フリーランスとして仕事を続ける中で、多くの人が抱える悩みのひとつが「安定して案件を受注すること」だと思います。
特に人脈がない場合、営業活動や自己アピールに多くの時間を費やしがちです。
しかし、実はポイントを押さえたアプローチを取れば、人脈ゼロでも案件が自然と舞い込む仕組みを作ることが可能です。
この記事では、情報収集や見積書の作成、信頼構築のための工夫、さらには紹介を生むためのノウハウまで、具体的な実践方法を詳しく解説します。
営業しなくても案件が舞い込むフリーランスを目指して、今日から実践できるステップを確認していきましょう。
顧客の信頼を得て案件が舞い込むフリーランスになるための実践ノウハウ
案件が舞い込むフリーランスになるためには、見込み顧客の信頼を得ることが大切です。
そこで、ここでは顧客の信頼を得るための実践的なノウハウをお伝えしていきます。
なかには非常に細かいノウハウもありますが、細かいことの積み重ねが信頼となり、案件獲得につながるので、ぜひ実践してみてください。
先方についての情報をできる限り集めてからヒアリングに臨む
ヒアリングの前に、相手についてできる限りの情報を集めることは、良い関係を築く第一歩です。以下の方法を参考に、先方への理解を深めましょう。
- SNS
相手の最近の活動や投稿内容をチェックし、趣味や関心事を把握しましょう。特にビジネスに関連する投稿は、会話のきっかけになります。 - 公式ホームページ(HP)
会社の事業内容や理念、最新ニュースを確認することで、先方の価値観を理解できます。 - 求人サイトのインタビュー記事
インタビューを通じて、先方の考え方や働き方の特徴を知りましょう。これにより、相手に寄り添った提案がしやすくなります。
ただし、調べた情報をただアピールするだけでは逆効果になることもあります。「ブログでこんな話をされていましたよね!」「求人サイトの記事で読んだんですが…」など自然な会話の中で、以下のようにさりげなく触れるのがポイントです。
さりげなく上記のような言葉を交えることで、相手に「自分のことをよく見てくれている」という安心感を与えられます。
どの業務にどれくらい費用がかかるかを明確にしておく
見積書を作成する際は、たとえ概算であっても細部まで丁寧に記載することが大切です。すべての工数を明示し、無料対応分がある場合はその旨も記載することで、サービス精神を伝えることができます。
また、見積もり内容がどれくらい具体的か、以下のポイントでセルフチェックしてみましょう。
- どの作業にどれくらいの時間がかかるのか明確に言語化できているか?
- コストの内訳を分かりやすく説明できるか?
不透明な見積書は相手に不信感を与える可能性があります。そのため、受け取る相手が納得しやすい形で提示することを心がけましょう。
さらに、担当者が決裁権を持っていない場合は、詳細な見積書を用意することで、決裁者との合意形成をスムーズにサポートできます。このような行動を通じて、相手の立場に立って考える姿勢を示すことで、信頼感をさらに高められます。
「受け取る人のことを考えた見積書」を作成できる人は、プロとしての強い信頼を築くことができます。ぜひ、この視点を活かして見積書作成に取り組んでみてください。
目に見えにくい実績・感謝も集めて見えるようにしておく
仕事の成果や評価は、必ずしも具体的な納品物だけではありません。以下のような方法で、目に見えにくい実績や感謝の声を「見える化」しておきましょう。
- クラウドソーシングでの評価をスクリーンショットで保存する
過去の仕事に対するクライアントの評価やレビューは、信頼性を示す大きな材料になります。
- コミュニティで感謝されたコメントを記録する
オンラインやオフラインのコミュニティで得た感謝の言葉やフィードバックをスクリーンショットしておきましょう。
- スクールでの評価を保存する
スクールの講師や仲間からの評価は、自分の成長やスキルを証明する貴重なデータです。
- 制作会社などからの評価を記録する
一緒に仕事をした相手からの感謝のメールやコメントも重要な実績の一部です。
特に、見せられる納品実績が少ない場合でも、こうした評価を丁寧に集めてポートフォリオ等に載せておくことでクライアントに安心感を与えられます。あなたがどんな人なのか、どんな価値を提供できるのかを相手に伝えるために、これらの情報を活用しましょう。
