イラストレーターとして企業に勤めている方は、1度はフリーランスとして働くことを考えたことがあるのではないでしょうか。
今やSNSにはフリーランスとして生計を立てているイラストレーターがたくさんいるので、いつかは自分もフリーランスになりたい!という方も多いかもしれません。
そこで本記事では、フリーランスとして働くイラストレーターの平均年収や単価相場、仕事を獲得する方法を解説していきます。
自分にはフリーランスという働き方が合っているかどうか、記事を読みながら考えながら考えてみてください。
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フリーランス×イラストレーターの業務内容・平均年収

まずは、フリーランスとして働くイラストレーターの仕事内容や平均年収について解説します。
フリーランス×イラストレーターの仕事内容
イラストレーターの仕事内容は、企業勤めでもフリーランスでも変わりません。
- 本や雑誌の表紙イラスト
- 漫画イラスト
- 広告やポスターなどのイラスト
とにかくイラストが使われるデザイン全般にイラストを描いていくことがイラストレーターの仕事です。そこは誰しもの想像通りかもしれません。
昨今はほとんどの掲載物がデジタルで作られるので、IllustratorやPhotoshop、クリスタなどを使いこなせることが必須と覚えておいてください。
フリーランス×イラストレーターの平均年収と単価相場
「求人ボックス」によると、企業勤めのイラストレーターの平均年収は357万円とされています。
一方、フリーランスとして働くイラストレーターの年収は個人のスキルや営業方法、人脈により大きく差があるため、一概にいくらとはいえません。
参考として「フリーランス白書2022」では、イラストレーターやライターを含む文筆系のフリーランスの年収は以下のようになっています。
- 200万円未満:32.0%
- 200万円以上400万円未満:26.9%
- 400万円以上600万円未満:21.5%
- 600万円以上800万円未満:8.2%
200万円未満しか稼げていない方が最多のようですが、400万円以上稼ぐ人も約30%はいるため、十分にフリーランスでも生計を立てられる可能性が高いことがわかるのではないでしょうか。
また、フリーランスとして働くイラストレーターの単価相場は以下の通りです。
- モノクロのイラスト:1枚3,000~5,000円
- カラーイラスト:1枚5,000~10,000円
- ポスターサイズのイラスト:1枚15,000~25,000円
これはあくまで一例のため、参考程度で考えてください。
参考1:求人ボックス
参考2:フリーランス白書2022
参考3:日本イラストレーター協会

会社員とフリーランス×イラストレーターの違いは?

会社員とフリーランスで仕事内容は変わらないイラストレーターですが、雇用形態が違うのでどうしても違う点は出てきてしまいます。
本記事では、雇用形態や仕事を獲得する仕方の違いについて解説します。
違い1:報酬形態が変わり収入が安定しない
企業勤めのイラストレーターは会社員のため、何枚イラストを描いても固定給が支払われる形です。
フリーランスとして働くイラストレーターは当然固定給ではないため、案件を受けた数によって毎月の収入が決定します。
そのため、すでに人気があり固定ファンも多いイラストレーターであれば「高単価×依頼が途切れない状態」を維持できるので高収入を見込めますが、知名度がないイラストレーターは収入が安定せず、生活していけるだけのお金を稼げるかも怪しいところです。
脱サラしてフリーランスのイラストレーターになるには、個人になっても依頼が途切れないというある程度の保証(人気)が必要になるでしょう。
違い2:自分で営業して仕事を探す必要がある
フリーランスは会社員の時とは違い、自身で営業をかけて仕事を取る必要があります。
ただしイラストレーターの場合は他の仕事と違い、SNSにイラストをアップして人気を獲得する手法が取りやすいので、単発の絵をSNSに流し、過去絵はポートフォリオにまとめて概要欄に掲載しておくだけでも仕事の声がかかることがあります。
そういった受動的な依頼で足りない部分は、自らDMなどで営業をおこなうか、クラウドソーシングサイトで能動的に案件を探して稼ぐことになります。
違い3:高いコミュニケーション能力が必要になる
企業勤めのイラストレーターの場合は、クライアントとの交渉を営業や上司がしてくれることが多くあります。
しかしフリーランスの場合はそこも全て自分でしなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。
交渉が上手くできなければ案件単価や納期、条件などを先方有利で進められてしまうため、無理な納期で安い案件を引き受けることになりがちです。
また、ヒアリングが上手くできなければクライアントの要望を上手く汲み取ることができず、納品物に満足してもらえないこともあります。
フリーランスのイラストレーターとして高い基準で働くためには、コミュニケーションスキルも必要になってくるのです。
参考:フリーランス白書2020
違い4:オリジナリティがより重要になる
企業勤めのイラストレーターは、オリジナリティよりも「クライアントや企業から求められるイラスト」を描くことが多いかもしれません。
しかし、フリーランスのイラストレーターになると周りと差別化できる個性的なイラストの方が評価されやすい傾向にあります。
もちろんクライアントのニーズを汲み取って要望に合うイラストを描くスキルも大切ですが、あくまでそのスキルは企業勤めの時に輝くスキルです。
フリーランスのイラストレーターとして働きたい場合は、要望に合わせて描く練習と合わせて、自分だけのオリジナリティをイラストに反映させる練習もしておきましょう。

