WEBデザインは常に進化を続けています。新しい技術やトレンドが次々と生まれ、WEBデザイナーは常に最新情報を学習することが求められています。
しかし、最新トレンドを意識するべきかどうかは、WEBデザイナーによって意見が分かれるところです。
「最新トレンドを意識することで、ユーザーの興味を引くWEBサイトを作れる」という意見もあれば、「流行を追いかけるあまり、ユーザーにとって使いにくいWEBサイトになってしまう」という意見もあります。
どちらの意見も一理ありますが、結局のところは「WEBサイトの目的」や「クライアントの意向」によって、最新トレンドを取り入れるかどうかを判断することになります。
最新トレンドばかりを追う必要はありませんが、その時になって柔軟に対応するためには、ある程度のトレンドは押さえていた方がよいでしょう。
本記事では、WEBデザインの最新トレンドを知りたい方のために、2024年最新のWEBデザインのトレンドを20個厳選してご紹介します。
また、2024年も上半期が終わって残り半年。2025年のトレンドになりそうなWEBデザインについても触れています。
WEBデザインのトレンドを先取りしたい方は、ぜひ読んでみてくださいね。
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2024年最新のWEBデザインのトレンド
最新のWEBデザインのトレンドとして、主に以下の5つがキーポイントとして挙げられます。
- AI機能
- アナログ・レトロ感
- 動画
- ユーザー体験の向上
- フォント
WEBデザインのトレンドには、単なるビジュアル面だけでなくテクノロジーの発達や社会背景も大きく関係します。
例えば、AI機能の発達によって、WEBサイトに訪れたユーザーは、よりパーソナライズされたコンテンツを見ることができるようになりました。
また、2024年4月の「障害者差別解消法」改正により、事業者にも合理的配慮が義務化されるようになったことも、WEBデザインのトレンドに影響をもたらしているでしょう。
WEBサイトにおいては、障害のあるなしに関わらず「誰でも利用しやすい」状態である「ウェブアクセシビリティ」や、ユーザーの使いやすさを重視した「ユーザビリティ」がこれまで以上に求められています。
AI機能を利用したトレンドデザイン
AIの普及拡大に伴い、AI機能を利用したWEBデザインはトレンドの1つになっています。生成AIによるWEBデザインには、以下のような例が挙げられます。
- オリジナリティのある画像やイラスト、動画を生成する
- 求めるテイストや機能をもとに、WEBサイトのレイアウトを自動で作成する
- WEBサイトにおける適したカラースキームを作成する
上記の画像は、Ainovaが提供する無料画像生成ツールを使い「WEBデザイナー」と入力して生成された画像です。
撮影しなくても求めているイメージ画像をAIによって作ることができるのは、技術の大きな一歩と言えます。
WEBサイトを用意したい企業が多い反面、リソース不足で画像素材を準備する余裕がないといった場合にも生成AIを活用できるでしょう。
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アナログ感・レトロ感が出るトレンドデザイン
「アナログ感」や「レトロ感」のあるデザインは、過去に流行したデザイン要素に現代の技術を取り入れたリバイバルデザインです。
どこか懐かしい雰囲気は情緒的で、WEBサイトに訪れたユーザーに親しみやすさを与える効果があります。アナログ感やレトロ感の出る代表的なデザインは、以下の通りです。
- Y2K|2000年前後に流行した鮮やかなデザイン
- レトロポップ|90年代を感じさせる淡いデザイン
- ピクセルアート|インターネット黎明期のデザイン
- ハンドクラフト|雑誌のような味わいのデザイン
- ヴェイパーウェイヴ|音楽発祥の未来的なデザイン
Y2K|2000年前後に流行した鮮やかなデザイン
Y2Kとは、1990年代後半から2000年代前半において、デザインや音楽、ファッションなどで流行したカルチャーのことです。カラフルで鮮やか、明るい色彩が用いられており、パワーみなぎる印象があります。
