デザインやマーケティングについて調べるとよく見かけるランディングページという言葉。
LP(エルピー)と省略されることも多いですが、実際に見にいってみるとHP(ホームページ)との違いがわからなかったという方も多いのではないでしょうか。
しかし、WEB業界ではLPとHPは全く違うものなのです。
本記事ではLPとHPの違いがわからない方に向けて、以下の3つを解説します。
- LP(ランディングページ)の意味
- LP(ランディングページ)とHP(ホームページ)の違い
- LP(ランディングページ)を使うメリットとデメリット
記事の最後ではWEBデザイナーの方に向けてLPの効果を高める秘訣も紹介するので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
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LP(ランディングページ)ってそもそも何?
まずはLPとは何なのか、定義から解説していきます。
LP(ランディングページ)が持つ2つの意味
「LP」について調べてみると、以下の2つの意味が出てきます。
- 商品を売るための縦長のページ
- 訪問者が最初に自社商品について着地するページ
これだけだとHPと違い「とにかくユーザーに商品を購入してもらうためのページ」のようですが、LPを見ただけではそこまで購入に特化したページとも思えません。
なので、次はこの2つの意味を深掘りしていきます。
広義の意味は「ユーザーが最初に訪れたページ」
ランディングとは日本語で着地という意味であり、ランディングページとはユーザーが最初に着地した(訪れた)ページを指します。
たとえば広告をクリックしてA社のページを開いたり、Google検索で上位に表示されたB社のページをクリックした際にユーザーが最初に見るページのことをランディングページと言います。
なので広義においてLPは「こういう内容のもの」という決まりがないのです。
特にWEBマーケティングの世界ではそれが顕著で、アクセス解析の際に用いられるGoogleアナリティクスにある「ランディングページ」の項目には「ユーザーが最初に目にするのはどのページか」がカウントされて表示されることになっています。
狭義の意味では「商品・サービスの情報をまとめた単体のページ」
広義の意味として「ユーザーが最初に訪問したページ」と説明したLPですが、現在ではほとんどの場合「商品・サービスの情報をまとめた単体のページ」という意味で通っています。
なのでWEBマーケターやWEBデザイナーにとってLPは「初めて自社の商品やサービスを知ったユーザーに購入や申し込みを促す、売上に直結する重要なページ」と認識されているでしょう。
なので多くのLPは最初にユーザーの目を引く広告的な内容が来ており、スクロールしていくと資料請求やお申込みページ、購入ページに繋がるボタンが配置されていることがほとんどです。
とにかく実績や効果を紹介するために縦に長いLPもあれば、すぐに商品ページに移動してもらうためにかなり短いページ構成になっているLPも存在します。
なので今WEB業界でLPと聞いたら「販促用のページ」と理解していれば問題ありません。
HP(ホームページ)とは
LPとHPの違いを理解しやすいように、HPとは何かも説明しておきます。
実はHPにも複数の意味があり、広義ではLPと同じく「ユーザーが最初に目にするページ」のことを指します。
しかしWEB界隈ではこちらの意味で使われることは少なくなってきています。
現在のWEB業界で使われるHPの意味は「複数階層で構築されているWEBサイトの1階層目(トップページ)、あるいはWEBサイト全体のこと」か「最低限の情報(会社紹介や業務内容、お問い合わせ先)などが1ページにまとまっているページ」のことを指します。
使う機会としては前者の方が多いので、HP=トップページという認識である程度は問題ないでしょう。
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LP(ランディングページ)とHP(ホームページ)は何が違う?