イラストレーターとしてフリーランスになる前にやっておくべきこと

企業勤めからフリーランスのイラストレーターとして独立するためには、なにを準備しておくとよいのでしょうか。
本項目では、事前に準備するべきことを2つ紹介します。
フリーランスになる準備1:人脈を作っておく
フリーランスは基本的に1人で仕事をするので、通常の業務内で人脈を増やすことは難しくなってきます。
なので、独立する前に人脈を広げておくことを意識しましょう。「フリーランス白書2022」の調査でも、以下のような結果が出ています。
Q.仕事はどのようなところからみつけますか?
- 人脈…32.9%
- 過去・現在の取引先…30.9%
- エージェントサービスの利用…14.0%
Q.フリーランスとして働き続けるうえで重要だと思うことは?
- 人脈…56.9%
- 自分の意見を相手に上手に伝える能力…49.1%
参考:フリーランス白書2020
この結果からも、人脈が仕事獲得に大きく影響することがわかります。
人脈を増やすには交流会や勉強会、ワークショップなどが効果的と言われているので、それらの場所に赴いて積極的に人とのつながりを作っておきましょう。
フリーランスになる準備2:ポートフォリオを作成する
フリーランスとして仕事を取っていくためには、ポートフォリオの作成が欠かせません。
企業勤めをしていたイラストレーターは版権の関係上ポートフォリオに乗せられない作品もあるかもしれないので、独立時は過去の公開可能なイラストを集めポートフォリオを作成しておきましょう。
また、十分に集客効果があると判断したイラストに関しては、SNSにあげて反応をもらうことも1つの手です。
1枚絵などのパッとみて判断できるものはSNSと相性が良く、ふとしたきっかけで「バズる」こともめずらしくありません。
そうなれば出版関係者などの目に触れる機会も増えるため、クライアント側から依頼の連絡が来ることもあるでしょう。なので独立してフリーランスになる前に、自分自身の魅力がしっかり伝えられる“フリーランス用の”ポートフォリオを作成しておきましょう。

