近年、WEBデザイナーにマーケティングの知識やノウハウを求める企業やクライアントが増加しています。
マーケティングは一言でいえば、消費者が商品・サービスを購入する仕組みづくりをすること。
こうしたマーケティングスキルは、需要が高まっているようにWEBデザイナーとしても持っている分にはメリットはあります。
ですが、実際はマーケティングスキルがなくてもWEBデザイナーとして稼ぐことは可能です。
そして、WEBデザイナーに求められるのは、
- WEBサイト
- 広告バナー
- ホームページ
- ランディングページ
- YouTubeのサムネイル
などのデザインができること。
そのため、まずはデザインスキルを磨くことを優先してほしいのですが、マーケティングやWEBデザイナーとの関連について気になる方もいますよね。
そこで今回は次の3点を解説します。
- マーケティングスキルを身につけるメリット
- 身につけるべき8つのマーケティングスキル
- マーケティングスキルを身につける方法
マーケティングスキルというと難しいイメージを持っている方もいると思いますが、正しく理解すれば決して難しいものではありません。
最後に今日からすぐに実践できる、マーケティング思考の取り入れ方もご紹介するので参考にしてみてください。
デザイン会社でマーケターとして、WEBデザイナーと働いている私が解説しますね!
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そもそもWEBマーケティングとは?WEBデザインとの違いを解説
まず、WEBマーケティングの意味や全体像をご紹介します。
マーケティングと一言でいってもさまざまなジャンルがあります。
それらを正しく理解することで、この後の内容も頭に入ってきやすくなるので、最初に整理しておきましょう。
WEBマーケティングは集客をするための仕組み作り
WEBマーケティングを一言で言うと、集客をするための仕組みづくりを指します。
集客には広告やSEO記事、SNS、動画などさまざまな種類があります。代表的なマーケティング手法や特徴は次の通りです。
WEB広告
検索エンジン(YahooやGoogle)の検索結果やSNSに出稿される広告。検索内容や日常で閲覧している情報をもとに関連した広告が表示される。
クリックや購入したタイミングで課金される広告や、表示させるのに課金される広告があり媒体によって大きく異なる。
SEO(検索エンジン最適化)
Googleなどの検索エンジンに自社WEBサイトを見つけてもらうために最適化すること。
ユーザーが検索した時に、そのユーザーが求めている情報に対して最適だと判断したページを表示させられ、自社サイトが最適なページとして選ばれることで集客が期待できる。
メールマーケティング
代表例はメルマガ。電子メールを利用して特定のユーザーに情報配信します。
どんな商品やサービスに興味があるかわからないが購読を希望しているユーザーにメールを配信する手法とユーザーの購入履歴などから最適なタイミングでメールを送信する手法がある。
SNSマーケティング
InstagramやFacebookなどの拡散力や利用者同士の繋がりを利用して多くのユーザーに情報発信をします。
見込み客や自社サービスへのファンへアプローチしやすい。
コンテンツマーケティング
自社サイトやオウンドメディアなどで、記事コンテンツを定期的に配信する。
ユーザーに役立つ情報を配信することで信頼性が向上しファンの獲得ができる。
動画マーケティング
YouTubeなど映像コンテンツを使って自社やサービスなどに関連する情報を配信することで、より深い理解につなげる。
他の手法以上に時間や手間がかかるのがデメリット。
商品やサービスによって、相性の良いマーケティング手法は異なるため、競合などをみながらどれがマッチするのかも検討した上で始める必要があります。
WEBデザインはWEBマーケティングをするときに必要なもの
WEBデザイナーの仕事は、企業や商店、官公庁、起業家などのさまざまな組織やクライアントから依頼される、
- WEBサイト
- ホームページ
- ランディングページ
- 広告バナー
- YouTubeのサムネイル
などの制作をすることです。
WEBサイトやホームページであれば、
「このサプリを使ったら元気になれそう」
「これを買えば掃除が楽になりそう」
「この会社なら風通しが良さそうで楽しく働けそう」
など、それぞれの目的にあったデザインが求められます。
広告バナーやサムネイルも同様で、ついその先のページや動画を気になってクリックしてしまうようなデザインが求められます。