それではここからは、具体的にLPとHPの違いを解説します。
違いが分かりやすいように5つの項目にわけてその違いを解説するので、それぞれの特徴を捉えながらHPとLPの違いを理解するようにしてください。
目的・達成目標
1つ目の違いは、ページの目的・達成目標です。
HPの目的は「自社をまず知ってもらうこと」「役立つノウハウやコンテンツを提供すること」など多岐に渡ります。
一方でLPの目的はたった1つ「商品やサービスを販売する(申し込みへ誘導する)」です。
なのでLPには基本的に会社概要などの項目がなく、商品やサービスに関する宣伝がとにかく記載されています。
この違いはかなり顕著なので、これだけでもHPとLPを見分けることができるのではないでしょうか。
性質や性能
2つ目の違いは、ページの性質や性能です。
HPは前述の通り自社を知ってもらうことが目的にあるため、性質として網羅的な情報が記載されていることがほとんどです。
具体的に言うと「会社概要」「企業理念」「プレスページ」「採用情報」など、会社の内容やブランドを知ってもらうための情報が記載されています。
一方でLPは特定の商品・サービスの販売を目的としているため、性質としてユーザーに商品を魅力的に感じてもらうための仕掛けが多く散りばめられています。
具体的に言うと「商品・サービス紹介」「口コミ」「FAQ」「コンバージョンボタン(購入や申し込みのボタンのこと)」など、販売に直結させるための項目がページ内に設定されています。
ターゲット
3つ目の違いは、ターゲットです。
HPのターゲットは「顧客や取引先、従業員や投資家など、すでに自社や商品・サービスを知っている人、あるいはより詳しく知りたい」という人です。
なのでHPには会社情報やIR情報、商品・サービスの説明などの基本的な内容が網羅されていることが多いです。
一方LPのターゲットは「見込み客(自社商品やサービスに興味はあるものの、購入に至っていない層)」のため、LPにはとにかく自社の目玉商品や魅力的なサービスを記載して新規顧客の獲得に繋げることが必須になります。
そしてLPには、商品やサービスによってターゲット層が毎回変わるという特徴があります。
たとえば新商品が名刺入れだったとして、クールな色合いのものであればターゲット層は20代以上の男性ということになります。しかし新商品が控えめな暖色の名刺入れだった場合、ターゲット層は20代後半から30代の女性に変化するでしょう。
このように、商品やサービスに合わせて毎回ターゲット層が変化し、それにより内容やデザインも大きく変わることがLPの特徴だと言えます。
ページ数
前述の内容から推測がたつと思いますが、HPとLPにはページ数にも大きな違いがあります。
HPをWEBサイトと同義として捉えると、HPには事業内容や会社概要、IR情報やお問い合わせフォームなど複数のページが存在します。少なくとも1枚で構成されていることはめったにありません。
しかしLPは1つの商品・サービスに特化した販促ページのため、そのほとんどは1ページで作成されています。
反対にLPが複数ページで構成されており、あの商品もこの商品も紹介と複雑になっていくとターゲット層がばらけてしまいなかなか購入まで繋げることができません。
なのでHPは全ての情報を網羅的に紹介するのでだいたい5〜10ページ、LPは1つの商品・サービスに特化した販促ページなので1枚にまとまっていると覚えておきましょう。
制作費用
先ほどのページ数が大きく関わってくるのですが、HPとLPには制作費用にも大きな違いがあります。
HPは制作するページ数が多い(複階層で作る必要がある)こと、そして会社の核となる重要なページであることなどから制作費用は大体20〜40万円が相場とされています。
しかしLPは1ページで作成するため工数もHPに比べるとかからないことから、大体10〜20万円が相場とされています。
HPは一度作成すれば長く使うものという前提があるものの、LPはその目的から新商品が出る度に作成する可能性があるので、そこも考慮した価格設定といえるでしょう。
LP(ランディングページ)を制作するメリット
ここからは、LPを作るメリットについて解説していきます。
知りたい情報がまとまっている
LPを制作することで得られる最も大きなメリットは「ユーザーが知りたい情報が1ページ内にまとまっているため、衝動的な購入を誘発しやすいことです。
HPには「お問い合わせ」「お役立ちブログ」「サービス一覧」など、商品購入には直接的には繋がらない情報が複数存在しています。
これは企業について詳しく知りたい方にとってはメリットですが、偶然HPに訪れた新規顧客に対しては刺さる情報がなく、商品購入に繋がる下層ページに自らたどり着いてもらわなければいけないというデメリットにもなってしまいます。
