デザインを学びたいと思っても、身近に参考となる作品が少なく、どこからアイデアを集めればよいのか迷う方もいるでしょう。
WEBサイトやSNSで情報を探しているうちに、何を参考にすべきかわからなくなる場合もあります。
デザインの知識や感覚を身につけたい方には、雑誌を活用したインプットがおすすめです。
プロが手がけたレイアウトや配色、文字組みなどを紙面全体で確認できるため、眺めるだけでも表現の幅を広げられます。
日本デザインは、未経験者向けのWEBデザイン教育に携わり、初心者の学びを支援してきました。
本記事では、デザイン教育で培った知見をもとに、「WEBデザインを学ぶ初心者に役立つか」という観点から、参考になる雑誌14誌を厳選して紹介します。
雑誌ごとの特徴や注目したいポイントも解説するため、自分の目的や好みに合った一冊を見つけ、日々の学習や制作にぜひ役立ててみてください。
デザイン雑誌のおすすめ10選【2026年も刊行中】

デザイン雑誌には、制作のヒントや新たな表現に出会える魅力があります。
定期的に読むことで、デザインを見る視点が養われ、アイデアの幅も広がるでしょう。
ここでは、2026年も刊行が続いている雑誌のなかから、初心者にもおすすめの以下の10冊をご紹介します 。
- デザインノート Premium
- COMMERCIAL PHOTO
- ブレーン
- アイデア
- AXIS
- +81
- 日経デザイン
- 宣伝会議
- WIRED
- FUDGE・men’s FUDGE
雑誌1:デザインノート Premium|制作の思考や過程を学べる
「デザインノート Premium」は、完成した作品だけでなく、デザインが生まれるまでの思考や制作過程にも目を向けた雑誌です。
クリエイターへのインタビューをはじめ、ラフ案が完成形へと発展していく様子も紹介されています。
ロゴや配色、文字、ブランディングなど、号ごとにテーマが絞られているため、興味のある分野から読み始めやすいでしょう。
優れた作品を眺めるだけでなく、課題に対してどのような着想を得て、表現へ落とし込んだのかまで追える点が魅力です。
気になる事例を見つけたら、課題、着想、制作工程、完成形の順に整理してみましょう。
完成案とラフを見比べれば、アイデアが磨かれていく過程もつかみやすくなります。
デザインを選んだ理由まで考える習慣がつき、制作意図を言葉で説明する練習にもなるでしょう。
見た目をまねるだけで終わらず、プロの考え方から学びたい初心者におすすめです。
雑誌2:COMMERCIAL PHOTO|広告写真やビジュアル表現を学べる
「COMMERCIAL PHOTO」は、広告写真や映像に関わる表現を幅広く紹介する月刊の専門誌です。
プロのフォトグラファーや映像関係者、広告クリエイターに向けて、グラフィック広告、CM、WEBムービー、ミュージックビデオなどを取り上げています。
企画立案からラフ制作、テスト撮影、ライティングまで紹介されており、完成したビジュアルの裏側も知ることができます。
撮影者だけでなく、企画や演出を担う人の考えに触れられる点も、広告写真の専門誌ならではの魅力です。
誌面を見る際は、構図や色、光の使い方に加えて、商品や人物の印象がどのように演出されているかにも注目してみましょう。
伝えたいイメージから表現を組み立てる視点を学び、写真を使った広告やWEBサイトのキービジュアルを制作したい人におすすめの1冊です。
雑誌3:ブレーン|広告・ブランディングの事例を学べる
「ブレーン」は、広告やデザインをはじめ、さまざまな分野のアイデアとクリエイティブを紹介する月刊誌です。
テレビCM、新聞広告、グラフィック、OOH、WEBサイト、SNSなど、媒体を問わず幅広い事例に触れられます。
巻頭企画の「UP TO WORKS」では、注目を集めた広告作品と制作スタッフを掲載。
気になる表現を見つけたときに、誰が制作に携わったのかまで確認できます。
企業のビジョンをプロダクトやサービスへ反映するデザインなど、広告の枠を超えた特集も組まれています。
異なる媒体の事例を一度に見られるため、伝える内容に応じた表現や届け方の違いも比べられるでしょう。
事例を読む際は、企業の課題、企画の狙い、選ばれた媒体、完成した表現を順に追うと、アイデアが形になる流れをつかみやすくなります。
目的に合った企画や表現を考える力を養いたい人におすすめです。
雑誌4:アイデア|グラフィックデザインや文字表現を学べる
「アイデア」は、グラフィックデザインとタイポグラフィを中心に扱う季刊誌です。
1953年の創刊以来、国内外のデザインや文字表現を多彩な切り口から紹介してきました。
