連日のニュースで目にする大谷翔平選手。
日本だけではなくメジャーでも、投手と打者それぞれで誰もが驚くような成績を残しMVPを受賞、今年でいえばWBCでの活躍などまさに“怪物級”ですが、ここまで大谷選手が活躍している要因の1つは彼が高校生時代に作ったという目標達成シートにあります。
目標達成シートはビジネス、プライベートなどさまざまな場面で活用でき、うまく活かせば大きな成績を出すきっかけになりうるものです。
そこで、今回は目標達成シートについて次の3点をご紹介します。
- 目標達成シートを作るメリット
- 目標達成シートの作り方
- 目標達成シートの効果を高めるコツ
さらに目標達成以外の具体的な活用事例もご紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
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大谷翔平の凄さの秘訣は目標達成シートにあり!
最初にあまり野球を知らない方に向けて大谷翔平選手について簡単にご紹介します。
大谷選手は高校時代にプロでも珍しい球速160キロを投げ、ドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団しました。
ピッチャーとバッターでの二刀流で、1年目にして大注目されました。
プロではピッチャーとバッターどちらか一方だけでも結果を出すのが大変ですし、二刀流の選手は他にはいないなかで二刀流で活躍したため、注目されたのです。
プロ6年目の2018年からはメジャーリーグに挑戦し、2022年、2023年と連続でMVPを受賞しました。
さらに今年のシーズン終了後には、ロサンゼルス・ドジャースと7億ドル(日本円で1050億円)の契約を結びました。
メジャーに挑戦する日本人はいますが、投打どちらかだけでも結果を残すのが大変です。
そんな中で、二刀流として活躍しているからこそ、連日ニュースで報道されているわけなんですね。
その大谷選手が活躍するきっかけとなった目標達成シートをご紹介していきます。
目標達成シートとは9×9マスで構成されるマンダラチャート
百聞は一見にしかずということで、大谷選手が作った目標達成シートをまずはご覧ください。
引用:News Picks|大谷を怪物にした花巻東高校の「目標達成用紙」
目標達成シートは9×9のマスで構成されており、「これは叶えたい!」という強い目標を中央に書き、周囲のマスに細分化した目標を書いています。
当時、大谷選手が中央に書いたのは「8球団からのドラフト1位指名」でした。
目標達成シートはマンダラチャートとも呼ばれており、アイデアを整理したりイメージを膨らませたり、思考を深めたり、さまざまな場面や用途に活用できます。
では、実際に大谷選手はどのように作っていたかというと、「8球団からのドラフト1位指名」を達成するために必要な要素を8つ書き出しました。
それが、体づくり、人間性、メンタル、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運の8つです。
そこから、8つの項目を満たすのに必要な要素をさらに8つずつ記入しました。
たとえば、コントロールを満たすためには「体幹強化」などトレーニング面のものもあれば、「不安をなくす」などメンタル面のことなどさまざまな視点から要素を書き出しているのが分かりますね。
- 中央に最も大きな目標を書く
例)「8球団からのドラフト1位指名」 - 1の目標を叶えるための8つの要素を書く
例)体づくり、人間性、メンタル、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運 - その8つの項目を満たす要素をさらに8つずつ書く
大谷翔平はこうやって目標達成シートを使っていた!