未経験からフリーランス×イラストレーターになる5ステップ

それではここからは具体的に、企業勤めのイラストレーターから独立してフリーランスのイラストレーターになるためのステップを解説していきます。
ステップ1:ポートフォリオの作成や名刺の作成などをおこなう
まずは独立する前に、独立後に使用するポートフォリオや名刺などを作成しましょう。
退職届を出してからこれらの準備を始めると、せっかくの有給休暇を無駄にしてしまったり、最悪の場合はフリーランスとして働き始めてからもポートフォリオ・名刺が手元にないという状況になりかねません。
なので、事前に以下のチェックリストを使って準備物をそろえるようにしてください。
- ポートフォリオ(公開可能な作品のみをまとめる)
- 会計ソフト
- 独立後の名刺
- 独立後のメールアドレス
- ココナラやクラウドソーシングサイトへの登録
これらを用意することで、退職後の時間をさらなる実績づくりなどに費やすことができます。
ステップ2:引っ越しの契約などの契約手続きを済ませておく
続いて、会社に所属しているという社会的信用があるうちに、引っ越しの手続きやクレジットカードの作成などは済ませておきましょう。
フリーランスは収入が不安定なので、社会的信用が低くなりがちです。
その結果「賃貸物件」や「クレジットカード」は審査が通りにくくなるので、会社員のうちに引っ越しを済ませたり、クレジットカードを作ったりする必要があるのです。
これらを揃えられていないと、今後ずっと不便を感じることになりかねません。見落としがちですが、ここはしっかりとしておきましょう。
ステップ3:退職届を提出する
独立する準備が整ったら、その時点で会社に退職届を提出しましょう。
一般的に退職届は、後任への引き継ぎのことも考えて2ヶ月前に提出するのがマナーになっています。
前の職場の社長が独立後のクライアントとつながっているということも往々にしてあるので、引き継ぎや挨拶回りはしっかりしておきましょう。
ステップ4:開業届を用意しておく
退職の日程も決まったら、続いては「開業届」の準備を始めましょう。
開業届の提出期限は事業を始めた一か月以内なので、前職が副業OKな会社なのですでに案件を取り始めたという場合は在職中に、そうでない場合は退職後に提出しても問題ありません。
開業届を提出すれば、以下のことができるようになります。
- 事業用口座の開設
- 青色申告申請書の提出
どちらもフリーランスとして働くうえで重要なものなので、忘れずにおこないましょう。
具体的な提出方法については以下の記事で詳しく解説しています。
ステップ5:社会保険の手続きをする
会社を退職すると、これまで加入していた公的保険が全て外れてしまいます。
なので、退職後は必ず「国民年金保険」と「国民健康保険」への加入手続きをおこないましょう。
詳しい手続き方法は以下の記事に書いてあるのでぜひご覧ください。