平成レトロなY2Kを取り入れたデザインは、当時流行を楽しんだミレニアル世代だけでなく若い世代からの人気も集めています。
WEBデザインにおいてもY2Kを意識することで、前向きで明るい印象を与えるサイトに仕上がるでしょう。
レトロポップ|90年代を感じさせる淡いデザイン
昭和・平成を想起させるレトロなデザインに、明るく楽しい雰囲気をミックスさせたデザインが「レトロポップ」です。
鮮やかさを抑えたレトロな色調に、ポップのにぎやかさを加えることで、淡いカラーを多用した可愛らしいデザインになります。
幼少期に遊んだおもちゃやフィルム写真を思わせるテイストは、ユーザーの感情に訴えかけ、ノスタルジーを感じられるでしょう。
ピクセルアート|インターネット黎明期のデザイン
「ドット絵」とも呼ばれるピクセルアートは、インターネットの黎明期を思わせる独特なデザインです。ピクセルを1つずつ着色して形作られ、近年では芸術としても注目されています。
昭和~平成初期に流行したテレビゲームのような解像度の低いデザインを、敢えて現代に取り入れることによって、懐かしさを感じるテイストで強烈な印象を与えられます。
また、Z世代など若い方の身の回りには、高い解像度の鮮明・精細なイラストや画像が当たり前のようにあふれています。
当時を経験していない世代にとっても、ピクセルアートは逆に新鮮で目立たせられるデザインになるでしょう。
ハンドクラフト|雑誌のような味わいのデザイン
ハンドクラフト風のデザインは、写真やイラストを切り貼りして作られたスクラップブックのような風合いがあります。
ハンドクラフト風のWEBサイトでよく使われる、手書き風のフォントやコラージュは、サイトを訪れたユーザーに親しみやすさを感じさせられるでしょう。
完成された隙のないデザインと違い、手作り感があり、柔らかく温かさのあるデザインです。
ヴェイパーウェイヴ|音楽発祥の未来的なデザイン
ヴェイパーウェイヴとは、2010年代に誕生した音楽ジャンルのことです。WEBデザインにおいては、ネオンカラーや鮮やかな色のグラデーションが用いられ、レトロな中に未来的な要素が感じられます。
かつては、物が大量生産・消費され、やがて忘れ去られることへの風刺的な意味合いがありました。しかし現代では、明るい未来に向かっていくポジティブなイメージが強くなっています。
動画の要素を取り入れたトレンドデザイン
2024年のWEBデザインのトレンドで、外せない要素の1つである「動画」です。サービスや商品をより効果的に伝えるために、さまざまなWEBサイトで動画が用いられることが増えています。
画像よりもファイルサイズが大きい動画は、WEBサイトに埋め込むとサイトの表示速度が遅くなる懸念がありました。
しかし、5Gの普及や技術の進化、デザインの工夫により、WEBサイトを重たくさせずに動画を取り入れられるようになってきています。
ここでは、若い世代に人気の「ショート動画」を活用したWEBデザインや、動画のように演出させる「モーションアンドインタラクティブ」を紹介します。
ショート動画|今流行りで目を引くデザイン
若い世代を中心にTikTokやInstagramのリールをはじめ、YouTubeなどのプラットフォームでも「ショート動画」が多く投稿・視聴されています。
WEBサイトでも同様に、ショート動画を取り入れたデザインが増えてきました。再生時間が短く、繰り返し流れるショート動画は、ユーザーの興味をぐっと引き込む効果があります。
さまざまなSNSで流行していることもあり、デザインに採用することでトレンドに敏感であるという認識を持ってもらえるでしょう。
モーションアンドインタラクティブ|動画演出を取り入れたデザイン
モーションアンドインタラクティブとは、動画を使って演出し、ユーザーと双方向のコミュニケーションを図るデザインです。
視聴者に、ただ情報を発信する目的で動画を流すデザインではありません。動画を使ってサービスや商品をプロモーションし、視聴したユーザーが何らかのアクションを取りやすいように演出します。
視覚と聴覚に訴えかける動画は、ユーザーに伝えたいことをよりイメージしてもらいやすくなるでしょう。
ユーザー体験を向上させるトレンドデザイン