では、実際にどのように使っていたのかをみていきましょう。
大谷選手が語っていましたが、目標達成シートはなるべく具体的に、少し高い目標を記入しています。
中央に書いた「8球団からのドラフト1位指名」という目標は、一見すると現実離れした目標とも捉えられますが、その目標を達成するために必要な要素を分解して、現実的な道のりを作っています。
もちろん、一気にこれらを達成するのは厳しいですが、より具体的にして現実的な手段に落とし込むことで目標を見失わず目標に近づくことができるのです。
目標達成シートを作るメリット
ここまで大谷選手が作った目標達成シートについてご紹介しました。
目標達成シートでは真ん中に書いた目標を達成するのに必要なことは何か、そして必要なことを満たすのに何をすべきかを考えます。
ここまで1つの物事について考えることで、目標を達成しやすくなったり思考を整理しやすくなったりメリットが多くあります。
このメリットを知ったうえで作成すると、より具体性があり効果的な目標達成シートになるため、まずはメリットを押さえておきましょう。
目標シートのメリット①目標を達成しやすくなる
目標達成シートの最大のメリットは目標を達成しやすくなることです。
「売上を2倍にする」という目標を立てたとして、目標達成シートを作って具体的な行動まで落とし込んでいる人とそうでない人とでは、達成のしやすさや達成度合いが大きくなります。
このシートを作り込むことで、今の自分からすると遠い目標に思えるものでも、アクションが明確になり、道筋が見えることで効率的に目標を達成できるのです。
目標シートのメリット②思考を整理できる
目標達成シートは思考の整理にも有効です。
これまでモヤモヤしていたことも、シートを作成する過程で思考が整理できます。
目標達成のために何が必要か、どうしても頭の中だけで考えてしまい、だんだん訳がわからなくなってしまった経験はありませんか。
訳がわからなくなってくると行動ができず、一生懸命考えたのに目標達成できなかったというケースもありますよね。
このシートを作り込めば思考を整理でき、具体的なアクションまで起こせるようになるため、考えるプロセスの中で頭の中がぐちゃぐちゃになっても軌道修正ができるのです。
目標シートのメリット③漏れがないか確認できる
ビジネスでは「漏れなくダブりなく」が大切だとよく言われますが、実行するのは難しいですよね。
ダブっているだけであればまだ良いですが、漏れがあった場合は目標が達成できないだけでなく取り返しつかないケースもあるでしょう。
その事態を防ぐのに目標達成シートはうってつけです。
目標達成について考えるとき今までは必要な要素を考えて、3〜4個出たら終了としていたかもしれません。
ですが、このシートにはあらかじめ8つマスがあるので、シートを埋めるためには要素を8個は書かなければいけません。
目標シートのメリット④チーム内で考えを共有できる
チーム内で考えや目標を共有できるのも、目標達成シートの大きなメリットです。
チームで目標達成シートを作ると、同じ方向に向かって結束が強くなるというメリットはもちろん、お互いが何を考えているのか目にみえるようになります。
ディスカッションだと発言したことは共有できても、お互いが何を考えているのか全てを把握するのは難しいですよね。
ですが、チームで1つのシートを作ることで今までは発言したものだけだったのが、ビジュアルでも確認できるようになるため意見を共有しやすくなります。
誰でも作れる!目標達成シートを作る3ステップ
次に目標達成シートの作り方を3ステップでご紹介します。
A4サイズの紙1枚と筆記用具を準備して、一緒に作ってみましょう。
ネット上に無料でテンプレートをダウンロードできるサイトもあるため、ダウンロードしてパソコンやスマートフォンで作ってみるもの良いでしょう。
ステップ1:真ん中に成し遂げたいことを書く
紙で作成する場合は9×9のマスを書き、まず真ん中に「これを達成したい!」というメインテーマを書きましょう。
目標達成シートでは、真ん中に書いた目標によってうまくシートが作れるか、目標を達成できるかと言っても過言ではありません。
何を書くのか、じっくり時間をかけて決めましょう。
真ん中に書く目標のポイントは、具体的に書くこと。
大谷選手も8球団からドラフト1位指名という具体的な目標でしたよね。
セールス部門であれば、「売上を上げる」をより具体的にして「今年は売上を2倍にする」と書いてみてください。
ただし、最初から「これだ!」という具体的な目標を見つけられるとは限りません。
最初は「なんとなくこれかな」というものを置いてみて、考えていくうちに具体的な目標に変更するというやり方でも大丈夫です。
まずは思いついたままに書いてみて、進めながら修正するサイクルを繰り返してみてください。
ステップ2:“8つの要素”を書く