これは自分のためだけでなく、あなたの話を聞く相手のためにもなる大切な準備です。ぜひ、少しの手間を惜しまず、実績を整理してみてください。
先方の知識量・理解度にあわせて説明の仕方を工夫する
仕事を進める上で、相手の知識量や理解度に応じた説明ができるかどうかは、信頼を築く大切な要素です。特にクラウドソーシングなどでは、次のようなケースがよく見られます。
- Zoomの使い方が分からない方がいる
- サーバーやドメインの知識が乏しい方がいる
こうした場合、専門的な用語や知識を押し付けるのではなく、以下のような工夫を取り入れると良いでしょう。
- 例え話や図解を用いる
難しい概念を身近な例やビジュアルで説明することで、理解を助けることができます。
- 相手のリテラシーに寄り添う
初心者には丁寧な説明を、理解が進んでいる相手には必要最低限の説明を行い、柔軟に対応する姿勢を示しましょう。
案件ではなくクライアント自身や事業に興味を持つ
クライアントとのコミュニケーションを円滑に進めるためには、案件そのものだけでなく、クライアント自身やその事業に興味を持つことが重要です。以下のような質問を投げかけることで、相手との信頼関係を築く第一歩になります。
- 「今のお仕事を始めたきっかけは何ですか?」
クライアントの原点や背景を知ることで、その事業に込められた想いや価値観を理解できます。
- 「今後、どのような夢や目標をお持ちですか?」
未来のビジョンに触れることで、クライアントが目指す方向性に共感を示すことができます。
- 「ホームページを拝見しましたが、こちらに書かれていた内容はこういう意味ですか?」
事前に調べた情報を踏まえた質問をすることで、相手への関心をさりげなく伝えることができます。
こうした質問や姿勢を通じて、「ただの取引先」ではなく「信頼できるパートナー」としての印象を与えることができます。案件の成功はもちろん、長期的な関係構築の基盤を築くためにも、ぜひクライアント自身や事業に興味を持ち、積極的に関わりましょう。
初回のヒアリングからGIVEをする
初回のヒアリングは、単なる質問と回答の場にとどまらず、クライアントとの信頼を築く重要なステップです。ここで一歩先を行く配慮を見せることで、「またお願いしたい」と思わせる印象を残すことができます。以下の工夫を取り入れてみましょう。
- 業界の最新情報を惜しみなく提供する
クライアントの業界や事業に関連するトレンドや役立つ情報を共有することで、「この人は頼りになる」と思ってもらえます。
- デザインの骨子(ワイヤーフレーム)を用意する
提案するアイデアのたたき台を準備しておき、それを基にクライアントの意見を求めることで、具体的かつ前向きな議論ができます。
- クライアントに合わせた「プレゼント」を準備する
顔合わせの段階で、一人ひとりに合った特別な提案や資料を用意することで、「自分のために時間をかけて準備してくれた」と感じてもらえます。
初回ヒアリングでの対応が、その後の関係性を左右する大切なポイントです。クライアントの事業やニーズに寄り添い、時間をかけた準備を通じて「特別な存在」として印象付けることで、信頼されるパートナーになりましょう。
いつも以上に表情と声に気を張る
Zoomなどオンラインでのコミュニケーションが主流となった現在、感情を上手に伝えることができる人は少数派です。だからこそ、表情と声の使い方を意識できる人は、相手に良い印象を与えることができます。
- 口角を上げることを意識する
笑顔は画面越しでも相手に伝わりやすく、安心感や親近感を与えます。自分では笑顔だと思っていても、実際にはそう見えないことがあるため、鏡やZoomを使って練習してみましょう。
- 声にも笑いを乗せる
表情だけでなく、声に明るさや温かみを加えることが大切です。声が持つ感情のトーンは、表情以上に相手の印象に影響を与えます。自分が思っているよりもワントーン上の声を出すのがポイントです。
オンラインでのコミュニケーションでは、笑顔だけでなく、さまざまな感情をしっかりと伝えることが重要です。ぜひ打ち合わせのときに試してみてくださいね。
相手に与える熱量に一貫性を持たせる
