
「学歴がなくても、WEBデザイナーになれるの?」
「工場勤務から、本当に転職できる?」
不安に思いますよね。特に20代で、高卒で、これといったスキルもない。そんな状態から、本当にキャリアチェンジできるのか…。
今回お話を伺った「せーやさん」は、まさにそんな状況からWEBデザイナーへの転身を果たしました。
高卒で18歳から工場勤務。母子家庭で育ち、母を支えるために辛い工場勤務の仕事を9年間続けました。大学に行った友人たちが遊んでいる間も、ひたすら働き続けていました。
でも、26歳の時に決断します。「このまま終わりたくない」と。
そして、WEBデザインを学び始めてわずか数ヶ月。8社に応募して7社が書類通過、最終的に4社から内定を獲得しました。
学歴も関係ない、職歴も関係ない。「やりたいことで働く」という夢を、自分の力で掴み取ったせーやさんの物語をお届けします。
14歳で決めた「母を支える」という覚悟

せーやさんの人生は、決して平坦ではありませんでした。
「自分が14歳の時に両親が離婚しちゃって、母子家庭でずっと育ててもらって、その時にもう高校卒業したら就職して自分もサポートしようって決めて」
14歳。まだ中学生の時に、自分の将来を決めたんです。
「行ってた高校が工業高校だったんですね。その就職先が機械系が多くて、とりあえず通えるところで工場に」
スタート給与15万円、9年間の工場勤務
18歳で就職した最初の工場。文房具会社でシャープペンの組み立て機械のオペレーターをしていました。
ー給料はある程度良かったんですか?
「高卒ってのもあって、めちゃめちゃ低いですね。スタートは15万とかですね」
そこで4年働き、その後印刷工場に転職してさらに5年。合計9年間、工場で働き続けました。
「いや~工場勤務はマジで辛かったです」
友達は大学で遊んでいる、自分は…
ーなかなか苦しくないですか?同世代の人が大学行ってとか、サークル活動とかやってる中で。
「やっぱり大学行った人とかは遊んでたりとか、やっぱり工業高校ってのもあってほとんどが就職だったので、集まるなら土日とか…」
友達が楽しそうにサークル活動をしている投稿を見ながら、自分は工場で働く。そんな日々が続いていました。
「在宅で働きたい」コロナをきっかけに転職を決意

転機が訪れたのは、コロナ禍でした。
「コロナが始まって他の部署だったり、周りの友達とかで在宅が流行り始めたというか、家で仕事をするっていうのが羨ましいと思って」
会社に相談してみました。
「一応会社の人にも相談したんですよ。うちって在宅ないんですかって。だめだよって言われて…」
工場勤務では、在宅勤務は不可能。でも、諦めきれませんでした。
「でもやっぱり家だったり好きなところで働いたりしたいってのが結構強かったので、色々調べて、そこでWEBデザイナーの存在を知ってそこから動き始めました」
「フリーランス」という働き方を知った衝撃
「就職しか知らなかったから『フリーランス』っていうのもあるんだと思って」
会社員として働くことしか知らなかったせーやさんにとって、「フリーランス」という働き方は新鮮な驚きでした。
1校目のスクールで感じた「何か違う」

最初は別のスクールに入りました。フリーランスになりたいという想いから、フリーランスメインのスクールを選んだそうです。
でも、何か違和感がありました。
「講師の方がマンツーマンでやるので、講師の人によるのかなって思いました」
「少しは教えてくれるんですけど、作った作品の隣に先生が作ってくれた作品があって、それをなんかただ写すみたいな。そんな細かくは教えてくれなくて。ひたすらもう言われるがまま修正して…」
YouTubeで出会ったデザスク
そんな時、YouTubeでデザスクの動画に出会いました。
「添削動画とか、いろんなのを見て楽しそうじゃんって思って。で、無料セミナーを受けて、セミナー後の面談で1校目のスクールの卒業生も来てるよ。みたいな作品も見せてもらって、あ、これこれこれ!これ今作ってますみたいな(笑)」
同じような状況の人がいた。それが心強かったそうです。
「で、なんか結構共感して。すごいためらったんですけど、覚悟を決めて入りました!」
グループレッスンで手に入れた「第2の青春」

