指標」を指しています。
目的から逆算してKPIを設定していくことで、細かなプロセス、目的達成までの中間地点をつくることができるのです。
目的達成までのプロセスが分かりやすいだけでなく、進捗状況の把握がしやすい、モチベーション維持がしやすいという利点があります。
目標設定は「目標設定が重要だと言われる理由」で解説した通り、やるべきことの可視化やモチベーション維持、効率化を図るために重要なことです。
プロセスが明確になるKPIは、まさに目標設定において役立つフレームワークの一つでしょう。
KPIは最終目的を達成するための具体的な成果なので、目的が「月売上40万達成」だとすれば、顧客単価や商談数などを具体的な数値を用いて設定していくことがKPIになります。
SWOT分析
SWOT分析は、以下の4つの項目から弱み・強みを洗い出し現状把握することで目標設定がしやすくなるフレームワークです。
- Strengths_強み
- Weaknesses_弱み
- Opportunities_機会
- Threats_脅威
上記4つの頭文字をとって、「SWOT分析」と呼ばれています。
自社や自分の現状を、上記4つの項目に当てはめて考えてみましょう。
例えばソニー株式会社であれば、以下のような振り分けができます。
- Strengths…世界最大のAV機器メーカーであり強力なブランド力がある
- Weaknesses…モノづくり体制の弱体化
- Opportunities…世界的な景気回復の兆しがみられる
- Threats…低価格スマホ参入やPCの低価格化
などといった項目から、現状を把握し目標設定を行っていきます。
現状の問題点や改善点など曖昧で漠然とした点を明確にすることができるため、目標設定にも活かすことができるでしょう。
GROWモデル
GROWモデルとは、上司が部下に対して自発的行動を促すためのフレームワークです。
以下4つの頭文字をとって、「GROWモデル」と呼ばれています。
- Goal_目標設定
- Reality_現実把握
- Options_選択肢の検討
- Will_意思確認
各々が目標設定をするのではなく、上司が部下に上記に挙げた4つの項目を踏まえた質問をしていくことで、目標達成へ導いていくビジネスコーチング手法の一つです。
ゴールと現状のギャップを埋める手助けにもなるため、目標設定の進捗状況の把握やこれからの指針を決める役割も果たします。
目標へ導くための質問例配下のようなものが挙げられます。
Goal_目標設定 | 将来何を成し遂げたい? いつまでに達成したい? 5年後どうなっていたい? |
Reality_現実把握 | 目標達成できると思う? 今抱えている問題はある? 目標達成にどんな行動をしている? |
Options_選択肢の検討 | これまでどんな成果がでた? スキル獲得や支援によって改善する? 他の人ならどうすると思う? |
Will_意思確認 | 何からどの方法(行動)を始めていく? いつまでに達成する? 誰に支援を頼む? |
ベーシック法
ベーシック法とは、以下4つの項目に分けて構成されているフレームワークです。
- 目標項目…自分が何を達成したいのか明確にする
- 達成基準…どの状態になっていれば達成なのが具体的に定める
- 期限設定…目標達成までの期限を決める
- 達成計画…目標達成をするために何をどのように実践すべきかを決める
ベーシックと名のつく通り、目標設定においてもっとも基礎的なフレームワーク。
4つのステップでそれぞれ何を設定していけばいいのかが明確であり、手順に沿って進めていけばよいだけなので、初めて目標設定する人におすすめです。
三点セット法
三点セット法は、先に紹介したベーシック法からもう少し掘り下げて目標設定をしていくためのフレームワークです。
「三点」と名のある通り、以下3つの要素を考えていきます。
- テーマ
- 達成レベル
- 達成時期
ベーシック法ではまず最初に達成したい目標を明確化しましたが、三点セット法ではテーマを決めます。
テーマも「何をしたいのか」というゴール設定ではあるのですが、より深掘りして具体的に表していくのです。
テーマを明確にする方法
正早安楽 | 「より正しく、より早く、より安く、より楽に」の視点から深掘りしていく例)今より正確に・早く業務を進めることはできない |
自己否定による影響分野発見法 | 「自分が上手くできなかった場合どんな問題が起こりうるのか?」という視点から深掘りしていく例)プロジェクトが遅れればクライアントに迷惑をかけるだけでなく会社の業績にも影響するかもしれない |
プロセスチェック | 日々の業務の中から改善点を見つけ出していく例)売上をあげたいが新規顧客の獲得が弱い=営業電話が苦手であまり行っていない=営業方法を改善等を行い新規顧客の開拓に力を居れなければならない |
ベーシック法より深掘りし、具体的な目標設定を行いたいと考えている場合は三点セット法も活用してみてください。
マンダチャート
マンダチャートはいわば「目標達成シート」です。
曼荼羅(マンダラ)模様のマス目を作成し、一つ一つのマス目に考えを書き込んでいくことで頭の中を整理していきます。
野球界で活躍している大谷翔平選手も高校時代にマンダチャートを活用していたと公表されているため、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
自分の考えが明確になるだけでなく、目標達成のためにどう動いていけばいいのかも考えやすくなります。
9×9のマス目の真ん中にまずゴールとする目標を下記、そこからどうしていくべきなのかを広げていきます。
例えば、真ん中のマス目が「売上50万達成」だとすると、周りのマス目はそれをなすために必要な行動を考え埋めていくのです。
この場合は、「新規顧客獲得」「タスク管理」「リピーターへのアプローチ」などが当てはまってくるでしょう。
9×9のマス目を左右上下に広げていくと、メインとなる最終目標を達成するための中間目標まで設定することも可能です。
まとめ
目標設定とは、最終的な「目的」を達成するために必要な「目標」を立てること。
目標設定には、仕事の進捗状況を把握しやすく効率よく成果を出せたり、達成感を味わえて自信がついたりモチベーションが保てたりといったメリットがたくさんあります。
目標設定に悩んだら、次の4つのステップを踏むとスムーズに作業できます。
- 達成すべき最終目的を確認する
- 目的達成に必要な目標を洗い出す
- 洗い出した目標に優先順位をつけて整理する
- 目標に対して数値目標と行動目標を立てる
また、実行性が高く達成率のよい目標設定をするには、次の5つのコツ(SMARTの法則)を取り入れましょう。
- 行動を具体的に表す(Specific)
- 数値で表す(Measurable)
- 達成可能な設定にする(Achievable)
- 組織の役に立つ内容にする(Relevant)
- 期限を明確に設定する(Time-bound)
さらに、設定した期間中と期間終了後にフィードバックし、フィードバック結果も踏まえて目標を定期的に見直せば、目標設定の効果を一段とアップできますよ。
どのように書けばよいか迷ったら、例文を参考にするのもおすすめです。自分の職種や立場と似ている例文に、実際の担当職務を当てはめて文章を作ってみましょう。
ぜひ皆さんも目標設定をうまく活用して、仕事の成功と自分自身の成長を手に入れてくださいね。
質問や感想があればご記入ください