いずれにしても、デザインスキルに加えて、
- どのような構成のサイトが良いのか
- どのような流れで購入ページまで誘導するか
など、マーケティングスキルがあればより効果的なデザインを制作できます。
IT未経験の人が始めるならWEBデザインがおすすめ
これからWEBデザインやWEBマーケティングを始める方にとって気になるのは、どちらがオススメなのか、ですよね。
結論をお伝えすると、WEBデザインから始めるのがオススメです。
なぜなら、WEBデザインができる人材は今後ますます重宝されるからです。
下のグラフが示すように年々インターネットを使用したデジタル広告費が増えており、広告バナーやサムネイル、商品を紹介するWEBサイトやランディングページを作れるデザイナーの需要も高まります。
引用:「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
WEBデザイナー自体の数は年々増えていますが、その中で本当に売上アップにつながるデザインが作れる人は実は限られています。
下のグラフを見ると、7割以上の企業が優秀なWEBデザイナーの採用に「非常に苦戦している」「やや苦戦している」ことがわかります。
つまり、本当に良いデザインを作れるスキルを身につければそれだけで重宝されるのです。
マーケター自身はデザインができなくても外注すれば問題ないのですが、納品された広告バナーやWEBサイトなどの良し悪しが判断できる目は必要です。
私の場合は、反応の良いデザインのストックを貯め続けたことで、デザインの知識がそれほどなくても良し悪しが見分けられるようになりました。
良し悪しがわかるくらいにデザインの勉強をするか、成功事例を見て目を養うかでまずはバナーの良し悪しがわかるレベルを目指しましょう。
WEBデザイナーとして稼ぐにはマーケティングは必須?
WEBデザインで稼ぐにはマーケティングも必要かも気になるトピックですよね。
結論からお伝えすると、必須ではありませんがデザインを学んだ後に身につけるなら有効です。
ここでは、WEBデザイナーにマーケティングが必要な理由などを解説していきます。
必須ではなくデザインを極めるのが優先
WEBデザイナーとして活躍するには、まずデザインを極めるのが優先です。
マーケティングの知識があれば、このターゲットにはこのテイストが良いというように、より刺さるデザインができるでしょう。
ですが、WEBデザイナーに求められるのは広告バナーやWEBサイトのデザイン制作です。
マーケティングスキルを磨いても、肝心のデザインスキルがなければ依頼してもらえません。
私もWEBデザイナーにバナーやランディングページの依頼をしますが、デザイナーに求めるのはまずデザインの上手さです。
マーケターの場合は特に、マーケティングスキルはあってもデザインができないからこそデザイナーにバナーなどを依頼するため、まずはデザインを極めるのを優先してほしいなと思います。
実際、正しい方法でデザインを学んでいれば、デザインスキルを磨くうちに、反応の良いデザインや売れるデザインのルールやコツが自然と身に付きます。
まずは、デザインを極めてどのような依頼がきても対応できるスキルを磨くことが重要です。
デザイン習得後にマーケティングを覚えるのは有効
ここからさらに収入アップや、将来的にデザインで食べていけるようになるのであればWEBマーケティングの勉強も有効です。
ここまでお伝えしたように、WEBデザインは消費者により商品を購入してもらえるような仕組みを作るための手段です。
その仕組みの設計から、制作までできればあなたの市場価値はさらに高まります。
WEBデザインとWEBマーケティングのいずれかができる人材はいても、その両方ができる人材はさらに限られるからです。
マーケティング知識があればデザイン制作に活かすことはもちろん、クライアントやWEBマーケターと協業するときに仕事がスムーズに進みますし、重宝されます。
優秀なWEBデザイナーはどこからも依頼が来ますし、収入や働き方などより自分の理想を叶えやすくなるため、デザインを身につけた後にマーケティングの勉強をするのはオススメです。
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WEBデザイナーがマーケティングスキルを身につけるメリット
ここまでもマーケティングスキルを身につけるメリットはいくつかお伝えしましたが、改めてここで整理します。