デザスクはグループレッスン。最初は抵抗がありました。
「グループでっていうのが最初はちょっと抵抗あったんです。他の人に見られちゃうっていう恥ずかしさとかがあって…」
でも、実際にやってみると…
「実際やってみると、相談し合えたりとか、逆に他の人のを見れるからこそ、『こうするんだ』みたいな結構気づくとこもあって、なかなか良かったです。マジでチームメンバーに支えられましたね」
毎日Zoomで集まる、まるで学生のような日々
「Zoomとかでも、昼前から集まってもう夜まで夕方とか、ほぼ毎日平日はみんなでやってました(笑)」
ーみんな暇なんですか(笑)
「やっぱちょっとの子供のお迎えとか、そういう人たちもいて、そういう人は途中抜けてみんなで行ってらっしゃいみたいな。第2の家族みたいな(笑)」
工業高校で就職した彼には、大学生活がありませんでした。サークルで仲間と過ごす、そんな青春がなかった。
でも、26歳にして、その青春を取り戻したんです。
―めっちゃ仲良しじゃないですか。高校が工業高校だと大学生活がないわけだから、ある意味で青春を取り戻すみたいな感覚だったのかもしれないですね。
「今更、味わえました(笑)」
2月に受講開始→4月に転職活動→1週間で4社内定

デザスクの入門編を受講したのは2月末。そこから1ヶ月ほど課題を仕上げて、4月に転職活動を開始しました。
ただ、タイミング悪くコロナに感染。
「タイミング悪くコロナにかかっちゃって、2週間ぐらい体調崩してて、そこから復帰して早く仕事見つけなきゃと思いました」
8社応募→7社書類通過→4社内定
「求人サイトで普通に仕事を探してたらWEBデザイナーの募集を見つけて、何社か応募して最終的には他にももっと受けたんですけど、その中で4社採用をいただきまして」
- 応募 :8社
- 書類選考通過:7社(通過率87.5%!)
- 内定 :4社(面接通過率57%!)
ーすごい、半分決まったってすごいね。
「(ポートフォリオはスクールで作成した)本当数枚で。8社ぐらい受けました」
入門編で作った作品、わずか数枚のポートフォリオ。それでも、これだけの結果が出たんです。
「ポートフォリオを見てうちの仕事できそうだと思った」

面接では、どんな反応があったのでしょうか?
「ポートフォリオを見せる時はみんな驚きはしますね。本当にスクールで作った作品なの!?みたいな」
そして、内定をもらった会社で後から聞いたそうです。
「『よく採用しましたね』って聞いたら、ポートフォリオを見てうちの仕事できそうだなと思ったって言われて、なんか嬉しかったです」
受かった4社の内訳
「デザインメインというよりは結構マーケティングだったりとか、広くやってるような会社がほとんどで、今入ってるところも一応メインはコンサル会社で、その中でもそのクライアントさんのお願いされたデザインをするみたいな」
正社員、アルバイト、業務委託と様々な雇用形態の内定がありました。
業務委託を選んだ理由
最終的に選んだのは、コンサル会社での業務委託。
「他の会社は正社員とか中にはアルバイトとかだったんですけど。今入った会社はフリーランスの話もした時にうちは業務委託でもできるよって言われて」
「やってることはそんな差はないけど、どっちがいい?って聞かれて業務委託も可能だったらそっちでやってみたいってことで」
将来的にフリーランスも視野に入れて、まずは業務委託という働き方を選んだんです。
給料は20〜25万円、多い時は+4万円「感動しました」

