キャリアを支援する仕事、キャリアコンサルタント。
2016年に国家資格ができ、最近では大学や企業でもキャリアコンサルタントを置く動きが強まっています。
この記事を読んでいるあなたも、キャリアコンサルタントに興味を持っているのではないでしょうか。
そして、キャリアコンサルタントを目指すうえで、さらに気になるのがフリーランスになれるのかだと思います。
結論をお伝えすると、キャリアコンサルタントでフリーランスになることは可能です。
実際、フリーランスのキャリアコンサルタントは多くいます。
ただし、全てのキャリアコンサルタントがフリーランスになれるわけではありません。
IT系の職種と比べるとキャリアコンサルタントが独立する難易度は高く、フリーランスになるには工夫が必要です。
そこで、今回はキャリアコンサルタントでフリーランスになる方法をご紹介していきます。
この記事に書いてあることを実践していただければ、稼げるキャリアコンサルタントになれますよ。
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キャリアコンサルタントとは
これから勉強を始める方のなかには「そもそもキャリアコンサルタントが何なのかよくわからない」という方もいると思います。
実際、キャリアコンサルタントの仕事内容は多岐にわたるので、一言で言い表すのが難しいです。
ここではキャリアコンサルタントがどんな仕事なのかを解説していきますね。
キャリアコンサルタントの業務内容と職場
キャリアコンサルタントとは、簡単にいうと「人のキャリア(職業選択)の相談にのり、助言や支援をする仕事」です。
多くの人が知っているところでいえば
- 高校や大学の進路相談
- 人材紹介にくる人の転職相談
- ハローワークにくる人の転職相談
といった仕事をしています。
また、「高校や大学などの教育機関」「人材紹介会社」「ハローワーク」で就職イベントの運営や企業へのコンサルティングをする場合もあります。
キャリア支援に関して幅広く対応する仕事だと覚えておけば大丈夫です。
キャリアコンサルタントの年収
2017年に労働政策研究所が調べたところ、キャリアコンサルタントの年収分布は次の通りでした。
年収 | 割合 |
収入無し | 2.1% |
200万円未満 | 13.6% |
200万円以上〜400万円未満 | 33.2% |
400万円以上〜600万円未満 | 21.5% |
600万円以上〜800万円未満 | 14.1% |
800万円以上〜1000万円未満 | 7.5% |
1000万円以上 | 7.9% |
このデータから、キャリアコンサルタントのうち約半数は年収400万円以上で、年収800万円以上の人が15%もいるのがわかりますね。
また、厚生労働省が運営している職業情報サイト「jobtag」には、キャリアコンサルタントの平均年収が584.4円だと書かれています。
国税庁が出している男性の平均年収が443万円であることを考えると、キャリアコンサルタントの年収がかなり高いことがわかりますね。
ちなみに、フリーランスのキャリアコンサルタントに関しては、年収が明らかになっていません。
フリーランスは働き方によって収入が異なるので一概にはいえないのですが、200万円から1000万円と幅広い年収が考えられます。
参考1:労働政策研究所
参考2:「jobtag」
参考3:令和3年分 民間給与実態統計調査
キャリアコンサルタントになる方法
キャリアコンサルタントになるためには、国家資格である「キャリアコンサルティング技能士」の資格を取る必要があります。
また、資格を取っただけではキャリアコンサルタントを名乗ることができません。
資格を取ったあとに、キャリアコンサルティング協議会が有している「キャリアコンサルタント名簿」に自分の名前を登録してやっとキャリアコンサルタントを名乗れます。
ちなみにキャリアコンサルタントは5年ごとに更新手続きをしなければいけないことになっています。
更新をしない場合、キャリアコンサルタントを名乗れなくなるので、忘れないようにしてくださいね。
試験の話を詳しくするとかなり長くなってしまうので、詳しく知りたい方はぜひこちらの記事を読んでみてくださいね。