マーケティングの勉強をするか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
売れるデザインが作れる
マーケティングスキルを身につけると、売れるデザインが作れるようになります。
商品やサービスを作り込んでも売上が上がらない要因の一つは顧客視点が抜けていること。
たとえば、美容サプリのサイトを自社で運営しているとします。
有名人を起用したり、オシャレなテイストでサイトを作り込んだり、使った後の写真を載せて目を惹くページができています。
ですが、価格や成分、容量、販売元が信用できるかなどユーザーが知りたい情報が見つからず、長時間閲覧していると目が疲れる、購入意欲が高まらないサイトになっている可能性もあります。
一方で、マーケティングスキルがあれば、ユーザーが何を求めている情報や申し込みフォームまでの流れ、ボタンの配置などユーザー目線で制作できるためより効果的なサイトが作れます。
売れるバナー、WEBサイト、ランディングページを作るルールやコツもあるため、WEBデザインの勉強だけでもある程度のデザインを作ることは可能です。
ですが、実際の消費者の動きや反応から改善したり、売るための仕組みそのものを作ったりするマーケティングスキルがあれば、より売れるデザインを作れるのです。
包括的なサイト構築ができる
WEBサイトやホームページ、ランディングページには、
- サイトを企画するマーケター
- 全体をディレクションするディレクター
- 実装するためのコーダーやエンジニア
- コンテンツを制作するデザイナー
- 文章を書くライター
など複数の業種が関わります。
こうしたデザインは実際に世に出てからも、成果などを見て改善を繰り返してより良いものにアップデートし続けなければなりません。
マーケティングスキルがあるWEBデザイナーであれば、初期段階から各部門の意図を汲み取ってWEBサイト制作をすることが可能です。
最低限でやりとりができるため、改善や修正をやりやすくスピーディに進められます。
さらに、依頼側にとっても頼れる人材として認められ、リピートされやすくなるのです。
マーケターとの案件もスムーズに進められる
マーケティングスキルやノウハウがあることで、マーケターと協業して業務を進めやすくなります。
会社やクライアントによっては、WEBデザイナーとマーケターが一緒にプロジェクトを進めるケースがあります。
そのとき、マーケターの言われた通りのデザインをするのでも問題はありません。
ですが、相手がデザインの知識がないマーケターの場合、コンセプトや商品が良くても依頼内容やその通りに作った作品がいまいちで売上が上がらないケースもあります。
より重宝されるデザイナーの共通点は、よりそのサイトやページが良くなるような提案ができること。
実際、広告バナーやLPの依頼をするときに依頼通りのものと追加で別のバージョンを作ってくださったり「ここはこうした方が」と提案をしてくださったりします。
このように、マーケターと協業する上でデザイナーにマーケティング知識があると、作業スピードや成果の観点からプラスに働きます。
WEBデザイナーとしての市場価値が上がる
ここまでお伝えしたように、マーケティング知識があるWEBデザイナーの市場価値は高いです。
UI/UXデザインという言葉を見聞きしたことがあると思いますが、ユーザーファーストなデザインができるかどうかは、将来的に活躍し続ける上で重要なポイントです。
依頼する側から見ても、綺麗なデザインができるかよりも、
- ぱっと見で見やすいページか
- クリックしたくなるか
- 見たい情報がすぐに見つかるか
など、ユーザー目線のデザインができるデザイナーに依頼したいと考えています。
そのようなデザインを制作するには、デザインスキルに加えてマーケティングスキルも必要です。
さらにマーケティングの知見があれば、他のWEBデザイナーとの差別化になるため、希望の企業への転職や希望の案件を受注しやすくなります。
WEBデザイナーが身につけるべき8つのマーケティングスキル
WEBマーケティングスキルの必要性やメリットを解説しました。
マーケティングスキルは最初にお伝えしたように、さまざまな種類があります。
ここからはWEBデザイナーが身につけるべきマーケティングスキルを8つに絞ってご紹介します。
ペルソナ設計|ターゲットにあったデザインができる
ペルソナとは、商品やサービスを購入する顧客ターゲットのことです。
ターゲティングが「20代男性」「40代会社員」のようにアバウトなものに対して、ペルソナは、
- 29歳会社員
- 大手保険会社勤務
- 年収650万円