ステップ2では、ステップ1で決めた目標を達成するのに必要な要素を8つ書き出しましょう。
大谷選手の場合は8球団からドラフト1位という目標を成し遂げるために、体作り、コントロール、キレ、スピード160キロ、変化球、運、人間性、メンタルの8つを書いています。
中央の目標を達成するためには、複数の要素がかけ合わさって達成することがほとんどなので、何が必要かを一度リストアップして、そこから重要だと思うものや今のあなたに足りないと思うものから順番に並べてみてください。
また、8つの要素について大谷選手の目標達成シートを見てわかるように、技術面、体力面、メンタル面などさまざま視点から8つの要素を書き出していますよね。
今の自分に欠けているという観点だけで考えると、どうしても能力や知識から考えがちですが、メンタル面や人間性、生活面からも考えられると幅広く考えられて、目標達成に必要なことを漏れなく書けますよ。
ステップ3:8つの要素を達成する具体的な行動を書き出す
ステップ2で書いた8つの要素について、それぞれを身につけるための行動目標を決めましょう。
行動目標なので、アクションに加えて期日や数字を決めると実行しやすくなりますよ。
大谷選手の目標設定シートでも、体作りでRSQ130kg(リアスクワットをあげる重量目標)と数字で書かれています。
ですが、具体的な数字や期限を設定できないものもあるはず。
大谷選手のシートでも感謝やあいさつは数字で測れるものではないですし、1日◯回と決めるものではありません。
このように数字で決められないものは、ルーティン行動として設定してみてください。
ルーティン目標は、〇回やる、◯月までに達成するというように具体的な数字を決めるのではなく、あいさつや感謝のように常に「〇〇を意識する」というものです。
このように8つの要素を満たすための行動目標も、できるだけ具体的に書くことがポイントです。
目標達成シートの効果を高める5つのコツ
目標達成シートの作り方を3ステップでご紹介しましたが、いかがでしたか。
見ての通り目標達成シートには書くマスが多く、「私にできるのかな」「正直ここまでやるのは面倒」と思ったかもしれません。
ここまで1つの目標のことを掘り下げて考えた経験はほとんどない方がほとんどだと思うので、大変そうと思うのは当然です。
だからこそ、せっかくシートを作るのであればより効果を高めたいですよね。
ここからは目標達成シートの効果を高めるコツ、作り方のコツを5つご紹介します。
効果を高めるコツ①まずは埋められる所から書く
1つ目のコツは、まずは埋められるところから書いてみるということ。
最初から全部のマスを埋めようとしなくてOK。
全部埋めなければと思うかもしれませんが、最初から全部を埋めるのは大変な作業です。
なんとしてでも全てのマスを埋めようとして、目標とあまり関係ないことを書き足してしまうとむしろ目標達成から遠のく、あるいはせっかくの努力が無駄になってしまうこともあります。
せっかく頑張るのであれば目標を達成するために行動目標に力を注いでほしいので、まずは埋められそうなところから始めて後から継ぎ足していきましょう。
効果を高めるコツ②紙に書き出して意識を高める
目標やそのために必要なことは何か、多少なりとも考えたことがある人は多いと思います。
もしかしたら先ほどご紹介した3ステップを頭の中で考えられる人もいるかもしれません。
目標について考えることは素晴らしいことなので、さらに達成度合いを高めるためにも、紙に書き出してみるのをオススメします。
最初は頭の中で考えていることをそのまま書き出すだけでOK。
手で書いて実際に目にして確認できることで、課題や目標への意識を高くすることができます。
頭の中で考えたことはその場では覚えていても、数日あるいは数時間経っただけで忘れてしまうもの。
これではせっかく考えたのにもったいないですよね。
達成度合いを高めるのはもちろん、記憶に留めておくためにも紙に書いて目に触れられるようにしましょう。
効果を高めるコツ③身近なものから具体的な行動を探す
大谷選手の目標達成シートを見てわかるように、外側にあるものほど身近で取り組むべき課題です。
中央に書いた目標から直接出てくる(ステップ2で書き出した8つの要素)のは業務に関連するものが多いかもしれませんが、突き詰めると普段の生活や振る舞いでのことが多いのです。
このように、大きな目標を達成する秘訣は日常にあふれています。
もし行動目標が見つからない場合は、日常の行動を振り返ってできていないなと思う箇所をシートに書き入れて取り組んでみてくださいね。
効果を高めるコツ④今の自分にできる/できないを分析する
ステップ3では最終的に64マスを埋めることになりますが、全部書けたとしても「こんなにやるのか」と気が遠くなるかもしれません。
そこで取り組んでみてほしいのは、現状で自分はこの中の何ができていて何ができていないのかという自己分析。