一方でLPは1ページの中に購入に繋がる情報がまとめられています。なので「あの商品が買いたい!」という目的を持って訪れてくれた新規顧客を逃すことなく、即購買に繋げることができます。
ユーザーに情報を伝えやすい
LPのメリットはとにかく「特化した情報をユーザーに届けられる」点です。
LPを訪れる新規顧客は、検索などで「○○のようなものが欲しい」というフックを持っています。なのでその人のフックに引っかかる文言(今だけ○○%オフや、○○がこれだけで解消される!など)をストレートに伝えるだけで購入に繋がります。
反対に色々なサイトの商品を見たいだけでLPを訪れた新規顧客には「こんなことでお悩みではありませんか?」「この商品やサービスを使えば解決できます」「今ならこれもセットでこの価格です」という流れを無駄なく訴求することで購入に繋げるという使い方もできます。
要はHPと違い、必要な情報だけを適切な順序で訴求できる(情報を伝えやすい)ことがLPのメリットなのです。
デザインの幅が広く訴求力が高い
LPはレイアウトに制限がないため、デザインの幅が広いこともメリットの1つです。
LPは1つの商品やサービスに特化した独立ページでありHPに無理にデザインを合わせる必要もないため、色や使用する画像、図、フォントやサイズも思い通りに作成でき「商品・サービスをどのように訴求すれば最大数の新規顧客を購入に繋げられるか」という試みをある程度は自由に試すことができます。
つまりHPよりも訴求力を高めることができるため、売上増加などの効果を見込みやすくなります。
ターゲットや掲載場所ごとに訴求内容を最適化できる
LPはターゲットや掲載する場所ごとにページのテイストを変えることができます。
たとえばLPの制作中に「ターゲット層を30代主婦から50代男性に変更しよう!」という路線変更があった時は、ページのレイアウトはそのままで色や訴求内容を少し変えるだけですぐに50代男性向けのLPにすることができます。
また、掲載場所がリスティング広告(検索して一番上に表示される広告)なのか、SNS広告なのか、SNS広告の中でもInstagram広告なのか、Facebook広告なのかによってもユーザーの反応やメインターゲットの年齢層が大きく異なります。
それぞれのユーザーに刺さる差分を作っておけば、ターゲット層が変更になっても掲載場所が変わっても、訴求内容と効果を最適化することが可能になります。
LP(ランディングページ)を制作するデメリット
ここまでを読むと、LPを制作することはメリットばかりのように見えますが、もちろんLPにもデメリットは存在します。
本項目ではLPのデメリットについて解説します。
制作費用が高い
LPはデザイン性が高いページなので、パソコンが苦手、あるいはデザインの知識がない状態で作ることは難しく、ほとんどの場合は制作会社に発注しなければいけません。
ただしそうなるとLP1ページあたりの相場は10〜20万円と言われているので、1商品・サービスに対してのLP制作依頼だけでそれだけの額が飛んでいくことになります。
さらに色やテキストを変えた差分の作成や、効果測定後の修正依頼などはオプション扱いになっていることが多いので、実際には想定以上に費用がかかります。
なのでLPの制作依頼をする際はそれによってどれだけの新規購入が見込めるのか、費用対効果を事前に試算する必要があります。
制作に時間がかかる
LPはうまく使えば売上アップにつながる武器になりますが、その分手間がかかるものでもあります。
外部に依頼することになれば、イメージのすり合わせ、商品理解のためのインタビュー、制作物の修正依頼など想像以上に手間がかかってしまい、実際に使えるようになるまで時間がかかることがネックになります。
可能であれば社内でインハウスのWEBデザイナーを雇用するなど、自社内で完結する仕組みを作った方がレスポンスも早くなるでしょう。
直帰率が高い
直帰率が高いこともLPのデメリットです。
直帰率とは「ユーザーが最初にアクセスしたページしか見ずにサイトを離脱してしまった割合」を指し、低ければ低いほど良いといわれています。
しかしLPでは商品購入は申し込みなどに直結するリンクだけを設置するのが原則のため、ユーザーが商品に興味を持たなければ関連ページを見てもらう機会すら作ることができず、結果的に直帰率が高くなります。
訴求できる範囲が1ページしかないことが、直帰率に関して言えば悪い方向に働いてしまうのです。
SEO対策にならない