- 妻、娘2人の4人家族
- 東京都港区在住
- 趣味は家族旅行
のように属性や趣味嗜好など具体的に決めます。
そのペルソナにあわせたサービス、マーケティング方法を決定して購入までの動線を議論しながら決めていきます。
この一連の流れがペルソナ設定です。
どのようなマーケティング施策も、このペルソナ設定から始まると言っても過言ではなく、WEBサイトのデザインもペルソナによって異なります。
そのため、ペルソナ設定の意味を理解し、説得力のあるデザインや提案ができるWEBデザイナーを目指しましょう。
SEO|検索上位に上げられる
SEOはSearch Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化の意味を指します。
検索エンジンとは、YahooやGoogleなどの検索ページのことで、SEOを簡単にいうとWEBサイトが検索ページの上位に表示されやすくするために最適化を図ることです。
たとえば、「WEBデザインスクール オススメ」と調べて、自社のページが一番上に表示されれば自社サイトを閲覧するユーザーが増え、申込数がアップします。
ここだけ見ると、SEOはデザイナーではなくライターの仕事と思いがちですが、最近はWEBサイトが視覚的にみやすいか、ユーザー目線で操作しやすいかもポイントの1つになっています。
SEOの基準は定期的に更新されどこにも公表されていないため、正解はわかりません。
ですが、サイトやページがユーザーとって適切かをみられているため、デザイナーとしても常に最新のSEO情報を追っていく必要があるのです。
LPO|訪問したユーザーの離脱を減らせる
LPOとはLanding Page Optimizationの略で、ランディングページ最適化の意味を指します。
ランディングページとは、商品やサービスを紹介するための縦長のページで、広告などをクリックした時に見かけたことがあると思います。
LPOはランディングページをより最適化するためのマーケティング施策です。
LPOによって、よりユーザーにとって最適なページへ改善することで、売上アップが見込めます。
具体的には、
- ファーストビュー
- ボタンの色やコピーや配置
- ページ全体の長さや構成
- 入力フォームの項目
などを変えていき、より最適なページを目指します。
もちろん、ランディングページのデザインができるだけでも貴重な人材です。
それに加えてLPOに関する知識があれば、コストを抑えて効果を最大まで上げられ、少しの修正であれば自社内で完結させられるため、企業に高待遇で迎え入れられる可能性もあります。
UI/UXデザイン|ユーザーにとって使いやすいデザインが作れる
UI/UXデザインとは、ユーザーの心理や行動を予測して、アプリやサイトのユーザビリティに着目したデザインのことです。
UIとUXの違いは次の通りです。
- UI:使いやすさやわかりやすさなどの機能性
- UX:サービスなどを通して得られる体験の設計
バナーやWEBサイトなどを作れるだけでも十分WEBデザイナーとしての需要はあります。
さらにレベルアップするには、よりユーザー目線での制作が求められるのです。
まずはWEBデザイナーとしてスキルを磨くのをオススメしますが、UI/UXデザインまで身につけられると、WEBデザイナーとしてもマーケターとしても重宝されます。
ABテスト|デザインの改善ができる
ABテストとは、繰り返し比較や検討をすることでコンバージョン率が上がる方法を見つけるマーケティング手法の1つです。
広告であれば、写真(Aパターン)、イラスト(Bパターン)を用意してどちらがクリック率やコンバージョン率が高いかを計測するのはよくあるパターンです。
他にも画像は同じでコピーを変えたり、3〜4パターンで同時にテストしたり、さまざまなテストの方法があります。
バリエーションは無限にあると言っても過言ではなく、その中からより訴求力や効果の高いものを見つけるためのアイデア力や優先度をつける能力が必要です。
何を基準にテストするか、良し悪しを判断するポイントなどを理解した上で提案や制作ができるデザイナーが今後は需要が高まります。
データ分析|改善すべき箇所がわかる
データ分析には次の3つのフェーズがあります。
①データの整理
数値などのデータを収集、分類して必要なデータに絞って次の改善につながるデータを抽出する。
②データの加工
抽出したデータを整理し直して、サイトやページの改善箇所がわかるように加工する。
③データの考察
抽出したデータや加工したデータから、改善策や次のアクションを決めます。