近年は、アラビア文字とタイポグラフィ、リソグラフと本づくり、書籍における恐怖の視覚化などを特集しています。
誌面では、タイポグラフィや印刷技法、本づくり、グラフィック表現などを取り上げるほか、それらが生まれた文化的・歴史的な背景まで掘り下げています。
専門性の高い内容も含まれますが、初心者は気になったビジュアルから読み始めても問題ありません。
文字の形や大きさ、配置、余白、印刷の質感を観察し、印象を生み出している要素を探してみましょう。
流行している作例を眺めるだけでは得にくい視点に触れ、グラフィックや文字表現への理解を深めたい人にぴったりの1冊です。
雑誌5:AXIS|プロダクトや海外のデザイン動向を学べる
「AXIS」は、デザインの視点から人間の可能性や創造性を考える季刊誌です。
プロダクトを中心に、建築、インテリア、グラフィック、テクノロジー、ビジネス、アートなど、幅広い分野を取り上げています。
1981年の創刊以来、独自の特集企画や日英のバイリンガル編集、質の高い誌面づくりを続けてきました。
海外のデザイナーや企業も数多く登場するため、日本とは異なる考え方や価値観にも触れられます。
国内外の事例を通して、形や機能にとどまらないデザインの役割にも目を向けられるでしょう。
プロダクトデザインに興味がある人はもちろん、分野を横断しながら新しい視点を得たい人にも適した1冊です。
雑誌6:+81|世界のクリエイティブに触れられる
「+81」は、東京から世界のクリエイティブシーンを発信するビジュアルマガジンです。
1997年の創刊以来、グラフィックデザインを軸に、ファッション、写真、映像、音楽などを幅広く紹介してきました。
毎号異なるテーマのもと、国内外のアーティストへのインタビューと作品を掲載しています。
日本だけでなく、海外のクリエイティブにも目を向けられるため、普段とは異なる表現や価値観に触れたいときに役立つでしょう。
また、写真の配置や文字組みなど、雑誌自体のエディトリアルデザインも参考になるでしょう。
海外の表現や制作者の考えに触れながら、グラフィックと周辺カルチャーのつながりを学びたい人におすすめです。
雑誌7:日経デザイン|ビジネス視点からデザインを学べる
「日経デザイン」は、デザインをビジネスに生かした企業の取り組みを紹介する月刊誌です。
商品開発やブランディング、顧客体験の設計、販促、プレゼンテーションなど、仕事の幅広い場面を扱っています。
商品の形や機能だけでなく、広告イメージや企業理念まで含めて、ブランド全体の体験を考えられる点が特徴です。
業界の異なる事例を比べると、課題に応じてデザインの役割が変わることもわかるでしょう。
読む際は、企業が抱えていた課題、想定する顧客、採用した表現、ブランド全体とのつながりを整理してみてください。
見た目を整えるだけではなく、デザインによって課題をどう解決したのかが見えやすくなります。
制作とビジネスの関係を学び、提案に役立つ視点を身につけたい人に適した1冊です。
雑誌8:宣伝会議|マーケティングと広告の知識を深められる
「宣伝会議」は、広告やマーケティング、クリエイティブに関する情報を届ける月刊の総合誌です。
1954年の創刊以来、企業の宣伝活動に役立つ事例やメディアの動向、海外の最新情報などを紹介しています。
デザインの技法を直接解説する雑誌ではありませんが、誰に何を伝えるのか、どの媒体を使うのか、どのような行動につなげるのかを考える材料になります。
制作物だけを切り離さず、広告施策全体の中でデザインの役割を捉えたいときにも役立つでしょう。
広告主が抱える課題や、施策を決めるまでの考え方に触れられる点も特徴です。
クリエイティブ事例を中心に扱う『ブレーン』よりも、企業側の戦略やマーケティングを深く知りたい場合に向いています。
広告制作の背景を理解し、提案の幅を広げたい人におすすめです。
雑誌9:WIRED|大胆な誌面レイアウトや情報設計を学べる
「WIRED」日本版は、テクノロジーを切り口に、生活や社会、カルチャーの未来を考えるメディアです。
ビジネスや科学、デザインなど、さまざまな分野を横断しながら、技術の進歩が暮らしや価値観をどう変えるのかを伝えています。
デザインの技法を直接学ぶ専門誌ではありませんが、新しいサービスや体験を考えるうえで、発想の土台となる知識を得られます。
目の前の制作物だけではなく、利用する人や社会の変化まで視野を広げたいときにも役立つでしょう。
抽象的で複雑なテーマを、写真や図版、タイポグラフィを使って伝える誌面にも注目してみてください。
難しい情報を視覚的に整理し、読者を特集の世界へ引き込む表現は、企画や情報設計の参考になります。
未来を扱うサービスや、社会的なテーマを持つ制作物に関心がある人に適した1冊です。