かなり専門的な話になるのですが、LPは基本的に広告を使って有料で宣伝しなければなりません。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、見出しや本文に書かれている内容から検索上位に表示するサイトを判定します。しかしLPの作り方は基本的なSEO対策の型からは大きく外れている(画像を多用し本文が少ない、インパクトの強い構成で組むことが多い)ことが災いし、検索で上位に表示されることはありません。
また、画像を多く使うことでページ全体が重くなることが多く、検索エンジンに表示速度の遅いページと判断されてしまうためSEOでは不利なのです。
なのでLPは基本的にお金を払い「スポンサー」として検索上位に表示してもらわなければならず、制作以外にも費用がかかってしまうのです。
LPの効果を高める方法
ここまでLPのメリット・デメリットについても詳しく解説してきましたが、最後に本項目ではLPの効果を高める方法を紹介します。
LPは制作に時間やコストがかかる一方、うまく活用できれば売上アップに直接つながります。なのでここで紹介するコツを参考にして、よりLPの効果を最大限引き出せるようにしましょう。
スマートフォン版を作成する
商品やサービスの種類によりますが、LPはスマートフォンで見るユーザーも少なくありません。むしろ最近のユーザーはほとんどがスマートフォンでサイトを閲覧しているとまで言われています。
なので、スマートフォンでもしっかり表示されるレイアウトを作成しておけば「スマートフォンからは見づらくてユーザーがページを離脱してしまう」という機会損失を防ぐことができるのでオススメです。
スマートフォン版のページは、PCでは正しく表示できていた画像が見切れてしまったり、一行の折り返し場所が変わって本文がとても見えづらくなるなどの問題が発生しやすいと言われています。
なので制作を依頼する際には必ず「スマートフォンに最適化したデザインも制作してください」と忘れずに伝えるようにしましょう。
ページの閲覧数を増やす
LPの効果を高めるには、まずはページを見てくれる人の数を増やすことが必須です。
流入数を増やすためにはリスティング広告やSNS広告が取り掛かりやすいですが、それには広告費がかかります。
どうしても費用を抑えたい場合は、SNSを効果的に運用し、投稿の中に少しずつ宣伝(LPのQRコードを載せた投稿など)を混ぜることでLPへの流入数を増やすようにしてみましょう。
昨今のマーケティングはSNS無くして語れないとまで言われているので、SNSでの宣伝には最大限力を使うようにしてみましょう。広告を打つより効果が表れるのは遅いですが、長く続けていればそれなりの宣伝効果を見込めるでしょう。
分析ツールを使いユーザーの動きを分析する
ヒートマップやGoogleAnalyticsなどの分析ツールを使って、LP内のユーザーの動きを分析するのも有効です。
ユーザーにあまり見られていない箇所を改善したり、ボタンを目立つようにしたり、配置場所を変えたりすることでより効果的なLPに仕上げることができます。
たとえばボタンの色を黄緑から緑に変えただけでクリック数が2倍になったり「資料を無料で受け取る」を「無料で資料を受け取る」に変えるだけでクリック数が5倍になるなど、少しの変化で劇的な効果を得られることもあります。
細かい分析が苦手という人は、まずは分析ツールを毎日眺めることから初めてみてください。少しずつ変化に気づけるようになり、簡単なことでクリック数が増やせた時にはやりがいを感じられるはずです。
ABテストを実施して改善に努める
ABテストとは、複数のパターンのLPを用意して、どれが一番効果的かを比較するテストです。
複数パターンのLP制作が必要になるため費用はかさみますが、自社のLPとしてはどのパターンが最も効果的かを分析することができるので、ABテスト以降は自社に適したLPデザインを的確に依頼することができるようになって費用も抑えられます。
テストで分析した情報は全て蓄積していくことで、将来的には「自社に最適化したLPデザイン」というとんでもなく価値が高い情報を持つことができるのでオススメです。
先行投資だと思って、何パターンも試してみましょう。
まとめ
今回は、LPとHPの違いやLPのメリット・デメリット、LPの効果を高めるコツについて紹介しました。
LPは制作コストが大きいですが、その分うまく活用できれば費用対効果も大きいとされています。LPには正解があるわけではなく、状況や自社のブランド、ちょっとした文言やサイトデザインなどでその効果は大きく変わってくるでしょう。
それらを上手く分析しながら、最終的には商品・サービスの大幅な売上増につなげられるよう、諦めずに何度も検証してLPを打ち出していきましょう!
参考記事:ホームページ制作の流れ・手順を網羅|発注後・制作工程でやるべきことはこれ【フロー図で解説】|株式会社アップグレード
参考:ホームページで成果を出すために、サブローマルがしたこと4選