マーケティングはこの繰り返しをして、できるだけ早く売上などの成果を上げることが求められます。
WEBデザイナーがここまでする必要はありませんが、こういう視点でマーケターは改善を進めるということを知っておくだけでもマーケターとの仕事が進めやすくなり、顧客視点のデザイン制作がしやすくなります。
KPI設計|ゴールと指標が明確になる
KPIとはKey Performance Indicatorの略で、簡単にいうと目標とその達成度を測る指標のことです。
目標達成までの道のりを分解して、プロセスごとに中間ゴールを設定することをKPI設定と言います。
たとえば、ランディングページからの申込数を月50件を目指すとします。
コンバージョン率(ランディングページから申し込む人の割合)が5%だとすると、1000人にそのページを見てもらう必要があり、このゴール達成に必要な中間ゴールがKPIです。
そして、インスタなどのSNS、検索からの流入、広告からの流入などそれぞれどれくらいの割合でページへの流入を見積もるのか、この数値もKPIです。
つまり、最終ゴール(申込件数)を達成するための途中の目安となる数値は全てKPIです。
KPI設定することで、最終ゴールへの手順や動きが取りやすくなります。
データ分析と同じように、WEBデザイナーがここまで決める必要はありませんが、マーケティングにおいてはKPI設定が重要なため、知識として知っておきましょう。
マーケティング戦略|提案の幅が広がり説得力が増す
マーケティング戦略は、商品やサービスを購入するまでの戦略の企画や策定をする仕事です。
設定したペルソナにどのようにアプローチして、購入まで繋げるかを検討して、それに必要な人材やリソースを配置して実装に向けて進捗の管理等を進めます。
マーケティング戦略は商品やサービスだけではなく、時代や流行りによっても手法が異なります。
さまざまな要素を考慮して施策を考え、周りを説得する能力が必要です。
WEBデザイナーのメインの仕事はユーザーの目に触れるデザインを制作することですが、マーケティング戦略でプロセス全体の設計や管理までできるようになれば、より効果的なデザインができます。
WEBデザイナーがマーケティングを身につける方法
必要なスキルについて解説したところで、マーケティングスキルを身につけるのにオススメの方法を3つご紹介します。
自分に合う方法で勉強を始めてみましょう。
独学で身につける
自分のペースで学びたい、手っ取り早く勉強したい方にぴったりなのが独学です。
マーケティングに関する専門的な内容から、初心者や他業種の人に向けた内容までさまざまなブログや本、動画があります。
一方で、好きなタイミングで好きなペースで勉強できる一方で、モチベーション維持が難しい、あるいは誤った情報をインプットしていても気づきにくいというデメリットがあります。
セミナーやスクールで身につける
2つ目がセミナーやスクールなど、知見のある人に教わる方法です。
最近はWEBマーケティングを学べるセミナーやスクールが増えています。
マーケター志望向けにガッツリした内容のものもあれば、マーケティングを一から学びたい初心者向けのものまで幅広いジャンルのものがあり、ちょっとマーケティングに触れてみたい方でも安心して参加できます。
ここ数年でウェビナー形式のものが一般的になり、パソコン1つで気軽に参加できるものが増えました。
移動の時間やお金もかからなくなり、気軽に参加できるのでスキマ時間で勉強してみたい方にオススメです。
一方で、内容のクオリティがピンからキリまでさまざまなので口コミなども参考にしながら取捨選択する必要があります。
参考サイト:未経験からSEOとWeb広告を両方とも本格的に学べるWebマーケティングスクール|WEBMARKS
WEB制作会社で働きながら身につける
3つ目がWEB制作会社で実際に業務に関わりながら身につける方法です。
事業会社のインハウスデザイナーは、デザイン業務以外の幅広い業務に携われます。
WEB制作会社では、クライアントに貢献するために、ユーザー視点のデザイン制作、つまりマーケティング思考を生かしたデザインが身に付きやすいです。
マーケティング思考やスキルを身につけるために、転職するのはリスクにも感じられます。
ですが、環境を変えることで身に付きやすいケースもあるため、1つの選択肢として検討してみてください。
今日からできるマーケティングの考え方
ここまで身につけるべきマーケティングスキルや学習法をご紹介してきました。
ツールの使い方のようにここまでやったら終わりというものがない分、大変そうと思った方もいると思います。