未経験からの転職。気になるのは給料ですよね。
ー給料も上がったんですか?
「少し上がりました」
ーどのぐらいの給料になるんですか?
「20から25万弱とか。でもそこから税金引かれたりしちゃですけど。多かった時はプラス4万とか…感動しました」
工場勤務時代はスタート15万円。それが20〜25万円、多かった時はプラス4万とかになりました。
未経験でも、スキルを身につければ給料は上がる。
「天地」ほど変わったモチベーション
ー仕事に対してのモチベーションどんぐらい上がりました?
「天地です。天地(笑)」
給料だけじゃない。やりがい、将来への希望、すべてが変わりました。
「やっぱり今まではやりたい仕事というよりは、とりあえずできる仕事みたいな感じで、あんまり意欲がなくて。手に職がつくと少しは自分に自信もつくし、やりたかった仕事ができてるわけだから色々いいことばっかですね」
「工場に戻れって言われたら絶望」それくらい人生が変わった

ー今その工場勤務に戻れって言われたらどうですか?
「絶望ですよね。また工場かーって」
それくらい、人生が変わったんです。
「若い時ってなんか将来のこのキャリアが見えてないっていうことがやっぱりすごい絶望感がすごくて、どうしようみたいな。何になるみたいな。積み上がりもしないじゃないですか。上がらないとこのままもう終わりかみたいな。それが一番絶望感があるよね」
工場勤務では、どんなに頑張っても積み上がらない。給料も上がらない。スキルも身につかない。
でも今は…
「今だったらね。今の会社にずっといるかもしれないし、また別のところに転身するって道もあったり、いろんな道が広がってることってなんかすごく自由な感じで希望が持ててやる気も上がるよね」
「夢は広がりますね」
実は、最終課題では票が入らなかった

デザスクには、最終課題の投票制度があります。受講生同士が作品に投票する仕組みです。
せーやさんの最終課題は…あまり票が入りませんでした。
ー投票があまり入らなかったということで落ち込まれたと聞いたんですが。
「いや、もうなんか予想はしてました…。なんかやっぱ期間が短いから、とりあえずで出しました・・・」
でも、それでも4社から内定をもらえた。
ー入らなかったけれども、でも私から見たら全然綺麗なんで。デザスク生、レベル高いからね。それで今の作品を持って、転職活動に行って見事4社受かったと。
完璧じゃなくても、基礎がしっかりしていれば企業は評価してくれる。
1校目とデザスクの違い、成長できた理由

せーやさんは2つのスクールを経験しています。その違いは何だったのでしょうか?
1校目:マンツーマンだけど「写すだけ」
「少しは教えてくれるんですけど、作った作品の隣に先生が作ってくれた作品があって、それをなんかただ写すみたいな」
言われた通りに修正する。でも、なぜそうするのかは分からない。
デザスク:グループだからこそ学べた
「相談し合えたりとか、逆に他の人のを見れるからこそ、『こうするんだ』みたいな結構気づくとこもあって」
他の人の作品を見る、添削を見る。それが大きな学びになりました。
「ゼロからね。自分で作って方向性考えてみたいなね」
自分で考える力が身についた。それが、企業から評価されたポイントだったんですね。
今後の展望:慣れたら副業で収入アップ

現在は業務委託として働いているせーやさん。今後の展望を聞きました。
「今、働いてる会社に早く慣れたいので、LPとかも仕事であるので棄権しないように作れるようになりたいです。仕事に将来慣れてきたら、それプラスアルファで副業したりとか、もう少し収入増やしたいなとは思います」
まずは本業でしっかりスキルを磨く。そして慣れてきたら副業で収入を増やす。現実的で、着実な計画です。
まとめ:20代未経験でもWEBデザイナーになれる5つの理由

せーやさんの成功事例から見えてきた、20代未経験でもWEBデザイナーになれる理由をまとめます。
①学歴は関係ない
- 高卒
- 工業高校出身
- 工場勤務9年
それでも4社から内定をもらえました。
企業が見ているのは学歴ではなく、「できること」と「やる気」。
②職歴も関係ない
工場勤務からWEBデザイナーへ。全く異なる業種への転職でした。
前職が何であろうと、新しいスキルを身につければキャリアチェンジは可能。
③年齢は武器になる
せーやさんは26歳で転職。20代というのは、企業から見ると「まだまだ伸びしろがある」年齢です。
20代の未経験は、30代・40代の未経験よりもポテンシャルを評価されやすいです。
④完璧じゃなくても大丈夫
最終課題では票が入らなかった。でも、それでも内定は獲得できました。
完璧を目指して動けなくなるより、60〜70点の完成度から改善につながる行動につなげましょう。
⑤基礎さえしっかりしていれば評価される
わずか数枚のポートフォリオ。でも、書類通過率87.5%。
量より質。基礎をしっかり学んで、少数でも質の高い作品を作る。
20代未経験からWEBデザイナーになるためのステップ