キャリアコンサルタントだけでフリーランスになるのが難しい理由
キャリアコンサルタントは現在、さまざまなところで活躍している職業です。
しかしその一方で、キャリアコンサルティングだけでは、フリーランスとして稼ぐのは難しいとも言われています。
ここからは、フリーランスのキャリアコンサルタントとして働くのが難しいと言われる理由を解説していきます。
日本にキャリアコンサルタントの価値が認知されていないから
まず、大きな原因としてあるのが、キャリアコンサルタントの認知度が低いことです。
2016年にキャリアコンサルタントが国家資格になり、年々キャリアコンサルタントが活躍する場所は増えています。
しかし、それでもなおキャリアコンサルタントがどんな仕事なのか、どれくらい価値のある仕事なのかを知る人は少ないです。
また、キャリアコンサルタントが学校現場や転職エージェントといった場所で、無料のキャリア相談をしているのもキャリアコンサルタントの価値を感じてもらえない原因。
多くの人が「キャリア相談=無料で受けられるもの」だと認識しており、キャリアコンサルタントにわざわざお金を支払って相談しようという人が少ないのです。
その結果、キャリア相談だけでは生計を立てられないという状態になっています。
キャリアコンサルタント以外もキャリア相談にのれるから
資格がない人でもキャリアの相談には乗れるのも、キャリアコンサルタントが独立しにくい理由です。
資格があるものの、「資格保持者以外はキャリアの相談にのってはいけない」という決まりはありません。
そのため、教育機関や人材紹介会社などでは、資格を持っていない人もキャリア相談にのっているのが現状です。
さらに、最近ではカウンセラーやコーチにキャリア相談をする人も多くいます。
このようにキャリアコンサルタントにはライバルが多く、仕事が取りにくいのでフリーランスになるのは難しいと言われています。
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キャリアコンサルタントがフリーランスとして稼ぐ方法
先ほどもお伝えしたようにキャリアコンサルタントの資格を持っているだけでは、フリーランスとして稼いでいくことは難しいです。
しかし、フリーランスのキャリアコンサルタントが絶対に稼げないわけではありません。
工夫次第で稼ぐことは十分可能です。
ここからはフリーランスキャリアコンサルタントとして稼ぐ方法をご紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
カウンセリングやコーチングのスキルを身につける
キャリアコンサルタントがフリーランスとして稼ぐには、カウンセリングやコーチングのスキルを身につけるのがおすすめです。
カウンセリングやコーチングスキルを身につけるメリットは次の2つ。
- 幅広い人のキャリア相談にのれる
- 他のキャリアコンサルタントと差別化できる
キャリア相談にくる人の性格や悩みはバラバラです。
ポジティブでキャリアに前向きな人もいれば、ネガティブで心に問題を抱えている人もおり、キャリアコンサルタントの資格だけでは上手く対応できないことがあります。
しかし、目標達成を専門とするコーチングや心を専門に扱うカウンセリングのスキルがあれば、対応できる人の幅が広がります。
また、それらのスキルを持っていれば、キャリアコンサルタントの資格しか持っていない人と差別化することも可能。
キャリアで悩んでいる人に選ばれやすくなるのです。
キャリア相談にのることで稼いでいきたいという方におすすめの方法です。
社会保険労務士の資格とかけ合わせる
キャリアコンサルタントは社会保険労務士の資格を取るのもおすすめです。
社会保険労務士とは、企業の労務(勤怠管理、給与計算、税金の計算など)にアドバイスをする仕事です。
この資格を取れば「労働者の生の声を聞き、それをもとに企業の労務にアドバイスをする」といった労働者と企業両方の間に立った仕事ができるようになります。
1人で複数のことをこなせるので、企業から求められるキャリアコンサルタントになれますよ。
キャリアに特化したWEBライターになる