インターネットが私たちの生活に深く浸透し、なくてはならないものになっている現代では、WEBデザインが誰にとっても使いやすいものであることがより大切な要素になっています。
「欲しい情報がすぐわかる」「使いにくさを感じない」など、サイトに訪れたユーザーが快適に閲覧できるデザインは、好印象を与えサービスの利用や商品の購買につながっていくでしょう。
ここでは、ユーザー体験を向上させられるトレンドデザインを紹介します。
- 非日常を味わえる没入感のあるデザイン
- スクロールテリングデザイン|画面の変化を楽しめるデザイン
- グリッド・タイルデザイン|スマホで操作しやすいデザイン
- モバイルファーストデザイン|スマホように振り切ったデザイン
- 横スクロールデザイン|ページをめくるようなデザイン
- パララックスデザイン|流行再燃の3Dデザイン
非日常を味わえる没入感のあるデザイン
動画や音楽、エフェクトなどを使った没入感のあるデザインも、トレンドの1つです。ユーザーが非日常感を味わえる点が魅力であり、ブランドの世界観を効果的に伝えられます。
進化したテクノロジーも組み合わせて、ユーザーのアクションによってビジュアルやコンテンツが変化するデザインは、洗練されたイメージを与えられるでしょう。
スクロールテリングデザイン|画面の変化を楽しめるデザイン
「スクロールテリング」とは、ユーザーのスクロールに合わせてコンテンツが遷移し、サイトを物語のように閲覧できる手法のことです。
下記のような要素を活用して、制作されているものが多くあります。
- アニメーション
- エフェクト
- ゲーミフィケーション
- 3Dビジュアル
伝えたいことやサービス内容にストーリー性を持たせることで、ユーザーの興味をぐっと惹くことができるでしょう。
テキストが多く、ただ読むだけでは時間がかかってしまうコンテンツなどにも活用できるデザインです。
グリッド・タイルデザイン|スマホで操作しやすいデザイン
グリッドデザインやタイルデザインは、コンテンツがラインに沿ってきれいに並んで表示されるデザインです。
パソコンに比べて画面が小さいスマホでも操作しやすく、使うデバイスを問わない利便性の高さが魅力です。
多くの情報を発信したいサイトでも、グリッドデザインやタイルデザインを採用することでコンテンツが整然と並び、ユーザーにわかりやすく伝えられるでしょう。
モバイルファーストデザイン|スマホ用に振り切ったデザイン
令和5年に総務省が実施した「通信利用動向調査」によると、スマートフォンを保有している世帯の割合は90.6%と年々増加傾向にあります。
かつてはパソコンでインターネットを利用する人が多かったため、WEBサイトもパソコンで見たデザインに重きを置いていました。
しかし、現在はスマホでサイトを見る人が多くなったため、はじめからスマホ用に振り切ったデザインのサイトが増えています。
モバイル用のデザインをメインとして制作することで、パソコン用と分けて考える必要がなく、手間と費用を削減できるメリットがあるでしょう。
引用:総務省「令和5年通信利用動向調査」
横スクロールデザイン|ページをめくるようなデザイン
スクロールすることで画面が横に動くデザインは、近年取り入れるサイトが増えている注目のデザインです。
本やパンフレットのページをめくるような動きで、物語を読み進めるようにしてWEBサイトを閲覧できます。
縦スクロールが多いなかで、特徴のある横スクロールデザインはユーザーに強い印象を残せるでしょう。
パララックスデザイン|流行再燃の3Dデザイン
「パララックスデザイン」とは、3Dアニメーションやエフェクトなどを使用して、WEBサイトに視覚効果を持たせたデザインのことです。
WEBサイトに奥行きや立体感を演出し、強調したい要素を自然にアピールさせるのにも効果的です。
平面的な2Dよりも立体感のある3Dは私たちの感覚に近く、エネルギーや質感をわかりやすく伝えられるでしょう。
フォントに重きを置いたトレンドデザイン
デザインのなかでも「フォント」は大切な要素の1つです。フォントによってWEBデザインのイメージや雰囲気は大きく変わります。
テキストを見やすく・読み取れることが大切であると同時に、サイト全体のブランディングにも影響を与えるでしょう。