そこで、今日からできるマーケティング思考の取り入れ方を4つご紹介します。
ターゲットに刺さる訴求を考える
WEBマーケティングで売上に貢献するには、ターゲティングが欠かせません。
20代〜60代の男女に向けた当たり障りのないデザインでは、結局誰の心にも刺さらず売上に貢献できません。
せめて20代の男性くらいまでには絞って、そこにあうデザインを制作しましょう。
また、ターゲットによっても刺さる訴求が変わりますし、訴求が変わればデザインの表現も変える必要があります。
20代大学生に刺さるデザインと、40代会社員に刺さるデザインは異なるのはイメージしやすいですよね。
自分が想定するターゲットに合うデザインがわからないときは、似たターゲットの商品のWEBサイトを参考にしてみましょう。
たとえば、30代女性向けに考えるのであればヨガやピラティスなどは参考になります。
そのため、身の回りの商品やサービスの広告やWEBサイトが誰をターゲットにしているか考える習慣をつけておくといざというときに役立ちますよ。
ユーザーのベネフィットを考える
2つ目がユーザーのベネフィットを考えること。
ベネフィットとは、その商品やサービスを利用して得られるメリットのことです。
ユーザーは商品やサービスが欲しいのではなく、目の前の課題を解決できる手段が欲しいのです。
たとえば、ユーザーが電動ドリルを買うとき、穴を開けられれば、スコップでもドリルでもなんでもいいわけで、ドリルの性能や他のドリルとの違いを説明されても魅力は感じません。
商材のアピールではなくどんな課題を解決できるのか、これを使ったら解決できそうと思わせられるデザインが求められています。
ですが、ベネフィットを見つけるのはすぐにできるようにはなりません。
常日頃から、この商品はどういう課題を解決できるのかを考える習慣をつけましょう。
最近あなたが購入したものでつい買ってしまったものについて、なぜ買ってしまったのか言語化してみるのがオススメです。
ポジショニングマップを作って商材に強みを押し出す
ポジショニングマップとは、市場における製品の位置付けを示すものです。
その商品やサービスのポジショニングを分析することで、競合との差別化ポイントを見つけられます。
たとえば、飲食店を探すとき料金と味で比較するとこのようなマップができ、一目でそれぞれの店を比較できます。
これを目の前の商品やサービスでも考えてみてください。
そして、その商品やサービスの強みや魅力をユーザーに伝えることがデザインの役割です。
ポジショニングマップを作るときのポイントは、自分の商材が有利になる訴求で考えることです。
たとえば、イヤホンを例に挙げると値段や音質、操作性などさまざまな比較項目があります。
音質に拘ったイヤホンを例に、NG例とOK例を見てみましょう。
NG例では値段と操作性を軸に作っているために、商品の良さがいまいち掴みづらくなっています。
一方でOK例ではこだわりポイントの音質と料金を軸に比較することで、ポジションが掴みやすいです。
毎回マップを作る必要はありませんが、この流れを少しでも考えたうえでサイトを作ることでよりユーザーに刺さりやすいデザインが作りやすくなります。
ペルソナマーケティングでニーズを絞る
マスマーケティングが主流の時代は、ターゲティングも先程の事例のように20代男性くらいアバウトなものでも成果を上げていました。
一方で、趣味嗜好が多様化した現在は、より詳細な設定が求められるようになってきています。
ペルソナマーケティングでは架空のユーザーを満足させるために商品やサービスを設計する手法です。
架空のユーザーでも1人を満足させられれば、その背後にいる多数のユーザーも満足させられるという考え方です。
マスマーケティングで「20代男性」とターゲティングしたものを、ペルソナマーケティングで設定してみると「22歳男性、大学生、埼玉県草加市在住、アルバイトで月6万円の収入、趣味は旅行…」などのように本当に存在しそうな粒度の設定をします。
デザインをしていると、これもつけた方が反応してもらえるんじゃないかと付け足しをしてしまいがちです。
ですが、あらかじめペルソナを設定しておくことで「この人はこの情報は必要か」という視点で判断しやすくなり、より刺さるデザインができます。
WEBデザインとマーケティングに関するFAQ
最後にWEBデザインとマーケティングに関してよくいただく質問にお答えします。
これから勉強を始めるときの参考にしてみてください。
WEBデザインとマーケティングはどれくらい勉強時間が必要?