営業活動において、最初の出会いで相手に与えた好印象を最後まで維持することは、成約率アップに直結します。具体的には最初の営業メールで感じた熱意を、返信や面談でも変わらずに伝えることが重要です。
丁寧な言葉遣いや迅速な返信は、相手に安心感を与え、信頼関係構築の第一歩となります。また、相手の話をじっくりと聞き、共感の言葉をかけることで、より深い関係性を築くことができます。
さらに、自分の言葉で熱意を伝え、誠意をもって対応することで、相手はあなたを信頼し、安心して取引を進めることができるでしょう。
先方の質問・疑問には真摯に対応する
顧客からの質問に対して、丁寧に全て回答することは、営業の基本です。
- 分からないことは正直に伝える
「詳しい人に聞いてから回答します」「会議後にすぐに調べて返答します」と伝えることで、顧客は安心し、信頼感が高まります。 - 丁寧に説明する
顧客が理解できるまで、根気強く丁寧に説明することが大切です。
顧客の質問に丁寧に答えることで、顧客は製品やサービスへの理解を深め、安心して購入を決めることができます。
そのため、あえてクロージングを意識しなくても、自然と成約に繋がるケースが多いです。
相手のために自信を持って話をする
営業時に不安な表情を見せると、先方を不安にさせ、不利な交渉に繋がってしまう可能性があります。自信を持ってサービスや料金を提示することが大切です。
- 対等な関係を築く
不安な表情を見せると、相手から見下されてしまう可能性があります。自信を持って話すことで、対等な関係を築きましょう。
- 商品の価値を伝える
自信を持って、「この商品はこれだけ価値がある」というメッセージを相手に伝えましょう。
自分を大きく見せる必要はありません。できないことを伝えるのも重要です。ただ、できないことを伝えるときも、申し訳なさそうにするのではなく、堂々と伝えましょう。
ミーティングのあとは予定を入れない
大切な相手との打ち合わせでは、予定を空けておくことがおすすめです。
- 柔軟な対応が可能になる
緊急の事態が発生しても、すぐに対応できます。 - 深いコミュニケーションができる可能性が大きくなる
打ち合わせが長引いても、じっくりと話を聞くことができます。 - 議事録等を送れば仕事ができると思ってもらえる
打ち合わせで決まったこと等をすぐに議事録として先方に送ることで仕事できるフリーランスだと認識してもらえる可能性があります。
大切な相手との打ち合わせでは、予定を空けておくことで、より深い関係性を築くことができたり、相手の印象が良くなります。
先方におすすめしてもらったことは即実行し報告する
普段の会話の中で、「今度飲みに行こう」「この映画面白いよ」など、軽いノリで誘われたり、おすすめをされたりすることはよくありますよね。
そんな時、ただ「いいっすね」と流すのではなく、実際に予定を立てたり、その場で行動に移すことで、相手との関係を深めることができます。
ちょっとした誘いや提案をきっかけに、行動に移すことで、相手からの印象は大きく変わります。ぜひ実践してくださいね。
クロージングをしないといけないと思いすぎない
フリーランスの営業活動において、成約を急ぐあまり、顧客との関係構築を疎かにしてしまう危険性があります。
大切なのは顧客の質問に丁寧に応え、信頼関係を築くことです。そうすることで、自然と契約に繋がり、長期的なビジネスパートナーとなる可能性が高まります。
クロージングに固執せず、顧客の視点に立って、じっくりと関係を築くことが、フリーランスの営業成功の鍵です。
営業なしで案件が舞い込むようにする2つの方法
先に案件を取れるようになるためのノウハウをお伝えしましたが、やはり理想は営業しなくても案件が取れるようになることですよね。
フリーランスとして案件が舞い込むようにする方法は「同じ顧客にリピートしてもらう」か「他のクライアントを紹介してもらう」かの2つです。
- 同じ顧客にリピートしてもらう
過去に取引したクライアントとの継続的な取引を目指します。クライアントに満足感を与えることで、次回の仕事につながります。 - 他のクライアントを紹介してもらう
既存のクライアントや知り合いから新しいクライアントを紹介してもらいます。信頼関係が基盤となるため、紹介される確率を高めるための行動がカギです。
日本デザインスクールを卒業して活躍しているフリーランスの方々も、全員リピートか紹介をしてもらっています。