キャリアコンサルタントの資格と経験を活かして、WEBライターになる方法もあります。
WEBライターとは、WEB上にある記事を書く仕事。
あなたが今読んでいるこの記事もWEBライターが書いています。
WEB記事を書くうえでは、資格を持っていたり、専門的な内容が書けたりすると有利です。
そのため、国家資格を持っていて、実際にキャリア相談の経験があるキャリアコンサルタントに記事を書いてほしいという企業はかなり多くあります。
実際、キャリア系の記事を書く案件には1文字で5円もらえるものもあります。
WEBライターの平均的な執筆スピードが1時間1000文字なので1文字5円だと、時給5000円。かなり高単価ですよね。
極めれば月収50万円くらい稼げるようになりますよ。
就職・転職支援に特化したサービスを作る
キャリアコンサルタントという肩書きを使って、就職・転職支援に特化したサービスを作る方法もあります。
キャリア相談に加えて、面接対策、履歴書添削で学生や転職者を集め、その人たちを企業とマッチングさせることで収益を上げるのです。
その他にも
- SNSでフォロワーを増やして人材募集の広告を流す
- 有料でマンツーマンのキャリア支援をする
など、工夫次第でさまざまなサービスを作ることができます。
ただし、実際にそのようなサービスを作っている人は、チームを組んで仕事をしています。
1人でサービスを作ることもできますが、難易度が高くなるので協力者を集めるのがおすすめです。
キャリアコンサルタントを育てる立場になる
キャリアコンサルタントが国家資格であることや、転職市場が大きくなっていることから現在、キャリアコンサルタントを目指す人は増えています。
そのため、キャリアコンサルティングを教える立場になって稼いでいる人も多くいます。
具体的な仕事は次の2つ。
- 講師として生徒に指導をする
- キャリアコンサルタントになるための塾を開設する
フリーランスとしてがっつり稼いでいきたい人は塾を開設するのがおすすめです。
ただし、やみくもにやっても稼げないので、塾を開設するときには集客方法や指導方法をしっかり勉強して、他の塾と差別化しましょう。
キャリアコンサルタントがフリーランスになる5ステップ
フリーランスのキャリアコンサルタントとして稼ぐために必要なことをお伝えしてきましたが、そもそも「どうすればキャリアコンサルタントになれるの?」と疑問を持っている人も多いはず。
ここからはキャリアコンサルタントになる手順をお伝えしていきます。
お伝えする手順を実践してもらえば着実にキャリアコンサルタントとして独立でき、稼げるようになりますよ。
ステップ1:資格を取得して経験と実績を積む
まずは、資格を取得してキャリアコンサルタントとしての経験を積みましょう。
多くの人が仕事を依頼するときにまず見るのが、実績です。
資格の有無はもちろんのこと
- 何年間やっているのか
- どれだけ多くの人を支援してきたのか
- 現場での経験はあるのか
をみて、キャリアコンサルタントを選びます。
そのため、実績がない状態で仕事を取るのはかなり難しいのです。
まずは教育機関か人材紹介会社に入社して、キャリアコンサルタントとしての経験を積みましょう。
ステップ2:戦略を立てて副業をする
経験を積んだら、次は実際に個人で仕事を取ってきます。
ただし、いきなり独立するのは危険。
収入が激減して生活できなくなるリスクがあるからです。
また、収入を維持させるために直近お金になる仕事ばかり受けると、「収入にはならないけど実績を作れる案件」を取れなくなります。
それでは長期的に稼いでいくことができません。
そのため、まずは副業で安全に実績を作っていきましょう。
経済的な余裕があるので、独立後に役立つ他の資格やスキルを身につけるのも良いと思います。
ステップ3:開業届を提出する
副業をある程度続けたら開業届を提出する準備をしましょう。
開業届は事業を開始してから1ヶ月以内に提出する必要があります。
開業届を提出することで、
- 事業用の口座の開設
- 青色申告の申請
ができるようになります。
開業届の手続き自体は難しいものではないので、必ずやってくださいね。
手続き方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