雑誌10:FUDGE・men’s FUDGE|フォントや写真の見せ方を学べる
「FUDGE」と「men’s FUDGE」は、ファッションとカルチャーを独自の世界観で紹介する雑誌です。
「FUDGE」は大人の女性向け、「men’s FUDGE」は男性向けのシリーズとして刊行されています。
デザイン専門誌ではありませんが、写真、服、背景、見出しを組み合わせて、一つの雰囲気を伝える誌面づくりは参考になります。
表紙から特集ページまで見比べながら、色のそろえ方や写真の見せ方、ページ全体の統一感を観察してみましょう。
複数の要素をまとめ、ブランドらしい世界観を視覚化するヒントが得られます。
ファッション誌ならではの表現を、WEBサイトや広告、SNSの制作に取り入れたい人は、チェックしておきたい雑誌です。
デザイン雑誌のバックナンバーから読みたい4誌

デザインを学ぶなら、現在刊行されている雑誌に加えて、過去に発行された雑誌にも目を向けてみましょう。
バックナンバーには、当時のクリエイターが大切にしていた視点や、長く受け継がれてきた表現のヒントが詰まっています。
ここでは、バックナンバーで触れておきたいデザイン雑誌4誌をご紹介します。
- Web Designing
- +DESIGNING
- Typography
- MdN
雑誌1:Web Designing|WEB制作の実務を学べる専門誌
「Web Designing」は、WEB制作や運用、WEBビジネスの知識を扱ってきた専門誌です。
2024年のリニューアル後は、WEBテクノロジーを使ってものづくりに携わる人へ向け、隔月で刊行されていました。
読み始める際は、身につけたいテーマに合う号を選び、企画、設計、制作、運用の流れを意識してみましょう。
2025年8月号ではFigmaを取り上げ、制作機能だけでなく、アイデアの共有やチームでの進行に役立てる事例も紹介されました。
2025年12月号をもって定期刊行は終了しましたが、WEB制作の考え方や仕事の進め方を学べる記事は、過去の号にも豊富に収録されています。
ツールの画面や仕様は発行時から変わっている場合があるため、操作方法だけでなく、課題を解決するための考え方に注目することが大切です。
WEBデザインを制作作業だけで捉えず、運用や成果まで学びたい人に向いています。
雑誌2:+DESIGNING|レイアウトやデザインツールの技術を学べる
「+DESIGNING」は、創造性と生産性の両面から、現場で働くデザイナーを支えてきたデザイン誌です。
誌面は、デザイナーの仕事や事例、学び方、発想の源を紹介する内容と、印刷・出力・DTP、制作アプリケーションの使い方を解説する内容で構成されています。
バックナンバーでは、情報整理から仕上げまでのレイアウト術、実践的な文字組み、Illustratorの操作やデータ作成、媒体に応じたフォントの選び方などを扱ってきました。
2023年9月発売のVolume 56では、1970年代から2000年代までのデザインを取り上げ、印字技術や雑誌デザイン、製版・印刷の変化を紹介しています。
完成例を眺めるだけでなく、配置や余白を決めた理由、作業を効率化する手順まで学べる点が魅力です。
デザインの見た目と制作データの品質を両立させたい人や、ソフトを実務で使いこなす力を身につけたい人に適しています。
雑誌3:Typography|フォントや文字組みを深く学べる

「Typography」は、国内外の書体やタイポグラフィに関する情報を紹介してきた、文字を楽しむためのデザインジャーナルです。
公式バックナンバーには01号から13号までが掲載され、フォント制作、書体の選び方と組み方、書籍の本文組版、日本語のロゴ、欧文書体など、号ごとに異なるテーマを掘り下げています。
たとえば、12号では和文の本文書体を取り上げ、制作背景や特徴、組見本、フォントの作り方などを紹介しました。
13号は、過去に掲載した手書き文字やフォント、組版に関する項目を事典形式でまとめ、和文・欧文の定番書体見本も収録しています。
誌面には具体的な作例や書体見本も多く、文字の形を眺めるだけでなく、用途に合う書体の選び方や、読みやすさを左右する組み方まで学べる点が魅力です。
ロゴや見出し、本文の文字表現を深く学びたい人は、関心のあるテーマから読み進めるとよいでしょう。
雑誌4:MdN|デジタルデザインの変遷や表現を学べる
「MdN」は、1989年の創刊からデジタルデザインと歩んできたデザイン専門総合誌です。
最新情報を届け、PhotoshopやIllustratorを使ったイラストやグラフィック作品を、制作過程とともに紹介してきました。