そのため、人脈ゼロから案件が舞い込むようにしたい場合、リピートや紹介をしてもらえるようなノウハウを知る必要があるのです。
リピートについては別の特典『【信頼構築】クライアントがまた依頼したくなる秘訣』でお伝えするので本特典では「紹介を生むこと」をメインにお話ししていきます。
紹介が絶え間なく生まれるようになるマル秘ノウハウ
ここでは実際に紹介が絶え間なく生まれるようになるノウハウをお伝えしていきます。
お伝えする内容は実際に活躍しているフリーランスの方々が実践している内容なので、ぜひ試してみてくださいね。
※今回お伝えする内容は、仕事をするなかでクライアントに満足してもらっていることが前提です。テクニックに走りすぎた結果、クライアントを満足させることを忘れないようにしましょう。
紹介が生まれやすい場所に積極的に参加する
紹介を増やしたい場合、まずすべきなのは紹介が生まれやすい場所に積極的に参加することです。紹介がもらいやすい場所というのは以下のようなところです。
- 経営者、起業家がいるような交流会
- クリエイターが集まる交流会
- ビジネス系のオンラインサロン
このような場所に来る人は、さまざまな人脈を持っています。
例えば、経営者・起業家は経営者・起業家同士でコミュニティで人脈を持っていますし、クリエイターはクリエイター同士でコミュニティを持っています。
そのため、交流会やオンラインサロンで出会い、気に入ってもらったクライアントから他のクライアントに紹介してもらえることが非常に多いのです。
実際に日本デザインスクールの卒業生で紹介で案件を受けている人は、交流会やオンラインサロンなどのコミュニティに属している場合がほとんどです。
人を繋ぐ動きをしている人と仲良くなる
テクニック的な話になりますが、人を繋ぐ動きをしている人と仲良くなるのも紹介を増やす1つの手です。
交流会やセミナーには、必ずといって良いほど人を繋ぐ役割をしている人がいます。
そういった方と仲良くなり、デザイナーとして気に入ってもらえれば自然とそういった方が、いろんな人に良いデザイナーがいると紹介してくれるのです。
また、交流会の主催者と仲良くなっておくのも大切です。
参加した交流会で人脈を作れなかったとしても主催者と仲良くなっておけば、次の交流会を紹介してもらえますし、運が良ければクライアントと繋げてくれます。
紹介案件が終わったら紹介してもらった人に必ず感謝を伝える
紹介案件が無事に終わったときに、紹介してもらった人に感謝を伝えるのは非常に重要です。
ビジネスにおいて人を紹介するというのはリスクでもあります。なぜなら、紹介したフリーランスの仕事がダメだった場合、紹介した側と紹介された側の関係が崩れるからです。
そのため、紹介してもらった案件が終わったら、必ず紹介してくれた人に案件が無事終わったことと感謝を述べましょう。
このような細かいことをしておくと、礼節がしっかりしている人と認識してもらえ、次の紹介も生まれやすくなります。
ポートフォリオを常にブラッシュアップし続ける
紹介してもらったときのチャンスを逃さないよう、ポートフォリオは常にブラッシュアップしておくようにしましょう。
紹介してもらった人がまず確認するのは、ポートフォリオです。ポートフォリオで心を掴めれば、ほぼ間違いなく受注が決まります。
そのため、1%でも案件を獲得できるよう、ポートフォリオの作品は更新しておく必要があるのです。
ちなみにポートフォリオを更新するときのコツは、さまざまなバリエーションの作品を載せておくことです。作品のバリエーションが多いと、どんなニーズにも応えられることをアピールできます。
まとめ
フリーランスとして案件を安定的に受注するためには、信頼を築き、価値を提供し続けることが鍵となります。
この記事で紹介した「情報収集」「見積書作成」「実績の見える化」などの実践的なステップを取り入れることで、人脈ゼロからでも案件が舞い込むようになります。
また、クライアントとの良好な関係を維持し、紹介やリピートを生む仕組みを構築することが、長期的な成功への近道です。日々の小さな工夫や行動が積み重なり、大きな成果につながることを忘れずに取り組んでみてください。
フリーランスとしての成長を楽しみながら、この記事を参考に実践を重ね、理想のキャリアを築き上げてください!