せーやさんの経験をもとに、具体的なステップをまとめました。
ステップ①:学習期間は3〜6ヶ月
- 1校目: 数ヶ月
- デザスク: 2月末に入門編受講
- 4月: 転職活動開始
WEBデザインを学び始めて1年以内で、転職を成功させています。
ステップ②:ポートフォリオは5〜10作品
- 1校目の作品: 数点
- デザスクの作品: 入門編の課題
「本当数枚で」と言っていましたが、質の高い作品が数点あれば十分です。
ステップ③:「未経験OK」の求人に絞る
「メインはデザインができる会社で『未経験でも大丈夫』というところで絞っていました」
最初から経験者募集に応募しても、書類で落とされる可能性が高いです。
ステップ④:8〜10社は応募する
未経験の職種へ転職を目指す場合、1~2社で内定が決まるとは限りません。
希望に合った働き方を見つけるためにも、最低でも8〜10社は応募しておくと安心です。
ステップ⑤:面接で「やる気」を伝える
学歴や職歴でハンデがある場合、「やる気」と「学ぶ姿勢」をしっかり伝えることが大切です。
転職活動チェックリスト(20代未経験者向け)

- ポートフォリオ(5〜10作品、質重視)
- 履歴書(写真は清潔感重視)
- 職務経歴書(前職での学びや成長を書く)
- 「未経験OK」で絞り込む
- デザインメイン、もしくはマーケティング会社
- 雇用形態は正社員・契約社員・業務委託すべて検討
- なぜWEBデザイナーになりたいのか言語化
- 前職で学んだこと・頑張ったことを整理
- ポートフォリオの各作品について説明できるように
- 「学ぶ意欲」「やる気」を伝える準備
- 完璧じゃなくても行動する
- 8〜10社は応募する覚悟
- 書類で落ちても気にしない
- 「学歴・職歴は関係ない」と信じる
せーやさんのキャリアサマリー
| 項目 | 内容 |
| 年齢 | 26歳 |
| 学歴 | 高卒(工業高校) |
| 前職 | 工場勤務9年(給与15万円スタート) |
| 学習期間 | 約半年 |
| 転職活動 | 4月開始 |
| 応募社数 | 8社 |
| 書類通過 | 7社(87.5%) |
| 内定 | 4社(57%) |
| 現在の給与 | 20〜25万円(最高29万円) |
| 雇用形態 | 業務委託 |
| 会社 | コンサル会社 |
| 項目 | 内容 |
| 年齢 | 26歳 |
| 学歴 | 高卒(工業高校) |
| 前職 | 工場勤務9年(給与15万円スタート) |
| 学習期間 | 約半年 |
| 転職活動 | 4月開始 |
| 応募社数 | 8社 |
| 書類通過 | 7社(87.5%) |
| 内定 | 4社(57%) |
| 現在の給与 | 20〜25万円(最高29万円) |
| 雇用形態 | 業務委託 |
| 会社 | コンサル会社 |
編集後記
せーやさんのインタビューで最も印象的だったのは、「天地」という言葉でした。
工場勤務時代と今を比べて、モチベーションは「天地ほど違う」。
給料も少し上がった。でも、それ以上に大きく変わったのは、「将来への希望」でした。
「積み上がらない」「キャリアが見えない」という絶望感。その中で9年間働き続けた。でも、26歳で決断して、人生が大きく変わりました。
高卒だから、工場勤務だから、学歴がないから…そんな理由で諦める必要はありません。
20代なら、まだまだ間に合います。いや、20代だからこそ、企業はあなたの「伸びしろ」に期待してくれます。
せーやさんが「第2の青春」を手に入れたように、あなたも新しい人生を始められるはずです。
一歩踏み出してみませんか?