書き出したもの全てができないわけではないはず。
自己分析を通して、今の時点でもできているもの、ある程度できているもの、あまりできていないもの、まだまだ努力が必要なものに分けてみましょう。
自分の強みや弱みなどの自己理解を深めること、実際に作ったシートを見ながらの作業となるので視覚的に確認できるためより認識を深められます。
自己分析をして重点的に取り組む課題が見えたらどの順番で取り組むかまで考えられると、よりアクションしやすくなりますよ。
効果を高めるコツ⑤できるだけ具体的に設定する
ここまで何度もお伝えしてきたように、目標達成シートはどこまで具体的にできるかがポイントです。
具体的にというのは、期限や回数など数字もそうですが、今この瞬間に次に何をするのか、目標のために何をどれだけすれば良いのかがわかる状態までできるのがベスト。
最初に中央に書いたものは大きな目標だったものが、具体的にして今日から取り組めることにまで落とし込めると達成しやすくなります。
課題解決や仕事にも活かせる!?目標達成シートの使い道
ここまで目標を達成するためのものとしてご紹介してきましたが、目標達成シートは課題解決や業務など活用の幅は広いです。
目標達成以外の使い方の事例をご紹介するので、今仕事で課題を感じている、行き詰まっているという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
問題解決に使う
目標達成シートの中央のマスを解決したい課題に変えれば、課題解決のためのツールとして活用できます。
たとえば、営業成績がなかなか伸びないという課題を解決するとします。
お客さんに成約してもらえないのは、金銭的な事情、話し方、お客さんの課題と商品とのミスマッチ、時間的コストなどさまざまな要因が絡んでいることがほとんど。
それぞれの要因を解決、解消するためにあなたができることはなんでしょうか。
考えられる要因を8つ、それぞれの要因に対してアクションを8つずつ考えれば成約率を上げられそうですよね。
もしこのシートを使わずに成約する方法を考えようとすると、2〜3個解決策を出すのがやっとという方も多いかもしれません。
ですが、このように枠組みがあることで策を捻り出して選択肢を増やすことができるのです。
情報整理に使う
目標達成シートは情報整理のためにも活用できます。
頭の中で整理するのが得意な人によくありがちなのですが、1つの課題に対して考えすぎてしまいいつの間にか論理が飛躍したり、あらぬ方向に行ってしまうという経験ありませんか。
そのような時にやってみてほしいのが、真ん中に今解決したいことや考えていることを書いて、そこから考えられることや連想できることを書き出す方法。
シートを活用することで視覚的に捉えられるため、今頭の中にあるものを整理できるのはもちろん、関連しないものは書かないことで本当に必要なことだけを認識できます。
ここで注意したいのが、いつの間にか重要でないことまで書き出してしまうこと。
一旦書き出してみたら、最初に整理しようとしていたものと関連するのか、重要かどうかを見極める作業もしましょう。
アイデア出しに使う
目標達成シートは企画のアイデア出しにもオススメ。
このケースでは、ステップ1で中心のマスに商品名やコンセプトを書き、ステップ2で商品開発に必要な情報を書き出していきましょう。
たとえば、予算はどれくらいなのか、割ける人員数、原料、顧客のクチコミや属性など丁寧に書き出してみてください。
問題解決のときと同様に、シートを使わずにやみくもにアイデアを出していくと出せる数にも限界がありますし、同じような意見しか出てこなくなったり、発想が広がりにくくなったりします。
ですが、このシートのようにあらかじめ枠があること、視覚的に捉えられることでアイデアの幅が広がりやすくなります。
もしアイデア出しなどで課題を感じていたり、行き詰まっていたりする場合はこのシートを使ってみてくださいね。
まとめ
今回は目標設定シートについて次の3点をご紹介しました。
- 行動目標まで具体的に考えられるため目標を達成しやすくなる
- 思考を整理できるため頭の中だけで考えるよりも効率的に進められる
- 課題解決やアイデア出しなどさまざまな用途で活用できる
・大きな目標を掲げると、まず何をすれば良いのかわからない、あるいは考えた行動目標がずれてしまっていることは珍しくありません。
ですが、目標達成シートを活用すれば具体的な行動を考えやすくなり、可視化できるため目標達成までのロードマップを描きやすくなり大きく道を逸れることもなくなるでしょう。
最初は作るのが億劫になってしまったり、作ったとしても遠いなと感じたりするかもしれません。
まずはできるところから埋めていき、優先順位の高い行動目標から取り組んでみてくださいね。
質問や感想があればご記入ください