バックナンバーでは、クリエイターへの取材、注目のデザイン、フォントの活用例などにも触れられます。
紙媒体は2019年4月号をもって休刊し、WEBメディアへ移行しました。
休刊号では平成のグラフィックデザイン史を特集し、DTP、Adobe Flash、デジタルフォントなど、表現や制作環境を変えた出来事を振り返っています。
古いソフトの操作方法を学ぶ目的よりも、技術によって表現がどう広がったのかを知る資料として読むとよいでしょう。
デジタルデザインの歴史を学び、現在の表現を広い視点から捉えたい人に役立つ一冊です。
デザイン雑誌をWEB制作に活かす3つのステップ

雑誌から学んだ内容をWEB制作に取り入れるには、情報を受け取るだけでなく、自分なりに整理しながら実践へ移すことが大切です。
ここでは、誌面から得た気づきを日々の制作に役立てるために、意識したい3つのステップを順番に解説します。
- 気になったレイアウトや配色をストックする
- デザインに使われている要素と意図を分析する
- バナーやWEBサイトで一部の表現を試してみる
ステップ1:気になったレイアウトや配色をストックする
デザイン雑誌を読んで気になるレイアウトや配色を見つけたら、後から見返せる形で保存しましょう。
眺めた直後は印象に残っていても、時間がたつと細かな工夫や掲載場所を忘れやすくなります。
紙面の写真やメモをまとめる際は、次の情報を記録しておくと便利です。
- 雑誌名・号数・掲載ページ
- 惹かれた理由や受けた印象
- 活用したい制作物
記録は「余白が広くて読みやすい」「落ち着いた配色で信頼感がある」など、短い言葉でまとめるのがポイントです。
ストックを続けるうちに、自分が好む表現や選びやすい色の傾向も見えてくるでしょう。
集めた事例は、制作の方向性を決めたり、クライアントへイメージを共有したりする場面でも役立ちます。
ステップ2:デザインに使われている要素と意図を分析する
ストックした事例は、使われている要素と役割を分けて考えるのがおすすめです。
レイアウトや配色には、情報を読みやすくしたり、特定の部分へ視線を導いたりする目的があります。
分析するときは、次の問いを意識すると整理しやすくなります。
- 最初に目へ入る情報は何か
- 文字の大きさや余白にどんな差があるか
- 配色が与える印象は目的に合っているか
各要素を個別に見るだけでなく、見出しと本文の差、写真と文字の位置関係、ページ全体の情報量などにも注目しましょう。
要素同士の関係を確認すると、読みやすく見える理由や、視線が自然に動く仕組みを捉えやすくなります。
さらに、気づいた点を自分の言葉で整理すると、目的に合った表現を選びやすくなり、デザインを提案する際の説得力も高まります。
ステップ3:バナーやWEBサイトで一部の表現を試してみる
雑誌で見つけた表現を分析した後は、バナーやWEBサイトの一部へ取り入れ、使い方を確かめましょう。
誌面全体をそのまま再現するのではなく、学びたい要素を一つに絞ると、変化や改善点を判断しやすくなります。
試しやすい要素には、次のようなものがあります。
- 配色の組み合わせ
- 余白やグリッドの取り方
- 見出しやボタンの強調方法
制作後は、取り入れる前後のデザインを見比べ、読みやすさや視線の流れがどう変わったかを確認します。
WEBサイトへ応用する場合は、画面幅が変わっても情報が伝わり、操作しやすい状態を保てるかも確かめてください。
小さな範囲で試して結果を振り返る経験を重ねると、雑誌で得た発見を単なる模倣ではなく、自分の制作に生かせる技術として身につけられます。
まとめ|デザイン雑誌を読んで表現の引き出しを増やそう!
本記事では、2026年も刊行されているデザイン雑誌10誌と、バックナンバーで読みたい4誌を紹介しました。
デザイン雑誌を選ぶ際は、知名度だけでなく、学びたい分野や制作目的に合っているかを確認することが大切です。
グラフィック、広告、写真、文字、プロダクトなど、雑誌によって得意分野は異なります。
最新号に加えて、興味のあるテーマを扱った過去の号も探してみましょう。
最後に、デザイン雑誌をWEB制作に活かす手順をおさらいします。
- 気になったレイアウトや配色をストックする
- デザインに使われている要素と意図を分析する
- バナーやWEBサイトで一部の表現を試す
雑誌から得た発見を保存し、分析と実践を繰り返すことで、デザインを見る力や表現の引き出しを増やせます。
気になる一冊から読み始め、学んだ内容を小さな制作物で試してみてください。
本記事が、デザインを見る力を養い、日々の制作に活かすきっかけになれば嬉しいです
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