ステップ4:独立の準備をする
独立前にはしっかり準備をしておきましょう。
特にやっておいてほしいのは、「引越しをする」「クレジットカードを作る」の2つ。
実は、会社員をやめてフリーランスになると収入が不安定になるので、社会的信用度がガクッと落ちます。
その結果、賃貸物件やクレジットカードの審査に落ちやすくなるので、会社員のうちに引っ越したり、クレジットカードを作っておくようにしましょう。
ステップ5:退職届を出して社会保険に加入する
独立の準備ができたら、退職届を提出しましょう。
すでに開業届を出している場合は、その瞬間に独立したことになります。
そして、独立したらすぐに社会保険に加入しましょう。
これまで会社が負担してくれていた保険がなくなるので、自分で保険に加入しなければいけないのです。
フリーランスが加入すべき保険は「国民年金保険(国民年金)」と「国民健康保険」です。
これらの保険は加入が義務付けられているので、必ず入るようにしましょう。
特に「国民健康保険」は未加入がバレると、罰金を支払わなければいけません。
会社からの保険が切れてから14日以内に手続きをする必要があるので、忘れないようにしてくださいね。
フリーランスのキャリアコンサルタントが集客する方法
フリーランスのキャリアコンサルタントになるうえで、集客ができるかは不安要素の1つだと思います。
集客の方法がわからない、集客できなくて収入が上がらないという方も少なくありません。
そこで、ここからはキャリアコンサルタントが集客する方法をご紹介していきますね。
交流会で人脈を作る
キャリアコンサルタントで集客する方法として、交流会で人脈を作るということがあります。
フリーランスのキャリアコンサルタントは同業者から仕事を紹介してもらえることが多いからです。
今ではインターネットで少し調べただけで、キャリアコンサルタントの交流会が出てくるので、積極的に参加していきましょう。
また、経営者がいる交流会にチャレンジしてみるのもおすすめです。
すぐに仕事につながるわけではありませんが、将来的に大きな仕事を依頼される可能性がありますよ。
SNSやブログで発信する
キャリアコンサルタントの集客にはSNSやブログを使うのもおすすめです。
SNSやブログの一番のメリットはお金がかからないこと。
独立するのにあまりお金をかけられないという人にもおすすめです。
また、ブログはWEBライターとして仕事を取るときにも役立ちます。
ブログで質の高い文章を書けることをアピールすれば、案件を獲得しやすいですよ。
ただし、SNSやブログは結果が出るまで少し時間がかかるので、長期的な目線で行動するのが大切です。
マッチングサービスを使う
最近ではキャリアコンサルタント向けのマッチングサービスもあります。
マッチングサービスを使えば、キャリアコンサルタントを求めているクライアントに直接アプローチできます。
おすすめのマッチングサービスはこちらの3つです。
企個人とマッチングできるのが「ミートキャリア」「cotree(コトリー)」、両方できるのが「キャリコンサーチ」です。
自分が取りたい案件によって、サービスを選びましょう。
ただし、マッチングサービスは手数料がかかるのでその点は注意してくださいね。
まとめ
今回はフリーランスのキャリアコンサルタントについてご紹介してきました。
本文でもお伝えしたようにキャリアコンサルタントがフリーランスとして稼ぐために、必要なのはキャリアコンサルタントのスキルと他のスキルをかけ合わせることです。
具体的には次のような方法があります。
- カウンセリングやコーチングのスキルも身につける
- 社会保険労務士の資格とかけ合わせる
- キャリアに特化したWEBライターになる
- キャリアコンサルタントを育てる立場になる
- 就職・転職支援に特化したコンサルタントになる
今回お伝えしたことを参考にしても良いですし、他の方法を自分で考えて挑戦するのも良いです。
ぜひ、これまでの経験や自分の強みを活かして、自分だけの戦略を立ててみましょう。
それができればライバルたちと差別化できて、稼げるようになりますよ。
質問や感想があればご記入ください