ここではフォントに重きを置いたデザインである「タイポグラフィー」やフォントの「反転カラー」について解説します。
タイポグラフィー|文字でインパクトを出すデザイン
文字をメインにしてデザインされたものはタイポグラフィーと呼ばれており、強いメッセージ性を出すことができます。
「メッセージ性を出したい」「ファーストインパクトを大きくしたい」という場合には、ピッタリのデザインです。
反転カラー|サイト全体に統一感が出るデザイン
WEBサイトのなかには、画像やイラストなどほかの要素と重なるフォントのカラーを、反転させるデザインもあります。
反転カラーによって使用する色の数が絞られるため、サイト全体に統一感が出せるでしょう。
また、反転カラーは色の効果で目立たせることが可能です。とくに注目を集めたいテキストに使用するのもおすすめです。
WEBデザインの最新カラー・配色トレンド3選
WEBサイトの印象を大きく左右する要素の1つが「カラー・配色」です。サイトが伝えたいことやブランディングを、目的に沿って表現できるように色を選ばなければなりません。
また、私たちは無意識のうちに、以下のような色のイメージを持っています。
- 青:落ち着きのある、冷静、知性など
- 緑:森林などの自然、安らか、調和など
- 赤:情熱がある、元気、高揚など
- 黄:活発である、明るい、ポジティブ
WEBデザインを通して、ユーザーにどのような感情を与えたいかも合わせて検討するとよいでしょう。
2024年のトレンドカラーや、配色のトレンドを紹介します。
2024年のトレンドカラー
毎年発表されるトレンドカラーは、その時代の世相を表すとも言われます。WEBデザインに限らず、ファッションやメイク、雑貨などに反映されることも多くあります。
社会全体の流れを映し出すため、トレンドカラーをコンテンツに上手に取り入れることで、ユーザーの心理に訴えかけられるでしょう。
以下より、トレンドカラーを発表する2社を紹介します。
PANTONE社「ピーチ・ファズ」
アメリカに本社があるPANTONE社が、2024年のトレンドカラーに選んだのは「ピーチ・ファズ」です。
ピーチ・ファズは以下のような特徴のあるカラーです。
- ピンクとオレンジの間にあるピーチカラー
- 思いやりや温かな優しさを感じる
- ヴィンテージ感がありながらも現代的な雰囲気を持つ
一般社団法人 日本流行色協会「ハロー!ブルー」
東京都に事務所を構える、一般社団法人 日本流行色協会が選んだ2024年のトレンドカラーは「ハロー!ブルー」です。
- 明るく柔らかな青色
- クリーンでさわやかさを感じる
- 冷静で落ち着き感のある
グラデーションカラー
グラデーションは複数の色を使うことで、陰影を付けたりオリジナリティのある世界観を作り出せたりするのが特徴です。
動的なアニメーションなどがなくても、サイトの奥行きや柔らかな印象を与えられます。
しかし、アプリアイコンでもWEBサイトでも多用されすぎているので、数年後に見ると古い時代感がでてしまうかもしれない懸念があります。
流行を追いかけ過ぎないグラデーションに調整できるとよいでしょう。
【まとめ】2024年WEBデザイン最新のトレンドは効果的に取り入れよう
本記事では、2024年の最新WEBデザインのトレンドを、以下の5つの項目に分けて紹介しました。
- AI機能を利用したデザイン
- アナログ感・レトロ感が出るデザイン
- 動画の要素を取り入れたデザイン
- ユーザー体験を向上させるデザイン
- フォントに重きを置いたデザイン
各テイストがユーザーに与える効果はそれぞれ異なるため、WEBデザインの目的をきちんと理解したうえで、どのような要素を取り入れるか決定することが大切です。
また、世代に関係なく多くの人が日常的にインターネットを使用する時代です。どのユーザーに対しても使いやすく、わかりやすいデザインであることも、これからより大切になっていくでしょう。
WEBデザインに限らず、トレンドは流動的で移り変わりが早いものです。今の流行を押さえるだけでなく、少し先の未来でトレンドになりそうなデザインを予測してクライアントに提案できれば、より信頼のおけるWEBデザイナーになれるでしょう。
質問や感想があればご記入ください