フリーランスのイラストレーターが仕事を獲得する7つの方法

フリーランスは会社員と違って、自分で仕事を探して獲得しなければいけません。
なのでここからは、フリーランスのイラストレーターが仕事を獲得する具体的な方法を紹介していきます。
案件を獲得する方法1:クラウドソーシングを活用する
最も一般的なのは、クラウドソーシングサイトから仕事を受注する方法です。
クラウドソーシングにはフリーランスへの依頼が取り揃えられているので、コネが少ない独立直後でも案件を獲得して稼ぐことが可能です。
イラストレーターが取れる案件としては、以下のようなものがあります。
- YouTube漫画の制作
- タロットカードのイラスト作成
- キャラクターの作成
- 広告のポスター作成
どれもクライアント個人からの直接依頼に比べると価格相場が低い傾向にあるものの、企業勤めのイラストレーターだった経験を活かせば高単価な案件をとることも難しくないでしょう。
独立したてだからと弱気にならず、高単価な案件を狙いに行きましょう。
<おすすめのクラウドソーシングサイト>
クラウドワークス
クラウドワークスは有名な大手クラウドソーシングサイトです。イラストレーターの仕事だけでなく多様な仕事の依頼が集まります。イラストレーター向けにはキャラクターイラスト、商品やサービスのイメージイラスト、バナーやロゴなどさまざまな仕事があります。
案件を獲得する方法2:知人・友人から仕事を紹介してもらう
フリーランスのイラストレーターが仕事を獲得する方法として、意外と多いのが知人・友人からの紹介です。
フリーランスになったことを周囲に公言しておくと、イラストレーター仲間や友人から仕事を紹介してもらえることがあります。
紹介案件であればお互いに「共通の知人からの紹介」という前提があるため、トラブルも起きづらく交渉もスムーズに進むでしょう。人脈の大切さがここで生きてきますね。
案件を獲得する方法3:BOOTHなどで自作イラストを販売する
BOOTHなどを活用すれば、自分のイラストを販売することができます。
特にBOOTHでは「自身のWEBサイトに使っていい商用利用可能なキャラクターが欲しい」「TRPGに使用する立ち絵が欲しい」などの需要もあるので、キャラクターイラストは購入されやすい傾向にあります。
価格相場は低いので1イラスト100~500円ほどの値付けになる可能性が高いですが、1度販売してしまえば半永久的に販売し続けることができ、在庫もないので何人にでも販売することが可能です。
もし500円のイラストを50人が買ってくれたらそれだけで月に25,000円の稼ぎと考えると、メリットは十分にあるのではないでしょうか。
もちろん販売するイラストやグッズの数を増やせば増やすほど売り上げは上がりやすくなるので、少しずつでも販売する商品を増やしていくことで受動的な売上を積み重ねましょう。
そこからあなたを知った人からの直接依頼があるかもしれません。
案件を獲得する方法4:コンテストに応募する
賞金や拡散目的であれば、コンテストに応募するのも1つの手です。
特にポートフォリオに「〇〇コンテスト 最優秀賞を受賞」と記載すれば、クライアントは「受賞するほどの腕前があるならこの人に依頼しよう」となりやすいので案件獲得には効果的だと言えます。
コンテストの情報は、日本最大級のコンテスト情報サイト「登竜門」や「公募ガイドONELINE」などで探せます。
自分の実力をアピールする大きな材料にもなるので、時間に余裕がある方はチャレンジしてみてもよいかもしれません。
案件を獲得する方法5:SNSやブログで発信する
前述の通り、SNSやブログでに自身のイラストを投稿することも有効な手段です。
発信をおこなうと固定ファンがついて拡散されやすくなり、拡散されたイラストがクライアントの目に留まることで受動的に案件を獲得しやすくなります。
一般企業の方は情報収集の為にXやInstagramを見ていることが多いのでそこは必須として、他に有効なSNSがあれば同じ内容を投稿して、少しでも多くの方の目に触れる工夫をしましょう。
また、ブログや自作WEBサイトで作品を公開するのであればアフィリエイトで収入を得ることも可能です。
自分の宣伝+収入獲得の場として、SNSやブログは可能であれば運用するようにしましょう。
案件を獲得する方法6:エージェントを活用する
最近ではフリーランスが増えてきていることに合わせて、フリーランス向けの求人も増えてきました。
フリーランス向けの求人はクラウドソーシングサイトでも探せますが、クラウドソーシングサイトは手軽に利用できる反面、安定して仕事を獲得し続けるのは難しいとされています。
なので、安定して高単価の仕事を獲得し続けたいならフリーランス向けのエージェントサービスを利用するのがおすすめです。
エージェントサービスでは、大手企業から直接受注した高単価の案件を豊富に取り扱っています。
条件交渉や契約手続きなどもエージェントがサポートしてくれるので「フリーランスになったばかりで交渉できるか不安…」「クライアントとの商談が苦手…」という方におすすめです。
おすすめのフリーランス向けのエージェントは、こちらの記事を参考にしてみてください。

案件を獲得する方法7:イベントや交流会に参加する
前述の通り、人脈獲得のためにも勉強会や交流会に参加するのは有効な手段です。イラストレーター向けのイベントや交流会を探す際は「こくちーずプロ」を活用するのがおすすめ。
「こくちーずプロ」は、さまざまなセミナーや勉強会を検索できるサイトです。イラストレーターのイベントや交流会だけでなく、経営や就活、スポーツに特化したものなど幅広いジャンルがあります。
イベントや交流会を探す際はジャンルだけでなく、開催日や開催場所、オンラインかオフラインかなど自分が探したい条件に絞って検索できます。
「イラストレーター」と検索するとたくさんイベントがでてくるので、気になる方は調べてみてください。
※XやInstagramで「#クリエイター交流会」「#イラストレーターイベント」と検索するだけでも、さまざまな交流会やイベントが探せます。

まとめ|フリーランス×イラストレーターとして独立する方へ
本記事では、フリーランス×イラストレーターの平均年収や単価相場、仕事を獲得する方法について解説しました。
これまで企業に勤めてイラストを描いていたところから独立するとなると、将来への不安を感じる方も多かったのではないでしょうか。
確かに雇用形態が違うので、収入面に最初は戸惑うかもしれません。
しかしイラストレーターは企業勤めでもフリーランスでも求められるスキルは変わらないので、イラストに自信がある方はぜひ独立を検討してみてください。
あなたのスキルが認められ、独立後に実力に見合った収入を実現できることを祈っています。