独学かスクールなどで学ぶかによっても異なり、それぞれ目安をお伝えすると表のようになります。
WEBデザイン | WEBマーケティング | |
独学 | 半年以上 | 3ヶ月 |
スクールなど | 1ヶ月半〜2ヶ月 | 3ヶ月 |
WEBマーケティングの場合、独学でも学べるコンテンツやウェビナーが普及しており、スクールよりは時間がかかっても大体3ヶ月くらいで一定のレベルまでは身につけられます。
一方で、デザインは独学で学ぶことが難しく、身につけるのに半年、あるいはそれくらいかけても案件受注ができない方も少なくありません。
ですが、スクールであれば案件受注できるレベルまで2ヶ月かからずに身につけられます。
もちろん、スクールによってはコーディングやツールの使い方しか学べなかったという声も見かけるので、慎重にスクール選びをする必要があります。
WEBデザインとマーケティングは未経験でも就職できる?
WEBデザイン、WEBマーケティングともに未経験でも就職は可能です。
ですが、WEBデザインの未経験OKの求人については注意が必要です。
ここでいう、未経験はWEBデザイン未経験OKではなく、実務未経験OKということ。
つまり、WEBデザインの知識やスキルがない場合は、採用してもらえません。
デザインスキルがない場合は、独学やスクールなどで納品できるレベルの作品が作れるようにしましょう。
そして、採用面接で重視されるのがポートフォリオです。
ポートフォリオは自分がどのような作品を作れるのかを示す作品集なので、できるだけクオリティの高いものや作品数を載せておくことで効果的です。
採用面接でポートフォリオを準備する人は少ないので、準備しておくだけで差別化になります。
一方でWEBマーケティングは、未経験から目指しやすい職種と言われています。
特に中小企業の求人にその傾向が強く、さまざまな業界や規模の幅位広い企業の募集をチェックしてみましょう。
SNSの利用経験やリサーチ・分析の経験がある場合は、面接などでアピールすると効果的です。
また、WEBマーケティングに関連する資格を取得しておくと、アピール材料になります。
まとめ
今回はWEBデザイナーとマーケティングについて解説しました。
まとめると次の3点になります。
- WEBデザイナーとして稼ぐならまずはデザインを極めるのが大切
- マーケティングスキルがあることでより良い提案ができ他のデザイナーと差別化できる
- マーケティングの視点で普段から身の回りのデザインを見るだけでもスキルを磨ける
マーケティングスキルがあれば、より反応の良いデザインが作れるようになり、市場価値は高まります。
ですが、バナーやWEBサイトなどデザインができることが前提です。
何に対しても共通していますが、どっちも手をつけてどっちも中途半端な状態だと、今後活躍し続けられません。
途中でお伝えしたように、デザインスキルは今後も需要が高まりますし、そこからさらにマーケティングスキルを身につけることでデザイナーとして今後も活躍し続けられます。
まずは、デザインスキルを極めてみてください。
質問や感想があればご記入ください